はてしない場所
ものすごく静かな世界遺産。
「地球の裂け目」であり、「世界初の民主主義会議が行われた場所」でもあるという。
新天地を求めて海を越えてきたバイキング達が、どんな国にしてゆくか、
それぞれに思いをこの場で語り合ったのかと思うと、なんというか果てしない気持ちになる。
何ともいえず荘厳な場所。不安にならない程度に、人がぽつぽつ歩いていて、ちょうどいい。
もちろん私もそのひとり。ぽつぽつ歩きます。
にしてもなんともいえない岩肌ですね。いかにも火山性。生まれたての台地とかそういう、よせつけない若々しさ。
その足元にひっそりとたんぽぽ。
ふわふわの綿毛が飛んできたのかと、そしてまた飛んでゆくのかと、胸にせまる
地球の裂け目にたまった水の透明度たるや!
なんという神秘。こんな光景を前にして、万物に神が宿るというのを信じられないわけがない。
しかし実はこちらのダイビングツアーもあるのでした。地球の裂け目に潜るって、すごすぎる。
見てみたいけどなんというか不遜なような気持ちもする。
むしろ私なんかが入ったら汚してしまうのではないか、という感じの
(当方ダイビング経験なしなので、本当にただの世迷い言で可能性はゼロ)
でも実はコインが投げ入れられている。あれれ。
しかしコインすら荘厳な趣があるように見えるのはひいきの引き倒しでしょうか。
肖像権的にぎりぎりな気もしますが、一応個体判別がつかないと言うことで
ぎりぎりグレーと思いたい(問題あったらおろします)、たまたま撮れた一枚。
あまりに絵になっていたのでこらえきれず。
どなたか存じませんが、本当にありがとうございます。
※私じゃありません
広くて荒涼としているのに、寂しげな場所なのに、その拠り所のなさがどこか気持ちいい。
結局人間どこにいても、同じように不安定で同じようになじむことができる。
そんな気持ちになる場所。
パワースポットとは呼びたくないけれど、静かな力に充ちている場所です。
さっきまで痛いほどの青空だったのに、ミストと呼びたくなるようなやさしい雨が降りはじめる。
降ると言うより、空中からわずかずつあふれてしまったようなやさしい水分。
そんなことはいまだから思えるだけで、当時の私は
デジカメとか、雨具の準備のなさとかにはらはらしてたはず。たぶん。
by chico_book | 2013-08-22 02:43 | 旅 | Comments(0)