カテゴリ:旅( 61 )

思い出を発掘しながら緩やかに祈りを捧げます

あっという間に2月も半ば。
あちこちで梅祭りのニュースも聞こえてきます。
そういえば4大陸ももうすぐ。
台湾ひさびさに行きたいなあ、と、
上海のおみやげにいただいた中国茶を飲みながら思うとんちきさ。

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こんどは猫空に行ってみたい。
「猫空」と書いて「まおこん」と呼ぶ、台湾郊外のお茶の産地。
お茶畑と茶芸館が点在する山のつらなり。
ロープウェイもあって、なんでも直角に曲がったり、意外と動きが速いのだそうです。
うまく想像できないや。

※以下台湾の写真は2007年5月のものです。

台湾の国花は梅。
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(ほんとはエバー航空の方が好き(小声))

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こちらたぶん4大陸の会場となる、台北アリーナ。

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霧につつまれた夢幻と言いたくなるような場所。

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やまふところに抱かれた感じが好き。

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快速保養、力強いですね。
力豹仕で、レプソルさんなのでしょうか。違うかな。

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北海道昆布鍋。じわじわしみこむグルタミン酸。

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なんとなく大柄ですんなりしているように見える雀。
モデル体型?

台湾には三回行ったのだけれど、ほとんど台北市内しかのみ。
(淡水には行きました。あそこは台北市郊外なのかな??)
静かな海沿いを散歩するのはやはり好き。
福岡でも広島でもヨコハマでも。

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なんとも深みのある緑。
母方の親戚は、戦前台湾で商売をしていたといううわさがあります。
時々どっさりと『外地』のめずらしいものが届いたのだとか。
もう誰にも、はっきりしたことはわからないのですが。
(話を盛る癖のある人が混ざっているしなあ…)

日本もそうだけれど、温暖で湿潤な気候では、
あっという間に植物が覆い隠してしまうのかもしれない。
いいことも悪いことも、覆いつくす緑。
洗い流す力強い水の流れ。潤い。

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なんとなく九州のイメージと重なる。

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豊穣で優しい、おっとりと深い印象の場所。
街がのどかに開けていて、大都会なのに花の多さとみどりの濃さが印象的。

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三越百貨店台北店のなかに設定されていた『日本庭園』。
華やかなばらや噴水や、建物の高さをはるかに超える松の木とか、
いろいろな違いがあるけれど、そんなことのすべて、そう、なんだかすべてやさしい。

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台湾南部の地震でお亡くなりになった方々に哀悼の意を表しますとともに、
被害にあわれたみなさんに、心よりお見舞い申し上げます。

私の大好きな台湾もアイスランドも、
いま生活しているこの日本も等しく地震国です。
さまざまな天災のなかでも、
予期や対策のむつかしい『地震』について、
3月を前にあらためて考えずにはいられません。
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by chico_book | 2016-02-07 23:17 | | Comments(0)

旅とふわふわ、私の好きなこと

私の記憶にあるいちばん最初の旅は、3-4歳のころ。
九州から船に乗って、当時山口在住だった親戚のうちに行きました。

穏やかな瀬戸内海をしずしずと進むフェリーはまったく揺れない悠然。
私には、何もかもが珍しかったのですが、
その穏やかな海面とぶつかる船体そのものに、なにより魅了されました。

ふわりと泡立っては、やわやわとながれてゆく白い波しぶきを
ずうっと見ていてもまったく見飽きなかった。
なんども母親に引き戻されてたっけ。
そりゃそうです、小さな子供が船の甲板の
手すりから真剣に海をのぞいているなんて、怖い怖い、なんて怖い。

転勤族だった親戚がいたのは、山口県徳山市。
70年代らしく、いわゆる昭和な『社宅マンション』に住んでいたのですが、
田舎の『一戸建て』しか見たことのない子供にとって
それがどれだけ印象的だったことか!!

おなじような場所が無数にあって、しかもドア閉めちゃったらもう、
どこがどこやらわからなくなるんですよ!
なにこれおもしろい!!

全部同じに見える、ということは全部が(私の行きたい)場所かもしない。
それはドアを開けるまでわからない。なんという迷宮。可能性の宮殿。
(なんとなくシュレーディンガーのねこのニセモノみたいな話ですが)

いまにして思う、親は結構大変だったかもしれない。
一緒に行った兄は、知らない場所がこわくて
ずっと家の中にいる(のである意味安心)というのに、
妹(わたし)は何度も何度もドアを開けては出てゆくのです。

そしてついさっきまで自分がいた空間へ続くドアが、
まったく無機質な知らない場所になってしまう不思議を
階段の踊り場からしみじみと眺めていました。
(でも怖いから、冒険は踊り場どまり)

その親戚がつぎは東京へと転勤になり、(社宅の)赤坂住まいになるのが二年後。
『こんな一等地に住むことは二度とないから見にいらっしゃい』
ということで、私の人生はじめての東京、はじめての飛行機は5歳のとき。

ニュースでしか見たことのない羽田空港、
飛行機を降りるタラップに『赤いじゅうたん』と歓迎の列+楽団(ファンファーレ)
がないのが不思議でたまりませんでした。
だってニュースで見る『飛行機を降りる人』の映像には、
必ず映っているのに!!!!

そんな幼稚園児の不満など(もちろん)お預けで、
親戚の社交もおそらくにぎやかに展開され、
みんなで都心の社宅(マンション)へ移動するわけです。

赤坂あるいは青山界隈、それがどういう場所なのか、
当時はわかりませんでしたが、
近所の(社宅ではない、高級な)マンションには、すこしまえに
百恵ちゃんが住んでいたのよ、なんてウワサになる様な時代。

セケンノハテマデ(1) (モーニングコミックス)

サライネス / 講談社



こちらは都心でフツーに生活するちょっとふつうでない人と、
安定した猫のお話です。

それでも窓からひょいっと外を見た時に
どーんと見えた『国会議事堂』には、
びっくりした記憶が。うわー、テレビで見たことある、なんて。

いとこたち男子連は青山墓地と代々木公園へ虫取りに走り回る。
しかし私はそれどころではありません。

三越百貨店で、ふわふわ真っ白の
うさぎのぬいぐるみを買ってもらったのです。
そしてそのうつくしさに呆然となりました。
こんな美しいものが世の中にあるなんて、
そしてそれを「わたしのもの」とすることが許されるなんて!!
神様ありがとう!!

それは私がそれまで知っていた
『布地縫製・わた入り』
のぬいぐるみとはまるでちがっていました。
ふわっふわ長毛(いまにして思えばアンゴラうさちゃんぽいです)で
デフォルメされていない、ややリアルより。
きちんと本物の動物に思える、でも存分に愛らしい。
シュタイフのぬいぐるみに近いイメージのもの。
(シュタイフ製品かどうかはわからないけれど)

可愛すぎる『アンゴラウサギ』の画像集【もふもふ】 リンク

とにかく、子供のおもちゃにするには立派過ぎる品でした。
(たぶんそこそこいいお値段だったのでしょう)
私は大喜び、を通りこして呆然陶然。ずうっとずうっと離さなかった。
夜はおふとんに一緒に寝ました。
お風呂はさすがに諦めるも、
脱衣所のかごの上に大事に大事に鎮座。

いとこ連の男子たちは、虫取りに
青山墓地や明治神宮を走り回っていたけれど、
私は家の中で、ただひたすらその白くてきれいな
毛並みをなでていたことをおぼえています。アブナイ。
(少女のあんよを愛でる谷崎翁のよう)
三越の包装紙までもずいぶん長いことたいせつにしていたなあ。

ちこのふわふわの毛をなでるときに、
私のココロにひたひたとこみあげてくるよろこびと幸福と、
もしかしたら何ら変わらないのかもしれません。
・・・・・・翁のようかどうかはさておき。

大好きな移動、とりわけ船の旅、旅先で会うねこ、
(どこにいてもどんなねこでも持ち合わせる)ねこの悠然。
そのすべてに未だ魅了されています。
それはいつからだったのか、
どうして(どうやって)旅や猫を好きになったのか>自分、
なんて考えていたのは、この文章を読んだせいかもしれません。

険しい道―モンゴメリ自叙伝 (New Montgomery Books 20)

モンゴメリ / 篠崎書林



以下引用させていただきます。
(カナダの著作権の期限が50年だということで、すこし長めの引用です。改行・太字は引用者です)

先週の木曜日、オリヴァ・ゴールドスミス(18世紀の詩人・「ウエイクフィールドの牧師」)の墓地があるテンプル寺院へ行った。教会は木立の茂る広場にあって、すぐそばを走るフリート街の喧噪にもかかわらず、まるでキャベンディッシュのように静かなところだった。
 ところでこの広場のことを思い出すとき、わたしの心に残っているものはいったいなんだろう? 考えてみると、それは古い教会の建物でも、ゴールドスミスの墓でもない。わたしの心にいつまでも残る印象は、一匹の猫なのだ。とてもかわいい、いかにも雄らしい雄猫が一匹、広場を横切ってわたしたちのところへやってきた。からだも大きく、きりりとして威厳に満ちていた。軽く頭をなでてやると、甘えるような声で喉を鳴らし、まるで10年の知己のようにわたしの靴にからだをすり寄せてきたーーまるで、今の姿は互いに仮の姿、二人とも一時的な化身にすぎないとでもいうように。
 ふつうの猫ならきっと、ゴールドスミスの墓地まで私たちについてきて、追い払うのに苦労したことだろう。ところがこの猫は、わたしたちが立ち上がり、墓地に詣で、また元の場所に帰ってくるまで、じっと動かずに待っていた。やがて猫は立ち上がり、わたしが「さよなら」のしるしに頭をなでてやると、尻尾を愛想よく振って、出てきた戸口に向かって帰って行った。非のうちどころのない態度で、雄猫は自分の領地で主人役を果たしたのだ。まさに彼は、世界的な猫の信頼性を証明して見せたのだ!
 木曜日、アドリアティック号で家路につく。観光で「満腹」だったので、帰国の船旅はとてもうれしい。さあ、母国カナダへ帰ろう。我が家の神々に守られながら、新しい精進の生活にもどろう。


家庭の事情で、36才という当時としてはかなり遅い年齢で
結婚をしたモンゴメリ。既に作家として成功していた彼女が
新婚旅行先に選んだのは、自らのルーツでもあるスコットランド。
この文章は、その時の記録です。
威厳に充ちた猫の見せる親愛の素晴らしさ、
それをあますことなく描写する作家の筆の冴え。

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こちらは21世紀台北のにゃん。
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by chico_book | 2015-12-18 00:04 | | Comments(0)

空からテヴェレ川にさようなら

※イタリア帰国の日に停電が起きたという話のつづき。
今回ラストです。
その1 その2

運転手さん、腕をぐるぐる回してこっち来い、と、合図。
なんというたのもしさ。キャーかっこいい♪
こけつまろびつ、タクシーの前に。
ずっしり重いトランクを軽々と持ち上げ、積み込んでくださいます。
よろよろと後部シートに乗りこむと、隣にはバリっとしたスーツ姿の紳士。

『ぼ、ぼんじょるの』

ちょっとカルロス・ゴーンさん風のお顔立ちの、ポルトガルの方。
(12年も前のことなので、あくまでイメージ映像)
ありがたくも、相乗りさせていただくことになりました。
なんという紙一重。でも、とりあえず安心。
シートの上で安堵のあまりぐずぐずになりかけます。
ビジネスマンさんはむっちゃパリッとしてるのに、
バックパッカーすれすれの、よれよれ姿で乗りこむ(申し訳ない)

明るい陽ざしの中、ローマ市街を快調にぶっ飛ばすタクシー。
ものすごく道路がガラガラ。渋滞で有名なローマなのに!!
いま思い返しても不思議。
停電ということは、信号はどうだったんだろう…
まったく印象にありません。これも不思議。
綺麗な街並み、明るい陽ざし、
濃い緑のことはぼんやりと記憶にあるけれど。

とにかく車がいなかったこと、
タクシーが飛ばしに飛ばしていたこと、
運転手さんがずうっと、からだごと後部座席にむけて
(前を見てー!!、と、小声で絶叫)
しゃべり倒しだったこと。
運転手さんは英語がわからず、
私が英語以上にイタリア語がわからず、
イタリア語を解するポルトガルのビジネスマンさんが、
(だいたいわかるけど、全部ではないそうですが)
時折英語に変換して伝えてくださいます。

その中で、私がダイレクトに理解した
運転手さんの(唯一の)イタリア語は
『TUTTI ITALIA』(TUTTI=ALL)
だったこと。どうやら停電の範囲のことのようでした。
・・・・・・停電範囲はイタリア全土とは!! ようやく気づきます。
それはえらいこっちゃ。
ということは空港も停電なのかな。
たどたどしくたずねてみると、『maybe』とビジネスマンさん。
下唇を突き出して、首をふってみせる。なんともヨーロピアンなしぐさ。

でも私の心中では、もっとエラいことになってます。
『このタクシー代いくらなんだろう…』

タクシーを使うことを全く想定していなかったので、想像もつかない。
カードは、はたして使えるのかしら、と、今朝のホテルを思いかえす。
頼みの綱のガイドブックはトランクの中。とほほ。
旅の指さしイタリア語も、トランクの中。うわー。
もうあとは、駅と空港だけだから問題ないと思ったんだよねぇ。
朝、トランクから出して、手荷物にすればよかった(後悔)
停電はせいぜいホテル内だけだと思ってたんだよね。
つくづく生ぬるい。ああ。
ガイドブックで流し見した、いい加減な記憶によると
タクシー代はたしか(当時)40~50ユーロくらいだったはず。
相乗りだとどうなるのかな。
それともこのパターンって、海外旅行では
『とにかく白タクには気をつけましょう』
に該当するのかな。
でも他に選択肢なんてなかったし……。
飛びつきすぎたかな……。
いやいやでもでも・・・・・・。

そう、そのとき私のお財布には、
30ユーロくらいしか入っていませんでした。

もう帰るだけだから、現金は電車のチケット代と
(電車代は、当時9ユーロくらいだったはず)
空港でのお小遣いくらいでいいや、と考えて、
前日スーパーで散財してしまったのです。
旅慣れたヒトぶって、ユーロ使いきっちゃうよ、ヘイヘイ! 
とばかりに暴れ買い(と言っても、スーパーでですが)
したんですよねぇ。激しく後悔。

こわー。マジで怖い。……日本円ならあるんだけどだめだよね。
一応、駅に向かう途中で確認したところにあった
銀行の両替機もATMも『停電』でとまっていたのです。

最悪泣きついて(そして少しチップをはずんででも)
めんどくさいカード決済してもらうしかない。してくれるかなあ。
怒りだしたりしないかしら。

※検索したところ、2014年現在の情報ですが、
ローマ市内・空港間のタクシー料金は定額48ユーロ。
直通電車は年々上がって14ユーロ。
ただし、現在はシャトルバスが各社参入していて人気があるようです
(だいたい5-8ユーロ)
参考リンクはこちら:
フィウミチーノ空港からローマ市内へのアクセス

空港までは33キロ程度。30分もかからずに到着。
最高に気持ちいいドライブのはずなのに、
私は不安で踊りだしそうになってました。
言葉は通じないわよれよれだわ踊りだすわ、
これ以上不審な人物になりかけるのをかろうじてこらえる。
空港の建物が見えてきて、降車エリアに車がはいりかけた時、
運転手さんがようやくいいました。
「じゃあ、ひとり25ユーロね」
・・・よかったぁ!! 本当によかった。
前日、電車のチケットをあらかじめ購入しようかどうか
迷ったんだけど、買わないでほんとによかった・・・!!
そこで9ユーロ使ってたら、足りませんでした。
ほんとにぎりぎり。
※それにしても大変良心的な運転手さんだと思います。
イタリアありがとう。グラツィエミッレミッレ。

さくっと現金でお支払。
スマートな笑顔をのこして、ビジネスマンさんは
すごい勢いで走っていきました。
すたこらさっさと、言いたくなるイキオイ。
ほっとした私は、
電気のついてない薄暗い建物にゆっくり入っていきます。

アリタリアのカウンターへ。香港便は予定通り。
香港でなんとか遊べないかな、と生ぬるく見込んで、
あえて選んだ香港経由ですが、空港を出て市街へ行くには
ちょっと余裕がありませんでした。とほほ。
(そのぶん空港でみっしり遊びました)

ちょっと魂が抜けかけた状態でチェックイン。
チェックインカウンターでは、職員さんが大わらわ。

なんと、ベルトコンベアーが動いていないのです!
停電だから!! ひゃぁ!  

と言う訳で、
トランクの重量を昔懐かしい『体重秤』でゴロゴロっと計量、
そのあと職員さんがひとつずつ抱えて奥に持ってゆくという、
見ているだけで(そして思い出しただけで)
汗が噴き出てきそうな光景。

そして、チェックインの手続き。
私とならんでチェックインするのは、ツアーの添乗員さん。
日本のパスポートをどっさり出していました。
添乗員さんつきのツアーでも南回りとかあるのね、
この方も朝から大変だったんだろうなあと、ぼんやり思う。
こんなトラブル、解決する係だもんね。ほんとおつかれさま。

ところが、パスポートを回収するときに、
添乗員さんが間違えて私の分をもっていきそうになったのです。
(そしてツアー参加者の方のパスポートが私のもとに)
あ、あぶない!
もちろんすぐにかえしてもらい、問題なかったのですが、
ひやっとしました。安心して気が抜けていただけに。
たしかにパスポート、表紙だけでは区別つきませんけど!!

スパイ映画とか事件とかで、パスポートのすりかえなんて
「ないわー」
と思ってましたが、意外とこういう、単純なことかもしれません。

飛行機は満席。もしかして振替えとかあったのかも。
ちゃんと間に合って、席もあってよかった。

いつもたいてい個人旅行だけど、
個人旅行は最後の最後までドキドキします。
職員さんの努力も(おそらく)あって、ほぼ定刻に離陸しました。
カードも使えないし、手持ちが5ユーロもなかったので、
お水を一本購入が、せいいっぱい。だいじにちびちびのみます。
名残惜しく、ペットボトルのラベルの
『ミネラーレ』の表記を眺めながら。

と言う訳で
『残していてもしょうがない、とは言え、
お金をぎりぎりにしすぎない』

という、
旅の教訓が(またひとつ)増えた、夏の終わりの旅の思い出でした。
夏がはじまる前に記録。特に旅の予定のない夏ですが。
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by chico_book | 2015-06-07 11:06 | | Comments(0)

なかなかアリヴェデルチ出来ないローマ

こちらのつづきです。

朝ごはんのレストラン会場は地下で、そんなに天井が
高いわけでもないのですが、なんとも優雅なアーチ形。
私はこの空間が大好きでした。
ちいさいホテルなので、広すぎないし、ひとも多すぎない。
その場所が、なんだか混乱しています。
いつもよりひとがおおくてざわざわしている。

ここで、カメリエーレさんから、
停電継続中であることを説明していただく。
ものすごく申し訳なさそうに

「あたたかいものが用意できないんだ」

とのこと。

でも、だいたいいつもならんでいるのは、
ハムとチーズとヨーグルトとジャム、
珈琲に紅茶にジュース、ミルク、シリアル。
そんなに雰囲気変わらないわ、と、その時は思いました。

「でもゆでたまごもないし、トースターが使えないからで、
あたたかいパンが出せない。それに」

ものすごくシリアスな表情で。

「カプチーノが出せないんだよ。ジャポネーゼは大好きでしょ」

いやいや全然問題ありません。あったかい紅茶はちゃんとあるし。
この当時はコーヒーをまったく飲まなかったので
全然問題なし。
プンパニッケルもシリアルもあたためなくても
充分おいしいです。
満足満足、でも手早くごちそうさま。さあ、気合い。

えっちらおっちら最上階まで登って、
みちみちに重たいトランクをさげて
よろよろと階段を降ります。フロントは一階。

そして予想はしてましたが、フロントもやっぱり大混乱。
ひとでごった返しています。
あらら、今日はチェックアウトのひとがそんなに多いの?
と思いきや、
なんとなんと、停電のため
カードリーダーが作動せず、
クレジットカードの精算を全部手書きで対応
といういきさつなのでした。なんてこと。

私もおとなしく順番に並びます。
ドイツの方がとても多い。
やっぱりバカンスはうつくしい南の国なのかな。
極東から、わざわざ南回りできたジャポネーゼに
言われるのも心外でしょうが。

イタリア紀行(上) (岩波文庫 赤405-9)

ゲーテ / 岩波書店



みんなスクエアなリュックに国旗をつけていて背が高い。
背の低い私は、まわりを囲まれると不安になるほど。
みんなそれぞれ、いろいろやりとりしながらなので、
すすまない精算の列。
大丈夫かな。この段階でかなり不安。
わたし問題なくチェックアウトできるかな。
それと飛行機は大丈夫かしら。

いよいよ私の番が来ました。
現金があれば話が早いんだろうけど、
とりあえず、精いっぱいにこにこクレジットカードを差し出す。
オッケィ、と、おじさんは(たぶん慣れない)
日本語の名まえのアルファベットを、一文字ずつ書きうつす。
手書き。ていねいにアルファベットを読み上げながら。

アルファベットで表記した名前のことを、
日本人は『ローマ字読み』って言うよ、
と、チェックインの時にお話ししたら
すっごく受けたことをぼんやり思い出しつつ、
わたしはじいっとおじさんを見つめる。
「できた! 確認して! 」
と、素晴らしい笑顔をいただいて、少し訂正したりのやりとり。
「これで大丈夫。じゃあね、元気で。気をつけて帰ってね」
ありがとう。アリベデルチ!!
まっすぐにテルミナ駅に向かいます。
とにかく空港までたどり着かないと。
この段階で、たしか9時前。

果たしてテルミナ駅も、同様の大混乱でした。
駅前・チンクエチェント広場に、既に人がこぼれている。
土曜の午後の渋谷駅、には少し及ばないかも?
それでも大変な混乱。

えいやえいやと駅の構内に入ると、
電気がつかず、電車が動かず、券売機も稼働せず、
つまりたいへんひっそりしている。
ただひたすらひとがたくさんうろうろしていてざわめきだけが
濃い霧みたいに空間に充ちている。
ひとの声がわんわん反響する空間。
・・・・・・どゆこと??
そうです。そうだよ。気づいてなかった。
電車が動かないんだよ! だって停電だもの! 
電車だもの!!

そこに至るまで気づかなかったのです。
とんでもない間抜け。
9月の終わり、ローマの朝、つよい陽ざしの中で
どっと変な汗が背中に出ます。なんてこと。

とぼとぼと、構内から外に出る。なんとか人をよけながら。
昨日買い込んだおみやげで重たくなったトランク、
そのお土産を購入したテルミナ駅内のスーパーを、
途方に暮れてちょっと恨めしく眺めなたりして。
まいったなあ。なんとかして、とにかく空港に行かないと(2回目)
バスとかなにか、振替輸送とかあるのかな…?

地べたに座りこむひと多数。
ふとみると、入り口出てすぐの地面に、とぐろを巻いて
からまりあってるアジア系3人組。シチリア州の旗みたいになってる。

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バックパッカー風だけどこざっぱり。
Tシャツがまあたらしいかんじの、男子ふたりと女子ひとり。
「どうすべ」
「あつくなってきたねぇ」
「体いたいんだけど」
!! 日本語だ!

こういう時は、迷ったら負けだと、勇気を出して声をかけることに。
「あの、日本の方ですか」
「ああ、はい」
「これ、やっぱり停電だから電車動かないんでしょうか」
「そうみたいですよ」
「どちらまで」
「昨夜のおまつりで朝まで遊んでて、
今日はこれからミラノに電車で移動の予定だったんですけど、
どうしようもなくて。
いま、現地の友人が車で迎えに来るのを待ってるんです」

旅先で、こういうささいな会話が本当にありがたい。
なんにも現状変わってないけど。

「私はきょう帰国で、フィウミチーノに行かなくちゃなんなくて」
3人いっせいに「ああーーーー」と残念な表情になる。
「振替え輸送とか何かないかなあと、
探さなくちゃと思っているんですけど」
「そうですね…僕らもわからない。
日本だったら、確実に対応するけどどうかなあ」
「ありがとうございます。ちょっと探してみますね。よい旅を」
「そちらもよい旅を」
ほんと、どうすべ。そう思いながら人の波をくぐります。
いまこうして書いていてもはらはらしてしまう。
12年も前の、自分のことなのに。

エアポート、とか、フィウミチーノ、とか何かそういう掲示ないかなあ、
ときょろきょろしていると、聞こえてきた声。

「エアポート! フィウミチーノ!!」

そう、まさにそれ。 ・・・って、え!!??
声の方向を見ると、タクシーの運転手さんが叫んでいます。
きょろきょろっとして、さっさとドアを開けて
車に乗りこむ運転手さん。
空港いきってこと? だよね?? 
乗り合い? 乗り合いタクシーってことなの?? 
ちょちょちょちょっとまった!!

「すっくーじ!! エアポート! 
TAKE ME PLEASE(とかなんとかてきとう)」


この旅で一番気合の入ったイタリア語(最初のひとことだけですが)
ローマで、イタリア語をイタリア人に向かってどなるなんて!
カジュアルイタリアンの『ぼんじょるのーぷれーご攻撃』とは違うぜ!
なんて、陶酔する余裕もなく。

※ちなみにこのほかの、
『イタリア人にイタリア語を素で(重要)発言した』
のは、ボルゲーゼ美術館のコインロッカーのカギを、
トイレの洗面台に流してしまったときに対応してくださった職員さんに
伝えた『Grazie mille!!』です。

もうすこし、つづいてしまいます。
もう一回くらいになりそう。
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by chico_book | 2015-06-06 21:21 | | Comments(0)

永遠の都、大停電の夜と朝

6月は、私がアイスランドを旅した季節。
いまもあの場所は、あんなにもうつくしいのかな、
と、思い出してひとり深呼吸をします。
背筋を伸ばして、梅雨の合間だけですが、高い空を見上げて。
ほんとうにありがとう氷島。ほんとに行ってよかった。
なんという宝物。
そして空港で出会ったドイツ人ファミリーさんは本当にやさしかったなあ、
などと、しみじみと思いかえす季節。
またことしも無事にめぐってきたことが、素直にうれしい。
ほんとうに旅はいつもどこでも楽しい。
たのしいけどラクではなくて、それなりに大変だったりもします。
でもそこもふくめてオールオッケイ。

そんなわけで、別の旅の思い出をちょろっと記してみます。
2003年イタリアの旅。
遅い夏休みとして、9月後半に
フィレンツェ・サンマリノ・ローマをうろうろしました。
実は、このときがはじめてのヨーロッパ。
往復6万円香港経由、まさかの南回り。

アイスランドではコンサートの翌日に帰国でしたが、
このときも、お祭りの日の翌日が帰国日でした。
夏休み枠で旅行するとありがちなのかもしれません。
ゆく夏を惜しむ『白夜祭』が開催されていたのです。

La festa della NOTTE BIANCA”。
※リンク先はイタリア版WIKI先生。
なんと私が訪問したこの年・2003年が初開催だったようです。
その後も、順調なイベントのようでうれしい。なんとなく。

にぎやかに夜通しお祭り騒ぎがつづくつづく。
ローマっ子たちの歓声が、
波音のようにいつまでもいつまでも聞こえる夜。
でもワタクシはとっととホテルにこもって、
お部屋を満喫しつつ、
たのしいたのしいパッキング大会(地味)。

旅の終わりに、テルミニ駅にあったスーパーマーケットで
グリーントマトのジャムとか、リゾット用のお米とか、
重くて珍しいものをたくさん買い込みました。
それをわくわくにまにま、出したりしまったり。
あーでもないこーでもないと、たのしくつめつめしておりました。
機内で眠ればいいや、と余裕の夜更かし気味。

ちなみにお宿はこちら。
Hotel Villa delle Rose
名前がなんとも優雅なこと。
※リンクはトリップアドバイザーのサイトです
(公式HPは、なぜかうまく開かなかったので遠慮しました)

たしか一泊90ユーロ(当時)、こぢんまりした三ツ星ホテル。
以下の条件でさがした結果です。
たしかホテルのHPから直接予約したんじゃないかな。

・一泊100ユーロ以下
・豪華さはいらないので(そもそも無理だし)
こぢんまりこざっぱりしていてほしい。
・バックパッキングなノリは無理
・出来れば古い建物

古い貴族の館を改装して作られたということで、
最上階だった部屋は(といっても3階もしくは5階建てだったと思う)
体育館かと見まごうほど天井が高うございました。
おまけに何かの間違いではないかというほど広かった。
ひとり旅なのに。
その高い天井へ、ジェイコブズラダーよろしく
すっきりまっすぐにのびる、高いアーチ窓。
それを覆う鎧戸と重々しく垂れ下がるカーテン!! 
なんといううつくしさ。当然うっとりしました。しまくりました。
カリソメとはいえ、そこが自分の部屋だなんて!存分に味わい尽くす幸福。

しかし実はその、優雅極まりない鎧戸もカーテンも、
重いわ届かないわ回らないわ
(高すぎて手が届かないので、カーテンを扱う金具や
鎧戸を開閉するための蝶番に似たなにか(名称不明)が
ついていたのですがこれが固い重い動かない)
で、
まったくもって使いづらいという事実を知ることが出来たのでした。
……知は力なり、ってことかな、もしかして。

これってたとえば
『ルイ・ヴィトンのトランクはめちゃくちゃ重たいつくりだけど、
自分で持つことが前提になっていないので問題ない』
というのと同じような話なのかな。
(伝聞情報です。ヴィトンのトランクなんて持ったことないのでわからない)
「窓開け係」がいることを前提にした仕様なのでしょうか。
それはそれで夢想の広がるお話。

ともかく、すばらしく素敵なホテルでした。
こんもりと緑に覆われた小さな中庭、
ホテルのフロント前のサロンは、
天井画と優雅な細工の壁と柱が鎮座。
ソファーでゆったりと、ローマ市内の地図や
おなじみ『ローマの休日』のアン王女がベスパを
運転している写真入りの、レンタルバイクのチラシを眺めたりしました。
(大型ホテルの優雅さも捨てがたいけど)
このサイズ独特のひっそり感、B&Bほど距離が近くない
バランスがとてもよかった。

テルミニ駅の周辺は、
(大都市の中心となる駅の周りが得てしてそうであるように)
治安の面でやや微妙な評価を下されがちなエリアです。
実際、駅前の広場にはスリが多いから気をつけるようにと、
さんざん言われていました(2003年当時)
ただ、このホテルは、駅から350メートルという近さですが、
にぎやかな側の反対側。
少し落ちついた、ちいさいホテルや商店がぽつぽつとあるエリア。
テルミニ駅近と言うのは、バス路線が頭に入っていない
身としてはとても楽でした。

ほんのりお外のざわつきを、重くて開かない窓の向こうに感じながら
優雅なお部屋に早々と引上げ、高い高い天井と
ねこ足のバスタブを満喫する夜。
やはり途方もない幸福感に包まれていたなあ。

お外のみんなは元気だわね、と、ほほえましく思いながらも
ようやくパッキングを終わらせ、それではひと眠りしますか、
というところ。

飛行機はお昼前にローマ発。
歩いて5分のテルミニ駅から空港までは電車で20分。
8時半頃に出れば余裕を見ても9時半までには空港に着くよね、と言う算段。
2時間以上余裕があれば、まあ大丈夫かな。
目覚ましをセットして、
機内持ち込みの本をえらんで、にまにまとベッドにはいる活字中毒者。
さよならローマ、おやすみなさいイタリア、たのしかったよー、
と、いたって満ち足りたこころもちで、
やはり興奮しててあまり寝付けずにおりました。

ところが。突然『ブンッ』というような、大きな音が。
振動とともに、電気が消えました。部屋中の。
同じタイミングで、外でも「オーゥ」という、
ため息のような驚きのような声がした。
て・・停電??

高さのあるベッドを降りて、ハイジのようにぺたぺた歩く。
手探りで壁にある照明のスイッチを押す。
何も起きないまま。

うわーこれ停電だ! 

なんとか窓に近寄ってみるも、重たい鎧戸はやはり開かず。
しょうがないので、重い鎧戸ごしに外の様子を伺おうとする。
まさにフランクフルトのハイジ気分。
そしてハイジよろしく、なにもわからない。
でもたしかに、さっきまで鎧戸ごしにとどいていた街灯りがなくなっている。
外では騒ぐ人たちの声。イタリア語だし、
なにをいってるか、まるでわかりません。

とにかく、このホテルだけの問題でないのなら、
まあしょうがないよね、と、
私はとっとと眠ることにしました。

※当時の記事を調べたら、午前3時半頃に発生したとのこと。

とりあえず寝ましょう。それしかないわ、真っ暗だし、
と、ベッドに入りました。

実はこれ、イタリア全土・5600万人に影響を及ぼした
『2003年イタリア大停電』だったんです。

(以下抜粋)
首都ローマでは、9月28日はちょうど白夜祭(La festa della nottebianca)で町中に繰り出した150万人の若者達で、 中心街は夜明けまでにぎわっていた。しかし、皮肉にも白夜の最中の午前3時半に突然ブラックアウトし、 それから夜明けまでの数時間、家に帰りそびれた50万人は、真っ暗闇の白夜を路上で過ごさざるを得なかった。 だが、待ちかねた朝はおろか、昼も過ぎ、夕方の5時になってやっと電気が戻る有様で、 13時間半の大停電は、戦後最長という不名誉な記録を残した。
(中略)
計算根拠は明らかではないが、冷蔵庫の中の物が融け出したり、牛乳がいたんだりの食品の被害が、 一家庭当たり平均20ユーロ、一般商店の被害総額はおよそ1億ユーロとConfucommercio(イタリア商業連盟)は発表している。

(中略)
大停電は何故起きたのか?

隣国スイスのドイツ語圏の山中で、折からの嵐により古い大きなモミの樹が倒れて高圧電線に接触した。 それが災難の始まりであったと言う。

(抜粋ここまで)
参照記事:原発なき先進国イタリアの悩み(その2)

もちろんその時の私は、そんなことまーったく知らず、
さよならまた来るねイタリア、むにゃむにゃ、と幸せなきもちでうとうとしておりました。

さて、7時に起きてまずは朝ごはん。
ところがエレベーターが動いていない。うわー。
朝ごはんの会場は地下一階。なんてこった。
えっちらおっちら階段を降りることにしました。

◎つづきます
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by chico_book | 2015-06-04 01:39 | | Comments(2)

刻印された記憶と、氷島にありがとうをいいたい

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そんなわけで、ただいまニッポン。
空の色の濃さ、雲の重さとか湿度の感じ、やわらかくも野放図に伸びた植物に、
アイスランドとの違いをしみじみ感じて、成田に着いてすぐ撮った一枚。
すごく印象に残っています。

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キャティ!! 
シウマイと踊ることが大好きな男の子、明るくお茶目だけどちょっと寂しがりやさん。
横浜市民のシウマイ大好きっぷりと、白猫さんの奇跡のコラボ。
とりあえず、ねこ情報はおさえとかなくちゃ、と、写真を撮ったのだと思う。

キャティくん、2014ゆるキャラグランプリで
127ポイント獲得の1550位(応募総数は1699件)だったそうです

よかった。全然見かけないのでちょっと気にしていました。



テレビ神奈川でおなじみの曲に乗って飛び跳ねるキャティくん。ゆれまくるひげ。
いいんじゃないかな、ゆるキャラってことで、これくらいゆるいの。

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行き先は違うので乗りませんでしたが、こんな人もいました。
ウーパールーパーに見えるけど、違うんだろうなあ。

空港から帰りみちは、高速バスに乗ります。
特に羽田は、到着ロビーからひょいっと乗るのが簡単で気軽。
行きと違って帰りみちは気楽ということもあり。
特に羽田からYCAT行きは5-10分おきにひょいひょいくるし、
ほけっと乗っていれば30分もかからない気軽さもありがたい。
首都高横羽線でドライブ気分も楽しめます。
遅い時間のフライトだと、大黒埠頭がまた素晴らしい。

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もうすっかり、横羽線が私のホームタウンぽいなにかになってしまった。
さみしいようなせつないような、それでもほっとする。
※これは羽田からの帰り道なので、アイスランドからの帰り道ではありません。

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こちらはまだうちのこではなかったちこ。アイスランドから帰国後2週間のころ。
※写りこみがあったので、写真をちいさくしてあります(網戸汚くってごめんなさい)

ぜんぜん触らせてなんかくれないのに、こうしてじいっと網戸ごしに覗き込んでいましたよ。
かわいいなあ。素晴らしい猫だなあ。
さわってみたいなぁ、と、真剣にうっとり見ほれていました。
この段階で既にしてメロメロ。
するり、と、優雅に帰宅あそばすご近所さんのドアを心底うらやましく思ったものです。

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ところで、この旅のツアーパンフレットがありました。捨てられないひとはこれだから。
なんだかすごいラインナップの地名に、こっそりならんでおります。謙虚なたたずまい。

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『思うより身近な』アイスランドへ。かみしめてしまうフレーズ。


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……あれれ。記憶していたよりずいぶん安かった。
実際にはこれに『一人参加料金63000円』が加算されて
26万3000円でしたが、それでも安い。盛大に記憶違い。
てっきり26万がベースで、そこに対して更にひとり参加料金だと思ってました。
あてにならないなあ、自分の記憶。

というかんじで、なんと延々1年半にわたって
『6年前のアイスランドの(たった)5日間の旅の記録』を、
綴ってきた記事も、ひとまず終わりです。
読んでくださった方、ありがとうございました。

とにかく、本人はすっごく楽しかったです。
写真に助けられた部分も大きいのですが、結構記憶にあるもんだなあと、
自分でもびっくりしました。アイスランド本当に素晴らしいところです。
最近すっかり旅とは縁遠くなっているのですが、
やっぱり行きたいなあ、たのしいなあ、すばらしいなあ。

旅の記憶は、本当にずっと刻まれて残る幸福だもの。
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by chico_book | 2014-12-21 18:29 | | Comments(4)

かけらになって日常に着地済

アイスランドの旅と、アイスランドの馬についての映画と、
タイミングよくシンクロしたのがなんとなくうれしい。
単に自分が延々長々旅行記を引っ張っただけではありますが。
そう思いながら、ふと気づくと、家の中にこんな子がいました。

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アイスランドのおみやげ(のひとつ)、アイスランドホースのマスコットです。
ひづめ部分に磁石がはいっていて、こうして6年前からはりついております。
おなかにはりりしい国旗。ちょっと小ぶりな体つき、ふさふさの毛並み。
アイスランドのひとたちに、どれだけ愛されているのかよくわかる。

いっしょに写っているマグネットは、旅とか美術館のおみやげ。
『自由』は香港由来、ヴィクトリアピークのお土産物屋さんで。
カラヴァッジオは、ウフィツィ美術館所蔵品だけど、
もしかすると現地ではなく国内で購入しているかもしれない。
『吾輩は猫である』マグネット、これはたしか江戸東京博物館での『漱石展』のおみやげ。

なんだかんだで結構数があるマグネット、時々席替えをするのですが、
このお馬さんはいつも結構いい位置。
ほこりや汚れが目立つのが泣きどころでは、ありますが。

ヒースロー空港で購入したお土産を「はちみつ2びん」と書きましたが、
間違いで、正しくは『はちみつとマーマレード』でした。
惜しい。どうでもいい情報ですけども。

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イギリスは、マーマレードの種類がものすごく多い。
噂には聞いておりましたが、それでもやっぱりびっくりしました。
ずらりとならんだびんを眺めて、なんとわくわくしたことか!!

マーマレードは既に空き瓶なうえラベルも一部剥げていて、
状態がよくないので写真を載せていいものかどうか悩んだのですけども、
この『王冠をかぶったキツネ』と言うあまりにもイギリス的な絵柄に負けました。かっこいい。

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はちみつ、なんとまだ残っています。
大事にしすぎてまず賞味期限を過ぎ、更に諸般の事情により
糖分の摂取を控えているので、本当に減らない。

しかし、はちみつと言えば
『古代エジプト王朝でミイラの作成にも使用された『100パーセント天然の保存料』だそうなので、
様子を見ながらたまーにちょびちょび使ってます。あくまで自己責任。
※期限後のはちみつ、品質は変わらないけれども香りや風味は落ちるそうです。もちろん。

それでも、Scottish Heather Honeyですよ!! 
かっこよすぎる。そしてもったいなさすぎる。
(F&Mなので、もしかして日本国内でも入手できるのかもしれません)

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数年前国内で入手した、アイスランドのポストカード。
それにしても午年からひつじ年って、なんというアイスランドシフト。

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同じくアイスランド、南部海岸線だそうです。
マグマがせりあがってきて出来た『柱状列石』、
アイスランドは(その道のひとには)たいへん有名なんだとか。
ちなみに『柱状列石』で検索すると、ストーンサークルの話が拾えます。
ちょっとこれにも似ているような。考えすぎかな?

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※レイキャビク一高い建造物・ハットルグリムス教会のパイプオルガン。

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場所はここ(黒丸の場所)。
だんだん、この「アイスランド」のかたちを見るだけで愉しくなってくる。

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こちらはまた別のカード。お魚大好きアイスランド。さすが海洋国家。
アイスランドクローネにも、お魚が彫ってあります。
そういえば、同じ島国でも日本の硬貨にはお魚ないですね。植物ばっかり。

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玄関に飾ってある、やはりアイスランドのポストカード。
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by chico_book | 2014-12-21 00:29 | | Comments(0)

どこにも属さない自由さを満喫

※ヒースロー空港 Terminal5からのつづきです。

マテリアルなうえにもマテリアルなワールド。きらびやかさに戸惑う。
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なんのイベントなのか、何が「LAST DAY」なのかわかりません。
いやもちろん車はかっこいいですよ。それはもうね。
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おそらく『15:45 Tokyo』に搭乗したのだと思います。
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お隣の座席は、ベリーダンスを習いにイギリスに来たという、若い日本女性でした。
長い黒髪、すんなりした手足、めっちゃかっこよかったなあ。
細いだけでなく、全体的にひきしまったかんじ。すんなりしたとしか表現しようのないきれいな筋肉。
走るとはやそうで、きれいな身のこなし。

※以下、おぼろげな記憶に基づいた『大草原の小さな家』シリーズのローラの話になります。
再読・再確認をしていないないようなので、記憶違い等あるかもしれません※

大草原の小さな家シリーズの作品で(確か『シルバーレイクの岸辺で』だったと思います)
ティーンエイジャーに成長したローラが、『干し草積み』の作業を手伝わせてほしいと、
父さんにお願いするシーンがあります。インガルス一家は娘4人の女系家族。
肉体労働は、父さんがほぼ一人でこなしていますが、圧倒的に労働力が足りません。
からだを動かすことが大好きなローラは父さんに頼むのですが、家族のだれもいい顔をしません。
ほかの姉妹はといえば、盲目の姉・メアリーと、まだ幼い妹ふたりで、手伝えそうなのはローラだけなのに。
『レディらしくないし、日焼けもしちゃうわ』と言うのが、反対する家族の意見。
それでもようやくやっと、なんとかローラは父さんを説得します。
結局人手が足りないのは事実なので、しぶしぶではありますが、ローラの手伝いをゆるす父さん。
そのさいに、肉体労働にはとても向かないからと、コルセットをローラは外します。
それをみた母さんはやはり嘆くのです。
『ローラはもう小さい子供でなく、すっかり一人前の娘なのにコルセットを外すなんて。
おまえのウエストはふためとみられなくなりますよ』

なにしろ、若いころは
『父さんの手の中にウエストがすっぽりおさまった』
と言うのが自慢の母さんです。
これを読んだときに、衝撃のあまり何度も確かめました。
手? 腕じゃなくて、手?? (でも腕じゃ自慢にはならないよね、いくらなんでも)
ウエストを両てのひらでつかめるってこと? 
いくら父さんが大柄でごっつい手をしていたとしても……うそでしょ?? こわ。

のちに、19世紀当時の理想のウエストサイズは45センチと知りました。
男性が片手で(!!)つかめる、というが、まさに理想であこがれだったのだとか。こわすぎるー。
となれば、まさに理想そのもののウエストを、かあさんが自慢するのも、
娘の愚行を嘆くのも、当然なのかもしれません。おもしろいなあ。
それにしても、ヨーロッパの社交界とかそういう、
いつ(淑女らしく)気絶しても困らないひとたちの世界の話かと思っていたら、
開拓農民の娘であり妻である母さんにとっても認識は同じだったのね。ちょっと驚きました。

さて、そんなふうに母さんを嘆かせるローラのウエストについて、作中で
『若木のように丸っこい胴』
と、表現されていたんですね。
いいじゃん若木、かあさん嘆くことないのに、と(当時)20世紀後半の子どもだった私は思いました。
すんなり伸びて、健康的にひきしまった、みっしりした細胞が内側から充ちてる感じ。
でもこれはどんな種類の木ををイメージしているかという認識の違いがあるかもしれないし、
理想があくまで「砂時計のごときボディライン」だとすると、なるほどねえ…と興味深く思う次第です。

長々と話が飛びましたが、隣の席のダンサーのお嬢さんのウエストが、
それこそ『若木のように』引き締まり、若々しくみずみずしく、大変魅力的で健康的だったのです。
ローウエスト気味におへそを見せるスカートをはいておられたので、まあ目立つ目立つ。
もちろんかっこよくてめだつ、ということなのですが。

しかも彼女は、フライトの途中でなんども席を立ち、トイレの前の空間でストレッチを繰り返していました。
あんなふうにきれいな筋肉をいい状態で維持するのは、こまめな努力が必要になんだなあと、
しみじみと感心したことをおぼえています。
『めんどくさくても、ちょこちょこ動いた方が後でからだが楽ですよ』
とのこと。おかげで私も席を立ちやすかったです(トイレと歯みがきだけど)。感謝。

そんな機内で私がしていたことと言えば、機内食の写真撮影(とほほ)。
ああ、やっぱり興味の方向ってそういうことね。

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フィッシュパイ。見た感じ、たらと豆をクリームソースであえたものにクランブルっぽいものを
トッピングして焼いた、とかそういった感じでしょうか。
プディングもそうですが、英語圏でパイ、と表記される食べ物の幅の広さには驚きます。

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6月のイギリスで、サマーフルーツトライフル、といわれると、それだけでちょっとうれしい。

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なんだか野放図にも見える着色料バリバリのお漬物も、オサレピクルスに見え・・・、
いや、さすがに無理があります。

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『ウェスタンミベリアン低地』
なんとも味のあるカタカナをかみしめる。
シベリアを空から眺めるのが好き。なんだか無性に好き。
いつかはシベリア鉄道に乗ってみたいけど、ただの見果てぬ夢かも。


うた:大瀧詠一がこれしか見つからなかったのでこちら。
(画像が、わたしとしてはいまひとつ好みではなかったのが残念。好みが分かれると思いますのでご注意ください

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もうほとんど日本です。降りたくないような、早く帰りたいような。

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機内で食べる最後のごはん。

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オーガニックでビオなヨーグルト。

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焼きトマトがさっぱりしていておいしい。

タイトルは、国際線長距離フライトについていつも思うこと。
ちょっとした態度保留と言うか、留保と言うか、なまけものにとって
やさしいゆるされた空間な気がする。
そして拍子抜けするほど、あっけなく終わり日常にもどるのですが、
それでもソフトランディングが許されてるというのは優しいことだし、
変わり映えしない日常にあっさり戻れるのは、ひとつの幸福。



旅の終わりには、ピチカートファイブがとてもよく似合う。マジカルなほど。
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by chico_book | 2014-12-16 23:32 | | Comments(0)

ア・マテリアル!!

ヒースロー空港に無事着陸。一時は乗り遅れるかとすら思っていたので、ひと安心。こころから安心。
仲良くなった学生さんとも、ここでお別れです。しかし彼はものすごく不安そう。

「これからぼく、どこにいけばいいんでしょうか」

私はBAに乗継で、いったん完全に入国して荷物を自分でピックアップしたのち、
ターミナルを移動して再度出国というだんどりですが、
どうやら彼は出国することなく乗り継ぐチケットのようです。
荷物も成田まで直行。あら、らくちんでいいじゃない。

「そうなんですけど・・本当にそうなのかなあ。自信ありません」

うーん、それはよくわからないや。たぶん大丈夫だと思うけど。いっしょに聞いてみましょう。
飛行機を降りたところにいる空港職員さんに、エアチケットを見せて一生懸命身振り手振り。
時間に余裕のある(そしていまやココロもおちついた)私も、英語が苦手だという彼を、
そばでなんとなく見守ります。
自分も苦手なので、ただの賑やかしでしかないんだけど、それでも。
私も、ドイツ人ファミリーさんがいてくれてとても心つよかったもの。

でも、どうやらだいじょうぶそう。入国審査ではない方のルートを、彼と職員さん、
指さし合ってにこにこ確認している。よかったよかった。
と言う訳で、彼とはここでお別れ。
思いがけず楽しい時間でした。ありがとう。気をつけてね。

というわけで入国審査に向かいます。たいへん厳しいというウワサもある、イギリスの入国審査。
まあ私は乗り継ぎだけだし、大丈夫でしょ、という気分でほけほけ歩いていると、
突然日本語の渦に囲まれます。うわびっくりした。なに? なに?
はい、いわゆる
『シニア向けちょっと珍しいところに安心して行ける添乗員完全帯同ゴージャスツアー』
参加の皆さまと、気づけば合流しておりました。
国際空港では時々お見かけする旅慣れたみなさまがた。
独特の花柄と帽子とスカーフのマダム、品のいいベストをお召しになったムシュウが、
しっかりはっきりツアーバッチを燦然と身につけて、パスポートを手ににぎやかに談笑する列のただなかに、
気がつくと私はおりました。いやぁほんとにびっくりしました。
ばいばーい、と、青年に手を振って、ふと気づいたらまわりじゅう囲まれていたんだもの!!
い、いつのまに!!

しかしマダムの皆さま、おしゃべりに夢中だったり、
あるいは「○○さんの次がいいわぁ」といったのんびりしたかんじで入国係官の
『NEXT!』
の呼びかけに反応が遅れ気味。それをさばきまくる添乗員さんの、
華麗な姿に感動をおぼえつつ、おとなしく自分の番を待ちます。
何だろう、この少しずつアイスランドから離れていくかんじ。
さみしいけれど、すこしずつすこしずつ見知った日常へのソフトランディング。わるくない。

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ヒースロー空港の通路。
ああ、(クリーンエネルギー先進国)アイスランドは遠くなったんだなあと、さみしくなった一枚。

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ヒースロー空港の駐輪場。すごく盗撮ぽい写真になりましたが、ふつうに撮影した一枚。
よくよくみると、ぽつんとおいてあるU字ロックに、ココロがざわつきます。

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青暗い照明が、透明で明るいアイスランドと対照的。
透明な光に充ちていたアイスランドをおもいだして、やっぱりすこし寂しい。

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とはいえ、かの有名なロンドンのTUBE!! これはこれで充分かっこいい。
旅の終わりはいつもちょっとメロウなだけ。

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ターミナル間だけの移動とはいえ、しっかり空港線。
『Heavy』が台車に乗っているあたりがなんともよい。傘もかわいいし。

この年(2008年)の春に、大改装が終わったばかりだったヒースロー空港。
BA利用のワタクシは新設された専用ターミナルであるTerminal5に向かいます。

なんとチェックインカウンターなし・自動チェックイン機がぽんぽんあるだけで戸惑ったり
(係員さんがたくさんいるのでなんととかなりました)、
セキュリティチェックで靴まで脱いだりしたような記憶があります。
とにかく広いわ混んでるわ列は長いわで、どんどん時間がなくなっちゃう。
国際線の長距離便は3時間前に来た方が安心、とは本当なのね、と感心しながら、
ようやくたどり着いた出発フロアで、これ!!

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あまりに広大なターミナル。なるほど、移動に自転車というのは理に適っていますね。
空港ターミナル、カートで移動する方ももいるもんね、
それにしてもかっこいい!! 一目で上がるテンション。まさにゲンキン。
そして、マテリアルワールドにウェルカムバックといいたげな、DUTYFREEショップ群。

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(いさましいことを言いつつ、私がココで購入したのは
CD一枚とはちみつふたびん、あとお土産のウィスキーくらいなのですが)



大好きなビデオ。時々見たくなります。
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by chico_book | 2014-12-10 00:10 | | Comments(0)

北大西洋上空での、のんびりした会話

※と言う訳で何ごともなかったかのように平然と、8年前の旅日記を一か月ぶりに続けます。
まだ続いてたんです。もうすこし。

青年ははじめての海外旅行の思い出を、ぽつんぽつんと語ります。
うんうんわかる。興奮するよね。誰かに話したいよね。

「もう全然ホテルとれなくってすごく困りました」

アイスランドの夏って、サマーバカンスでハイシーズンみたいですよ(短いしね、冬が長いし)

「野宿も覚悟したんですけど。ほら安全だって聞いてたんで」

いやさすがにそれは駄目でしょ。荷物とかもあるし。結局どうなったの?

「僕クリスチャンなんで、そっちのネットワーク使ってYMCAにもぐりこめました。
でも結局相部屋だったですよね。だから荷物のことは、最後まで警戒する必要があったけど」

すごいキャラ立ってる人だなあ。
なんだか、彼の周囲の人が『きみなら行けば何とかなる』と言ったのもわかる気がする。

「でもおかげで、空いてる時間は教会にあいさつ回りしなくちゃならなくて大変だったんです。
全然のんびりとかはできなかったなあ」

そうなんだ。わたしはひたすらのんびりしただけでしたよ。すばらしかった。
こんな遠くまで来なくちゃのんびりできないのか、とは、自分でも思わなくもないけど。

「YMCAにレンタサイクルがあったんで、ひたすら走って教会まわりました。
びっくりした。アイスランドってすぐなんにもなくなるんですね。街が終わっちゃうっていうか」

あーわかります。東海道新幹線なんか乗ると不安になるよね。街が切れ目なさ過ぎて。

「なんにもないところをシャーっと自転車乗っていると、すごく不思議なテンションになりました。
ああ、おれいまひとりだ! たったひとりだ!!! ってかんじで」

ああっ!! それよそれそれ!! あなたもうこれで、旅の嗜好が決定づけられたかもしれませんよ! 
かわいそうに!! 自分で選んだわけじゃない旅先なのに、こんな濃いところにいきなりはまって!!

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こんなかんじ?

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※写真は再掲です

「それで、たどりついた教会で、英語の辞書を引きながら、少しだけ会話して、
コーヒーとお菓子出してもらって、また自転車に乗るんですよ。
シャリシャリっていう、自分の自転車の音だけしかしなくって。
途中でうっすら雨が降って、でもすぐやんで、
なんかぼく自身も地球と一緒にまわってるんだなあって気がして」

うんうん。わかるー!! ヘッドバンキングさながらにうなずく私。

「で、足パンパンになって宿に戻ってから、近くの温水プールに行って、からだほぐして」

しかしかなりコンシャスというか、上級者向けなことをさらりとこなしている気がしますね。
すごいなあ平成キッズ(2008年時点で20歳前後の学生さん)、と感心する昭和世代。

そう、アイスランドには豊富な地熱温水を利用したプールやジャグジーがたくさんあります。
世界最大の露天風呂としてブルーラグーンがものすごく有名ですが、
それ以外にも、地区スポーツセンターみたいなのりでポツンポツンとあります。

私も、ブルーラグーンには時間の都合はつかなくて行かなかったのですが
(市内から離れているし、行けばのんびりはするので半日コース)
ホテルから歩いて10分ほどの場所にある温水プールにいきました。

それこそ映画『かもめ食堂』のプールを、もっとずっとこぢんまりとさせたような、
タイル張りのやや古めかしいたたずまいでした。
水着着用ということもあり、温泉とプールの線引きが私にとっては果てしなくあいまい・・・。
しかもアイスランド仕様なので、当然深い。
深くて狭いジャグジーで、水流に翻弄されながらアイスランドの皆さんに
みっちり囲まれた時には、さすがに申し訳ない気分になりました。
言葉の壁についていろいろ考えた。

そういえば(私の故郷にほど近い)別府にも、地元のひとがメインユーザーの
共同浴場がたくさんあって、観光客さんや留学生さんが増えるにつれ、
いろいろと話題がもちあがったなあなんて思い出してみる。
まあそれも、観光客のはた迷惑な感傷と言えばそれまで。

「それで、へとへとになってYMCAに戻ったら、ライブがえりのひとたちがものすごくもりあがってて」

あら。

「なんでも昨日、大きいライブがあったそうで、それで大陸から人がいっぱい来て
宿も取れなかったんだそうです。すごいですねー。こんな小さい国なのに」

あはは、すみません、それ私も行ったわ。

「あ、そうなんですか。ぼく音楽のことはよくわかんないけど、
同室のみんなはずっと歌ってました。
だからぜんぜん眠れなくって、でもちょうどよかったです。朝早い便だったんで」

そんなこんなを、のんびりおしゃべりしているうちに、機内食のボックスが配られました。
機内食と言うよりは軽食かな。簡単なサンドイッチとアイスクリームかヨーグルト。
私はホテルの方のご厚意で、サンドイッチの朝ごはんを食べていたので、
ちらっと見ていいや、いらないや、とふたを閉じたのですが、隣の青年は不思議そう。

「たべないんですか」

うん、朝ごはん食べちゃったんで、はいらない。ちょっともったいないけど。

「あのう」

はい。

「僕もらっていいですか、それ」

ばくしょう。もちろんもちろん、オフコースシュア!!

そんなふうに少しずつリラックスしたころですが、あっというまにイギリス上空です。
赤い屋根と濃い緑が点在する街並みがどんどん大きくなる。
近づくロンドン・ヒースロー空港。

「うわーきれいだ。すごいすごい。やっぱり都市景観に緑って大事なんだなあ。
日本は緑って言っても、すぐ山切り開いてゴルフ場ですもんね」

その言葉に私の心はアイルランドに飛びます。
いま旅立ったばかりのアイスランドではなく、行ったことのないアイルランドへ。

もし僕らのことばがウィスキーであったなら (新潮文庫)

村上 春樹 / 新潮社



以下引用。
本書には「スコットランド編」と「アイルランド編」があるのですが、アイルランド編の冒頭部分。

ダブリンから飛行機に乗って海を越え、ロンドンのギャトウィック空港に降りたち、ロンドンに向かう高速道路の上から眺める樹木の緑(東京から来れば、それだって十分に深い田園の緑に見えるのだが)が、なんだかやけに浅く薄く、ほこりっぽく目に映るのだ。思わずごしごしと目をこすりたくなるくらいに。それで僕らは、『ああ、アイルランドの緑はなんと鮮やかで、なんと広く、なんと深かったのだろう」とため息をついて思い返すことになるわけだ。


行ってみたいなあ。したたるように緑濃いアイルランド。

f0257756_0351611.jpg


荷物もぽつーんと置かれてる。なにかなこれ。不思議。

f0257756_0414141.jpg


国会議事堂と、議事堂前広場で日光浴を楽しむみなさん。

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バレリーナのように姿勢のよいトリさん
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by chico_book | 2014-12-01 00:46 | | Comments(4)


ねことか本とかまんがとか、と言いつつ映画にじわじわ圧される幸福


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