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嫌なところがひとつもない、ほんとうにないねこの話。


※全体的にただののろけです※

濁音で鳴いている。
ぎゃうう、とか、ぐううう、と
形容したくなるような声でねこが鳴いている。
いつもどおりのとんでもなく優雅なフォルムで。

どうしてスフィンクスはあんな形になったのか
と、ぼんやり思う。
検索すればたぶんすんなりそして多様な説明が
出てくるのだろうけれど
いまは確かめなくていい気がする。

そっとねこの姿をみようとする。
ソファの影から、そっと。
平安時代の殿方はこんな気持ちで愛しいひとの
姿を見たのかしら、なんて。
雀の子を逃がしたのは犬君だっけ、
女三ノ宮のところで追っかけっこをしていたのは
こねこでしたっけ、そんな益体もないことを思いながら。
いま、ねこは私に気づいていないのだ。
ねこの素晴らしい点のひとつだと思う。
ねこは私のことを気にしない。
それでいて私のことを大好きなのだ。
すごいことだと思う。いつもほれぼれする。
その手の放しっぷりに。

ものすごく私のことを愛しているのに(自慢)
目の前にいないときは私のことをきっと忘れている。

不意に身をよじってねこが私を見た。
まんまるい瞳。たいへん美しい緑色の瞳。
エメラルド? ペリドット? いやいっそ翡翠と言うべきか。
月人好みの薄荷色、なんてこじつけてみたりして。
ロビンズエッグブルー、と、
たとえていただいたこともありました。
壊れてしまいそうな繊細さ。
この世のものと思えないような美しさ。
どこかで宇宙とつながっているようなひとみのいろ。
こんな美しい瞳で世の中を見ているなんて
それはもう気高くもなろうというもの。

まっすぐに私を見つめる。

「きゃうう」

ああ、ああ、明らかに声音が変わる。
愛らしい甘えを含んだ声。
自分の望むが叶うことを完全に信じ切っている声。
なんだいたのね、とでも言っているのか。
そんな声で話しかけてくれることのうれしさ
途方もないよろこばしさ(下僕)

はい、いますよ。
そばに仕えさせていただく喜び、
まさにマイプレジャー。

そっと近寄って顔を近づけてはなチュウ。
ざりざりと、舌の感触が鼻の頭に。
こちょばいこちょばいね、と、
そっとねこを抱き上げる。
5.3キロのねこを、それでも一応軽々と。

いつ見ても嘘のようにうつくしいましろいおなか。

夜遅くに深々と雪の降った日の翌朝、
嘘のようにあかるい天気のことがある。
空はそれこそ大気圏の青さ、
一点の曇りも迷いもなく輝く白銀を容赦なく照らす光。

ちこのおなかの白さはそれに似ている。
しかも雪と違って、あたたかくてやわらかい。
ふわふわのとろとろで、わたしにやさしい。
嘘みたいにやさしい。

しっかりとわたしの体で支えるようにして、
だっこする。大好きだっこ。
みっしりと密着するねこのすばらしさ。
下半身を腕でしっかりホールドして
あごを額を首回りを
よろこぶ場所をやさしく撫でる。

ちこが不安定にならないように。
ちこが不快でないように。

血液検査の結果がやや良くありませんでした。
とはいえもともと慢性腎臓病でもあり、
年令を加味すると一気に悲観するほどではないのですが。

BUN37、クレアチニン2.5.
正常値を極端に超えたわけではないけれど、
このところ改善傾向にあったので
すこし心の奥がしんとしています。
(通院を半年もあけてしまった
私の責任かも、とついつい思ってしまう)

誤差の範疇かどうかを確かめるために、
一か月後くらいにもう一度病院へいくことに。
年明け比較的すぐに行く必要がありそうです。
その結果によっておくすりとかサプリとか、
いろいろ検討してみましょう、とのこと。

『心配しすぎなくても大丈夫ですよ、
むしろ飼い主さんの心配は
本当にねこちゃんに伝わりますから
安心させてあげてください』

強くてやさしくて美しい、魂の立派なちこにゃさん。
怒るべき時に怒る、
いうべきことは言う、
でもいっさい根に持たない(しっかり覚えているのに!)
すばらしいにゃんかくのちこにゃさん。

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ねこおこたとエアコンのダブル稼働で
光熱費はいろいろしんどいですが
それでちこがすこやかに穏やかに過ごせるならそれでいいの。
むしろ出先で
「ああ今日は思ったより寒い、ちこ大丈夫かな」
とそわそわする方がよっぽどつらいもの。

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アンニュイな美貌。

でもこれはなんとか入手したい……。

なんで買わなかったのか、と、ここ数年じたじたしていたのです。
12/22発売ですって。もうここで買っとかないと買えないと思うのよ!
全日本も外れたし(小声)



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by chico_book | 2017-12-12 01:34 | Comments(3)

あかるい曇りの桜日和


明るい曇りのなかで見る桜は、いつでも私を2003年に連れてゆく。
すこしだけ。
2003年4月6日、motoGP(二輪のレース)開幕戦を観るために、
鈴鹿サーキットに私はいました。
非の打ちどころのないほど満開の桜があちこちにこぼれ、
明るいけれど暑すぎないていどに晴れた春の光、
そよそよとそよぐ無数のフラッグ、
ああ、うつくしい日本の春を世界中から来たライダーたちにみてもらえる(ドヤ)、
のどかに誇らしい気持ち、そしてこれからまた一年はじまるのね、
と言うわくわくうきうきした気持ちでいっぱいでした。

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とてもとても応援していた選手、参戦2年目で、
本気で今年はチャンピオンいける!!! と
(おそらくその場にいた誰もが、と断言できると思う)
思っていた選手がいまして。
(名前をつづると、その字面をみるたびさみしくなるので書きません)
その彼が、サーキットで、その日のレースで事故にあいました。

サーキットに響いた
『ゼッケンナンバー74番が帰ってこない!!』
と言うアナウンサーの絶叫、
モニターに映し出された動かないライダースーツを目にした時の衝撃、
ドクターヘリがその銀色の胴体をギラギラ輝かせながら飛んでゆくのを、
いまでもまざまざと思い出すことができます。
なんて言って、色が違ってるかもしれませんけど
(最近めっきり自信ない)

その日から、明るい春の陽ざしのなかの満開の桜を見ると、
こころがすこしざわつきます。その不穏さがゆらりと立ち上がってくるような。
たぶんこれからもずっときっと。
森山直太郎さんの『さくら』が、どこでも流れていた年で、
この曲もわたしにとっては鬼門になりました。つらすぎる。
いまでも、街角で聴こえてくると、なるたけ耳にしないように
努力してしまいます。ついつい。どうしても。

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しろくろの姿の、あったことはないけれど、
モニター越しにとても親しい気持ちをいだいていたにゃんさんが、
にゃん格の高いおっとりとやさしい素晴らしいお兄ちゃんにゃんが
(ちこの方が圧倒的に年上なんだけど、ついお兄ちゃんにゃんと
呼んでしまいたくなる)旅立ったと、伺いました。
闘病のなかでも、おおらかで優しい空気をまとった
とても素晴らしいにゃんさんでした。

フクちゃんに、こころからありがとうを捧げます。
他のことばが見つからない。
ほんとうにありがとう。
ご家族の皆さんも、どうかごゆるりと心を休めてください。
無断で記事にしてしまってごめんなさい。
フクちゃんに、お花と言葉を寄せたくて、勝手をしました。
どうか気にしないでくださいね。
※この記事については、コメント欄も閉じさせていただきます(ぺこ)

お散歩大好きだったフクちゃんに、
地上の無数のちいさな星のようなはこべを。

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by chico_book | 2017-04-02 22:11

知恵熱

まだちょっと調子が悪いままなので、ひたすらおとなしくしています。
そういえば知恵熱出やすい体質でした。
最近出てなかったので、認識してなかったけど。
ステイヘルシー、ひとに(羽生さんに)言ってる場合ではなかった。

地上波放送前に、コメントでぽろっと言ってしまいましたが
GPファイナル(ライストで視聴済)やら
逃げ恥やら(原作読みたい、読まなくちゃ)
ユーリオンアイスやら
(10話のひっくりかえしっぷりがすごすぎてまだ呆然としています)
ひとつだけでも大変な大波大波さらに大波で

そしてなにより真田丸が!! ああー!!(BS視聴済。まだふわふわしている)
おわっちゃうーーーー!!!
なんだかすごい一年でした。去年なんか(たぶん)なんにもドラマみてなかったのに!!

(しかも最近『べっぴんさん』を観るようになった。トドメ。
ふわふわやんわり感好きです。
それええね、と、なんかなあ、で、ゆるゆる転がってゆくお嬢様展開。
登場人物のファッションがたのしすぎて、
あの品のいいニットや、刺繍やスモックや、
同じ型紙を襟だけ変えたり工夫しているブラウスや、
(へちま襟とか大好き)
うちの母も得意だったフレアスカートをみているのがたのしくてついつい)

・・・・・もしかしたらたぶん来年死ぬんじゃないかな私。
と言うほどの、お迎えが来たの? っていうほどの充実ぶり。

いやがんばって生きのびますけど。

ユーリ二期希望! とか、真田丸スピンオフ希望!! とかね。
ありますから。

12/22。

プ~ねこ(6) (アフタヌーンKC)

北道 正幸/講談社

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まだ書影は出てませんがでましたのでリンク貼り直し! 待ってた待ってた!!

積読もたくさんあるしね。あるのに買っちゃったしね。

ココロを鎮めてゆっくりむかいあいたい。でないとつらいわもったいないわ。

ビリーの森のジョディの樹2

三原順/復刊ドットコム

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遺作・未完成作品収録の単行本を、新刊で入手するのはこの本以来。
あのときもつらかったです。

12/15発売。

ふしぎの国のバード 3巻 (ビームコミックス)

佐々 大河/KADOKAWA

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すこしずつ進んでゆく物語、素直に興味深いです。たのしみ。


乙嫁語り 9巻 (ビームコミックス)

森 薫/KADOKAWA

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年末のオタノシミ。この作品でも刺繍や布支度が大量に登場してとても楽しい。

12/19、22。

上質で軽快なアメリカドラマの様でとても楽しい。
とにかくキャラクターが魅力的で謎解きもあり。


ACCA13区監察課(6)(完) (ビッグガンガンコミックススーパー)

オノ・ナツメ/スクウェア・エニックス

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アニメ化と聞いていましたが完結なのね。ちょっと安心しました。

あと
『砂とアイリス』3巻の発売予定が
12/22なんですが……どうでしょうか(おずおず)
信じていいのかなこれ。期待ゆっくりめで待ちます。



年明け早々にこちら。1/6。

LIMBO THE KING(1) (KCx)

田中 相/講談社

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一話以来、全然読んでないのでたのしみ
果たしてどんな物語なのか。

1/12。

阿・吽(5): ビッグ コミックス〔スペシャル〕

おかざき真里 阿吽社/小学館

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いまいちばん続きがたのしみな作品のひとつ。いまからわくわくしています。

ていうかコミックスこんなにあるのか。ちょっとふるえてまいりました。
うっかりこの本買ってしまった後なのです(いや後悔はしてませんが)

高額だったので(ちこぼん基準)たいへん迷いましたが、
なかなか本屋で出会わず。
『次の本屋で会えなかったら諦めよう』
と言う賭けをした結果、ビンゴ。わたしこういう賭けをよくやります。

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

梯 久美子/新潮社

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お正月に読む予定。いまになって、年末年始にはむかないような気がしてしまいますが。























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by chico_book | 2016-12-11 19:36 | Comments(2)

『真田丸』のある深々とした幸福に感謝

ことしは自分でもびっくりするほど映画を観ていません。
7月8月つうじて『シン・ゴジラ』2回と言うのもなんというか。
よりによって。でもすっきりしたからいいの。
なんとも2016年らしいし。大変楽しいおまつりサマーでありました。
(大河ドラマはまだまだおまつり続行中)

用事が多いせいもあるけれど、かなりの割合
『真田丸』に週末を支配されているせいでしょう。
5月頃だったかな、
『ここからは毎回神回』
と、石田三成@山本耕史さん(あ、逆? )がおっしゃっていると
小耳にはさんで、ええ、そんな幸福あるのでしょうか、
期待しちゃうよーん! でも怖いなーいくらなんでも怖いなー、
なんて思っていたら、あらまあ。あらあらまあ。
ありがとうございます!!

土曜日には、ああ、あと少しで次の回だわとそわそわして、
昼前には再放送見ようかなあとうんうん唸って、
特番やら何やらで時間帯がずれていないかなとか、
日曜日には予約を何度も何度も確認し、
一日のタイムスケジュールをおさらいして、
(前回放送分をおさらいするべきか否か)
HDののこりはどうなのかしらと思いあぐねる。
まあ。なんとまあ幸福な。

日曜の夜にはぐったりひたってなんとか自分の中で
(かたちにならないまでも一応)醸成して、
ゆるゆるとネットの海にひろがる感想とかさざ波を
追いかけてみたり、のまれてみたり。たのしい。
30年前には、これ「文通」でやっていたんですよね。
「投稿」でやってる人もいました。
なんともひそやかでのどかな時代でありました。

まとめきれずにざわざわしているうちに
周回遅れになってしまうので、
なかなか『真田丸』の感想が書けなくてもどかしい。
でもまあ、意欲だけでも記録しておこう。おこう?
(わかるひとだけわかってください…)
こんなにも面白くてやるせない大河があったでしょうか!

高校の修学旅行で、松本に宿泊しました。
永平寺>兼六園>(富山泊)、翌日黒部ダムから松本へ。
はじめてみる高い高い山なみに囲まれる風景の不思議さ。
同じ山地でも、九州の九重や阿蘇は、空に向かって開いている感じがする。
信州の山々は、もっと厳しく道を隔てて存在する、
それでも意地悪なところのない印象。
あくまでも純粋に険しい、障壁のように思えました。たぶん。

もう30年ちかく前だから、自信ないけれど(本日二回目)
その印象を確かめに行ってみたいなあ。最近の秘かな願望。
ここまで盛り上がっているからには
『大河ドラマ館』に行ってみちゃおっかな、
と言う気持ちとずっと綱引き。新幹線も乗ってみたいなあ。
東海道山陽新幹線しか知らないので、それだけでもわくわくしてしまう。

これから出るまんがのおぼえがき

宝石の国(6) 9/23

宝石の国(6) (アフタヌーンKC)

市川 春子/講談社

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そろそろ真面目におさらいしようと思う。
ややふりおとされ気味。

あかぼし俳句帖(4)

あかぼし俳句帖 4 (ビッグコミックス)

有間 しのぶ/小学館

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うっかり!! 8/30発売してました!
ヒロイン目当ての赤星さんがどんどん俳句の楽しさに
目覚めてゆく様子がたのしくおかしくほほえましい。
しかしあくまで真剣に創作。

3月のライオン(12) 9/29

いろいろもったいない印象。
将棋まんが、とみるのか、将棋少年じしんの成長ものなのかで、
評価が分かれるところかな。
なのでこの表紙は、やや不安になりがち。
アニメや映画も控えているので、その辺の事情も絡んでいるのでしょうが
内容がガッツリ硬派だったらいいなあ(願望)

なに食べ と そろそろ!! そろそろ『プ~ねこ』の新刊を!!(涙)
直近の単行本が2013年ですからして。

こちらで『プ~ねこ』一話の試し読みが出来ます→
(1巻が2005年1月なので確実に10年以上前になりますが)

こちらはものすごくたのしみ。11/12公開。



劇場数が多くなさそうなので気をつけましょう>自分

冒頭の、駅名のアナウンスの響きからして見事。
呉 の、発音に緩やかな郷愁。
(短い間ですが、広島に住んだことがあります)
広島ことばの、ややゆっくりした速度、独特の抑揚。
のんさん(元能年玲奈さんと言えばいいのか)の
透明で素直な、華美さのない明るい声。

原作も素晴らしかったので、
期待するのがこわかったのですがおもしろそう。

※一部表現を改めました。いろいろヒドイ間違いが(恥)


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by chico_book | 2016-09-13 01:48 | Comments(4)

春の嵐とみなと散歩

春と言えば嵐の季節、芽吹くものみな怖ろしい。


高校時代、先輩が好きだった曲。
まんがや小説の選択眼や批評のセンスが良くて、
憧れの先輩だったのでテープがすりきれるほど聴きました。

高校時代の友人と、卒業アルバムをひっぱり出して
しみじみと話し込む夜更け。
未来のあてどなさと時間の豊饒さに途方に暮れかけていた日々の記憶を
共有する友人と、こうしていま話すことのできるありがたさ。
不安で不穏な春の季節を共に過ごしてくれたひとが、
いまもこうしていてくれる僥倖。

お互いにどうにかこうにか時間の折り合いをつけて、
短期集中でしゃべりあかして別れ、それぞれの日常にランディング。
このコンパクトさと集中力をいまの私は気に入っている。
30年前には思いもしなかった。

30年後かどうかはわからないけれど、またそのうちがらりとステージが変わっても、
こんなふうに時間を共有できるといい。そういう自分であるといい。
彼女にとって私が、そういうことをして楽しい相手であるといい(祈)

晴れた土曜日、横浜散歩の記録。

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見事な青空。聞こえてくるのは、たのしげでのんびりした会話のさざなみ。
異国のことばも聞こえてくる。
(比較的)なじみのある英語も、軽快なスペイン語も、
うつくしい音階の中国語も。そういえばいまは春節まっただなか。
中国語のポスターもたくさん見かける。歓迎光臨、だったかな?

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稜線の傾斜を意識して設計されたビル群だそうです。

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『これくらいのひとの多さだと、歩きやすいね』
そうそう。
便利でアクセスのいい大都会なんだけど、どこかのんびりしている。
そしてなにより住んでるひとたちが地元大好き(私も大好き)

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ほんとうに見事なお天気でした。
それでも、空の青さはみごとなのに快晴ではなく不穏な雲のたなびきが
翌日(日曜日)の春一番を暗示していたのかも。

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香港とかシンガポールを思い出す。いや住んだ経験はありませんが。
ほんの数日滞在しただけですが。

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ヴァレンタイン前日だったせいかな、結婚式がとても多い。
あちこちから響いてくる鐘の音や拍手や歓声、花束のようなお嬢さんがた、
エスコート役のりりしいメンズや、正装の皆さまのすがたもたくさんたくさん。
なんとも春らしく華やかで、まだ浅い春、うまれたての陽光にとてもよく似合う。
おめでとうおめでとう。
地面にさりげなく、でもしっかり咲いている小さな花のような気持で、
私もそっと寿ぎを寄せる。

ふたりの人間が共に生きようと心を決めたこと、
これから何があるのかわからない長い道のりのこと、
あるいは本当に困難らしい困難もなく
「いつまでも幸せに幸せに末永く」続いてゆく、
そんなこともあるのかもしれないけど、
ただその決意をしたという事実が、あてもなく確信もないままに
その一歩をふみだしたことが、なんだか胸に響く。
ひとはそんなふうにふいっとこころを決めてしまうものなのだな、なんて。

そんな文章を江國さんがどこかで書いていたような記憶がある。
でもわたし自身の実感でもある。
もしやしっくりはまりすぎて、区別がつかなくなっているのかもしれないし、
私がアレンジしてしまっているかもしれないし、あるいは単純に思い違いかもしれない。
あいまいな記憶。

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そんなことを思ってしまうのは、この看板でこちらを連想してしまったからかも。
(にしても断言すごい)

泳ぐのに、安全でも適切でもありません

江國 香織 / ホーム社



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『意外と変わらないもんですねえ』
『そうね、年をとった自分って、
高校生のころに思っていたよりも、ずっと自分のままだった』
『いちばんごまかしきれないのが自分自身なんてねえ、怖い怖い』

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『だから自分のことを、そんなふうに否定しなくていいよって
言ってあげたいね、高校生の頃の自分に』
『でもねえ、わたしらの世代ってあれでしょ、
高度成長の流れで受験戦争で子供多かったじゃない?』
『うん』
『そのころって社会で有用な人間になるのが目標なのよ。
いかに立派な歯車として機能するか』
『鉄郎だ』
『そうそう、よいネジになることが良き市民の道なの』

銀河鉄道999 [DVD]

TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)



『家庭をまもり夫を支え親世代に尽くし、
子どもをいつくしむ正しい家庭婦人。
だから別に職業をもたなくても、家にいても社会の基盤に
貢献しているってことになる』
『あるいは『女性でも』世間様から尊敬される、
立派で穏当な職業に就くとかね。名誉男性的な』
『お医者さんとか教師とか』
『だから、世間様から外れることは駄目だったんだよ』
『それが唯一の生きる道だから、そのレールにきちんと乗ることのできる人間、
立派なネジとして社会に居場所を見出せる人間にすることが
親の愛情だったんだねえ』

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『それはそれで、世代的にしょうがない部分もあるんだよね』
『まずご飯を食べることができるのが大事で』
『そのあと”教育を受けたくても受けられないのがくやしい”って
いう渇望があって』
『それを達成したらこんどは
”ありのままで受け入れられたい”とか”条件ぬきの愛情がほしい”
と言う話になって』

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※わたしたちのぐだぐだと関係なく、いつもどおり毅然として優美なクイーンの塔。薄暮のころはさらなり。
この気持ちのはるか延長線上にあるなにかが、金閣寺を燃やしてしまったりするのかしらなんて。


『まあ、詰まるところ、手持ちの自分で勝負していくしかないしね』
『うん。ひとを恨まず自分を責めず、状況を呪わず後悔せず』

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「なんだ、かんたん」

『・・・それってねこですね』
『そうだね、ねこだわ』

ねこ好きたちの会話は結局いつもそんなところに落ち着きます。
それはそれで間違いなく幸福のひとつ。

そう、たとえばこれをみて

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『あ、なにか猫グッズが落ちてる! しろいねこちゃんだ!! 
もうもう、みんなねこだいすきなんだから(^^♪
かわいそうだからひろって、目立つところにおいてあげないと! 』

とにやついてしまうほどに。

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はい。そうです。誰かの使い捨てカイロです。あーびっくりした。
 
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by chico_book | 2016-02-14 22:58 | Comments(6)

軽くてシビアな受容の物語

重い内容なのに、息苦しさが感じられない、とでもいえばいいのでしょうか。
シビアなのに重くはない、不思議な作品でした。
まだまだ公開中、特に横浜は上映がはじまったばかりなので、
抑えめの感想にすることを心掛けてみます。レッツトライ。
(ゼロにはならないと思いますので、ネタバレ等気になる方はご注意お願いします)

『ひつじ村の兄弟』 公式サイト



(しかしこの予告の内容とは印象がずいぶん違う気がします…)
本編鑑賞後に、予告を観る方がいいかもしれません。


アイスランド映画は、これで通算5本目です。たぶん。※数字は日本公開年

『春にして君を想う』(94)

春にして君を想う [DVD]

ブロードウェイ


ファーストコンタクト。度肝を抜かれました。風景も、話も。
ものすごく取り残された気持ちで、天神の街をとぼとぼと歩いた記憶。

『コールド・フィーバー』(95)

コールド・フィーバー [DVD]

ブロードウェイ



このころどうしようもなく永瀬正敏が好きでした。
もう永瀬正敏が好きなのか、
キョンキョンが好きなのか、
キョンキョンと(当時)結婚した(この)ひとが
好きなのかなにがなんだかわからないくらい。


(全くアイスランド関係ない動画ですが)
この時代ですね。いやもうね。懐古ってことになるのでしょうか。
なりますね。ありえないですねこのシャツ。うしろのおねーさんもありえないですね。
でももうなんでもいいや、というくらいに好きだった。

『氷の国のノイ』(04)

氷の国のノイ [DVD]

スロウブロウ / ダゲレオ出版



いまでも『絶対にやりたくない職業』に「アイスランドの墓堀人」をあげてしまうのはこの映画のせい。

『馬々と人間たち』(14)

馬々と人間たち [DVD]

オデッサ・エンタテインメント


記憶に新しい変な映画。抜けなくなる音楽、脳にしみこむ(そして色あせない)画像。

とまあ、こうしてさらっとふりかえってみるとほぼ10年おきに
アイスランド映画と向きあっています。なんだか不思議。

『世界一男女平等で平和な国』(『馬々と人間たち』公式HPより)の映画は、
どうしてこう奇妙で容赦なく、そして可笑しみにあふれているのか。
この(猫の舌でなめられるような)ざりざりした感触、
そして(猫のおなかの毛のように)やわらかくしっとりしているのに
まとわりつかない素っ気なさ。
その慎ましさ、見るからに繊細であたたかそうなのに
しっかりとした風情はまるで(作中で登場人物が身につけている)
アイスランドウールでつくる独特の『ロピーセーター』のよう。

世界の伝統ニット1 アイスランドロピセーター (世界の伝統ニット 1)

日本ヴォーグ社



日本においていまひとつ『個人』や『人間単体そのもの』が
(組織や建前にくらべて)大切にされない(気がする)のは、
もしかして風土に関係があるのかも、と考えたことがあります。

温暖にして湿潤、油断するとカビや腐食が進むけれど、植物の成長は早い。
ということは、(主に建築では)新しい素材で作り直した方が話が早い、
なんてことがあるのかしら、などと、式年遷宮について想像してみたり。

季節の遷移(梅雨時の田植え、夏季高温時の成長、
秋・収穫期の乾燥などなど)とあまりにも風土とマッチしている
主食のコメにしたって
(もちろん品種改良の結果でもあるのでしょうが、それにしても)
たとえばうまくいかない年があっても、なんとかしのいで
春になればまたゼロスタート可能、ということが
先送りのメンタリティの根源なのか。
あるいは、想定できない自然災害の多さが、
諦めの良さへつながったのかな、などなど。

まあ、結論ありきの単純化しすぎている認識かな、とも(自分でも)思うのですが…。

(更に明治初期までは日本の山は結構『はげ山』だったことを
最近知って、仮定が違ったかも、などとほんのり考え中)


森林飽和―国土の変貌を考える (NHKブックス No.1193)

太田 猛彦 / NHK出版



いずれにしても、スクリーンに映し出されるのは日本とはあまりにも違う風景。
荒涼たる原野に、点々と広がるひつじたちは地表を覆うごく薄い緑を
こそげるように静かに咀嚼する。
そんな自然の中で生きてゆく(人間のみならず)生命の、
謙虚ではあるが決して卑屈ではない、むしろ猛々しい様子がたいへん印象的です。

なにしろひつじさんかわいい。かけねなしにかわいい。素晴らしい。
そのひつじを、全力で愛するアイスランドの皆さん。
愛するだけでなく、たいへん誇りに思っているのがよくわかります。
1000年前、バイキングがもちこんだと言われるアイスランドシープは、
ほとんど交雑していない、大変貴重な、原種に近いと言われる種族。
羊のことに詳しくなどないワタクシから見ても、
ひときわふっさりしていて意外なほどの足の長さ。
みんなで動く様のかわいらしさときたら!!

ちなみに映画のエンドクレジットには、
ひつじ(のみならず馬も含めてあらゆる動物たちは)たちは
ごく当然のこととして『全く傷つけられていない』という説明と、
俳(女)優ひつじやアイスランドホースの固有名詞もちゃんと登場しました。
安心安心。

そんなすばらしい羊を、かわいらしさのみならず、
自らを支える存在としてとらえる姿を、丁寧に描いています。
(アイデンティティと言えばいいのかも)
家族としての羊の存在、代々受け継ぐものとしても
牧羊という職業を通しての生産性という意味でも、『羊』は大変重要な存在。
その(意味合いの)重層性はなかなかみごとです。
(聖書によく登場する「ひつじ」の持つ意味合いや文脈の理解が深ければ、
さらに面白かったかもしれない)

東部アイスランドの小さな村でひっそりくらす、ひとり暮らしの老人の、
丁寧な暮らしぶりもたのしい見どころ(食事は質素だけど)。
とても良い作品です。興味のあるかたはぜひぜひ。
もちろん羊と言えば、牧羊犬、ということで
ボーダーコリー(でいいのかな)大活躍。いやものすごく活躍します。
(牧羊)犬好きの方必見。

ところで。
あわてて記事にしたのには、実は理由があります。じゃーん!!

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【賞品A】レイキャヴィーク往復エコノミークラス航空券
  2名1組

ひゃあ大変。応募締め切りは1/24です。
Facebook・Twitterもしくは郵送での応募、ということで方
【賞品B】ファーマーズマーケット レディースニット 2名様
こちらもたいへんかわいらしいです。色合いも上品で素敵。
(ほかにももあります。くわしくはリンク先をどうぞ♪)

フェイスブック・ツイッターからも応募できるとのことですが、
ワタクシははがきを購入。粛々と『郵送応募』で臨みます。ふふ。

余談)
ところでこの作品、英語タイトルが『RAMS』なんですね。
ああ、ラムね、ひつじだからね、なんてあっさり流そうとして、
軽く違和感をかんじました。一度確認してみたら
「雄の羊、つまりは種羊」(厳選されたオスしかなれない)
でした。
いわゆる羊と言えばラム、は『LAMB』
うわー、なんでも調べてみるものですね。
それを踏まえるとまた興味深い。
とにかく大変に味わい深く感慨深い、深深しい映画なのです。

映画を観た後に立ち寄った『神奈川県立歴史博物館』は、
旧・横浜正金銀行本店建造物を使用しているのですが、
横浜正金銀行の英語表記が『YOKOHAMA SPECIE BANK』。
ここでまたひっかかります。
「SPECIEって? SPECIEじゃなくて?? 」

スピーシーズ 種の起源 [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン



またも辞書を引きます。
うわ全然知らなかったよ。
SPECIE(可算名詞):種類、生物など
SPECIE(不可算名詞);(紙幣に対して)正金,正貨.
なんですねー。
いやはや。意外なところで不可算名詞ねたがほんのりとつながって
(不可算名詞は『RAM』ではなく『SHEEP』のほうだけど)
なんとも興味深い日でございました。
もの知らずはいつまでも発見が多くて日々新鮮です、きっと。

SHEEPはいわゆる不可算名詞でしたっけ。
まあ数えるの大変ですよね、と、なんて思い出しつつ。
既にココロはアイスランドへと、飛んでいるのでした。

※1/22夜 文脈が変わらない範囲で、すこし文章を手直ししました(謝)
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by chico_book | 2016-01-22 01:18 | Comments(2)

はじめまして

はじめまして。chicobookです。

押しかけ居座りねこに
困ったなあもう・・・といいつつ、
でれでれいそいそとお世話係として尽力しつつ、

体調悪いときは
「あーもうしんどいわぁ♪」
といいながらにまにまと本をベッドに
もちこむような人間です(おとなしく寝なさいよ)

本に育てられ、ねこの為に生きる。
そんな日々を
こっそり記録してみたら、どうなるかしらというココロミです。

よろしくおねがいします。

追記:思いのほか旅ブログになってしまってる側面が。
タイトルを変えるべきかちょっとだけ悩んでおります。進行形。
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by chico_book | 2013-02-16 22:48 | Comments(2)