カテゴリ:映画( 67 )

うつくしくきびしくそして尊い

めちゃくちゃ面白かったです。
めちゃくちゃ面白いドキュメンタリー。




NYメトロポリタンミュージアムの服飾部門が
資金集めのために毎年行っているイベント。

この予告でも、公式サイトでも、
とにかく華やかでシビアなイベントの舞台裏と
セレブリティな皆様の諸々どっさりんこ、という
内容かなと思ったのですが、いやこれがまたどうしてどうして。

一夜限りのMETガラというイベントと、
同時に開催がはじまる企画展
『鏡の中の中国(China:Through The looking Glass)』
の準備も並行して描かれます。
この企画展がらみがまた、面白いのなんのって!!

以下畳みます。ネタバレややありますので。



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by chico_book | 2017-06-12 01:26 | 映画 | Comments(0)

うつむいてほほえむことは不幸ではない

さっそく土曜日に観てまいりました。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。
マンチェスターは海のそば、と言う意味かなあ
それじゃ児童文学みたいなタイトルだよね、と考えていたらもうとまらなくなって。
(タイトルはマサチューセッツ州に実在する地名で、本作の舞台です。シンプル)

ややネタバレあるので畳みます。
なのでこれだけ書いておきます・
よい作品ですので、迷っているかたはぜひぜひ。




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by chico_book | 2017-05-23 01:34 | 映画 | Comments(4)

せめてたのしく振りかえる週末の夜

連休前半の話ですが、ジャック&ベティで映画をみました。
ふうふう。ずいぶん前に感じますが、たかだか一週間前。

「なに観たの? 」

「『追憶』っていう作品」

「あ! わたしもそれ観たいんだそれ! 」

「ほんとに!? うわーすごい偶然だ。そんなにメジャーではない作品だけど」

「え、そうなの? 私はすごくたのしみなんだよね。どうだった? 」

「うん。ひさびさにこのタイプの映画観たけど、
すごく淡々としてて逆によかった」

「岡田くんかっこよかった?? 」

「……岡田くん???? 私『永遠の零』はみてないから、なにか連想したってこと? 」

「え? 」

「え? 」

はい、お互いに間違えていました。ああびっくり。
彼女が話題にしてたのはこちら。



ワタクシが見たのはコチラ。



あくまで静かなピアノ曲、淡々としていながら
凄味を増してゆく美輪さんのナレーション、強い光、同じくらい強い影、
どこまでも青い海、うっそうと茂る緑陰、
放置された戦車、ひっそりと自然に戻ってゆく風景。
しずかに、畳みかけるように提示される光景。
個人的に、観るのに勇気がいるジャンルの映画ですが、観てよかったです。
ありがとうジャック&ベティ

まあなんと製作・奥山和由ですよ。びっくり。
こんなの思い出してしまいました。


ほかに連休中に観た作品。

この季節になると庭とか植物とかにココロ魅かれますのでついつい。
作品は思ったよりやんわりした内容でした。
ちょっとアメリに寄せて、寄せきれてない、みたいな??
どうせならもっと本気でお庭の苦労とか、ガーデンデザインのたのしさとか格闘とか
ごってりくっきり観たかった…………。

ヒロインがダウントンアビーの三女シビルであることに
まったく気づけませんでした。ちょっとびっくり。
ファッションとか髪型のせいかしら。
とにかくかわいいかわいいブラウスを着ているので
(同じデザインのを色違いなどで延々みせてくれる。ありがたい)
こりこりっとした英語の響きとか、こぢんまりとしたレンガつくりとか、
濃い色の壁紙とか楽しい要素はてんこもり。ちょっと期待値高かったかな。
たのしいのはたのしかったです。

『赤毛のアン』で有名なモンゴメリの著作に『エミリーブックス』と言う
シリーズがありますが、ヒロインであるエミリー・バード・スターの美貌を
”黒髪の巻き毛に緑の瞳(光によって色を変える、ときにはしばみ色ともいえる)、
白鳥のようにすんなりとした首筋に、ものといたげでやわらかなくちびるの
頑固だけれど神秘的な魅力をたたえた少女”
と言った感じに表現されていたのですが、
おおーそのまんまではないですか? と、思いながら観てました。

触発されて近々こちらを借りる予定。




つづけてこちらも。




淡々としながらも、ものすごい圧縮充実した内容。
いや、淡々というよりは内容がつまりすぎていて
どんどん話を進めたということかしら。

なにしろエカテリーナ二世による美術館創設から
美術品の収集過程、革命と戦争とソ連崩壊、
そして現代の美術館としての戦略まで
みっしりぎっちりつまっていて、
もうスタンディングオベーションしたくなるほど。
いつの時代も最前のたゆまぬ努力が、
この巨大な美術館を支えているということを、
たいへんクリアに描いております。

有名な美術館の最強警備員・エルミタージュのにゃんたちも、ばっちり登場。

なにしろエルミタージュはひいきなので、点はあまあま。行ったことないけれど。
成田・ヒースローでお隣に座った旅上手のおねえさんのベストオブベストが
「夏のサンクトペテルブルグかクロアチア」
とおすすめいただいたことを今でも胸に刻んでいます。

そしてやっぱりこれが大好きだから…・・(うっとり)




六本木のエルミタージュ展(6/18まで)やっぱり行きたいなあ



どうしよう……(絶対混んでるよね疲れそう)、と思っていましたが
『それほどでもない』と言う(ネットの)噂。さあ困った。
これくらい”個人の感覚に差のある”こともないので。うむ。うむむ。
最近展覧会行けてないしね。ちょっとそわそわしています。
さあどうしよう。ミュシャ展(6/5まで)も、じつは検討中。
そんなにミュシャ好きじゃないんだけど、と思っていたのですが
政治的歴史的に面白いらしいのでちょっと元気出してみようかな。


こちらでは「デンマーク・デザイン展」を6/25まで。
例によって時間があるようでない。
ロケーションが大好きなのでそろそろ行きたい場所。
紫陽花の大株と海と、行きかうたくさんの船。

見逃した映画のメモ。これは観たかったんですけども段取りつかず。



これから(ジャック&ベティに)来るので、たのしみにしている映画。



ファッションにはまったく疎いのですが
ファッション/ファッショニスタ映画は結構好き。



こちらも併せて行ってみたい。相乗効果。
そしてこれは逃すわけには行きません。絶対に行く(断言)。




鋼鉄ジーグのことよく知らないんで、様子見と言うことになりますでしょうか……(てへ)
イタリアでの需要/受容のされ方とか、まあローマの街並み観たいしね。ウム。




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by chico_book | 2017-05-07 22:21 | 映画 | Comments(0)

夢と希望と魔法のソング&ダンス(ほろにが系)

アカデミー賞関連の話題で、あまりにキャッチーな
音楽に誘われるように、観てまいりました。

いつ行こうかな、と、うずうずもじもじするくらいなら
もうとっとと行きましょう。



以下感想なので畳みます。




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by chico_book | 2017-03-12 22:15 | 映画 | Comments(2)

おとなでよかったと思える春

予告で『原作」となっていますが
どこかで『原案』と、クレジットされていたような。
見間違いかな?? まあその方が適切ではないかと思います。

と言う訳で、土曜に『ラ・ラ・ランド』ではなく、
『お嬢さん』をみてまいりました。
理由は簡単、早くいかないと見逃してしまいそうだから。

ほとんどミステリーを読まないワタクシが、
ヴィクトリア、蔵書、侍女(メイド)と言う要素と
タイトルの美しさに魅かれて読んだ
サラ・ウォーターズの『荊の城』。
このミス1位だったようなので、
おそらく週刊文春あたりに薦められたのだと思う。


とにかくこの小説がとてもおもしろかったと言う
おぼろげな記憶を頼りに頼みに、予告も観ずにいきなり鑑賞しました。

ひゃあひゃあ吉と出たのか凶と出たのか!!
予告すら貼ることにためらうR18ぶりなので、全力で畳みますよーーー!!

ネタバレ&官能注意でございます。



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by chico_book | 2017-03-05 23:49 | 映画 | Comments(2)

ひとりぼっちはわりと幸福なものです、ただし

つながりたい相手がいない訳ではなくて、いつでもつながることが(基本)できるのなら。
わたしにとってはわりと基本的な信条なのですが
「わがまま」と言われることも(そこそこ)あって、なんというか、ままならぬ世でございます。

さて、ほぼ二ケ月ぶりに映画を観てきました。
と言うかそんなに劇場から遠ざかっていたのね。
なんともせわしなかった年末年始であることよ、と、しみじみしながら
メンバーズ特典・お誕生日月映画鑑賞券を無駄にするわけにはいきません。

ジャック&べティのメンバーは、年会費2000円で
お誕生日月招待券と更新記念鑑賞券をいただけるので
それだけでも会費はクリア。
ジャック&ベティにちょくちょく行く人にはおすすめ。
(そういうひとは、とっくに持っているのかも)

観たのはこちら『幸せなひとりぼっち』
ストーリーのイントロダクションはこんなかんじ(公式サイトより引用)

愛する妻を亡くした孤独な中年男オーヴェ。かつて町内の自治会長を務めたこともあり、近所には規律に厳しい人間として知られていた。年齢を重ねてからは気難しさに拍車がかかり、いつしか鼻つまみ者でしかない厄介なおじさんと化していた。地域の治安を守るため、共同住宅地の監視役を自ら買って出ていたのだが、数年前、自治会選挙で落選。今や、誰からも望まれていない見回り日課とする日々を送っているのであった。

オーヴェは43年間、鉄道局職員としての仕事を全うしてきたが、突如クビを宣告されてしまう。家に帰れば、今は亡き妻の面影が脳裏をよぎる。孤独に耐え切れなくなった彼は、自宅の天井にロープをかけ、首つり自殺を図る。ところがその時、向かいのテラスハウスへ引っ越してきたパルヴァネ一家の騒がしい声がオーヴェの耳に飛び込んでくる。一家の車がオーヴェの家の郵便受けにぶつかってしまい、自殺どころではなくなってしまう。オーヴェは外へ飛び出すと烈火のごとく怒り、挨拶もしないまま代わりに車を駐車場にきれいに車を停め、ぶつぶつ文句を言いながら家に帰る。


以下感想です。ネタバレあるので畳みます。





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by chico_book | 2017-01-30 00:34 | 映画 | Comments(2)

豊作すぎて戸惑うばかりのわたし

気づけばものすごい豊作で豊穣大漁、まさに実りの秋、
と言いたくなるほどの、ジャック&ベティのラインナップに、
ひゃあびっくり。
混乱しかけているのでまとめておきます。

ジャック&ベティ 11月のラインナップより。

『ティエリー・トグルドーの憂鬱』



11/5-11/18まで。
『サンドラの週末のような作品かなあと予測。
社会派と言われるフランス映画が増えたのか、
(もとからあったものが)日本に来るようになったのか、
あるいは私が知らなかっただけか。
でもちょっと(じぶんの)テンションと相談しないと、
へこんじゃうかもなあ。なやましい。

『92歳のパリジェンヌ』


川崎109でもやっている様子。ありがたいやら悩ましいやら。
こちらも11/18まで。

『PK』



公開中。サクサクっとみておきたいのですが。
いったいどれだけ映画館にいるつもりなのわたし。


『将軍様、あなたのために映画を撮ります』



11/12より。
こういう映画はさくっと見るに限ります。ずっと待ってた待ってた!

すこし先ですが備忘メモ。

『神聖なる一族24人の娘たち』



12/3より。チラシが大変素晴らしいのです。
ひとめぼれですよ!


『エボリューション』



11/26より。
うつくしい悪夢を描いた映画、とのこと
ディストピア物は振り幅が大きいので、なやましいところ。
邪悪ということのレベルは個人差が大きいということでしょうか。
(先日大きく外したばかり(『ハイ・ライズ』私には厳しかった・・・))

ジャック&ベティのほかにも、たいへん気になる映画たくさん。
ほんとうにたくさん。

『リワイルディング』



オランダですよ、オランダで自然回復ドキュメント系。これ絶対観る!
UPLINKで公開中。
UPLINK、作品によっては上映期間が長いので有難い。
でもちょっと遠いので、予定を云々しているうちに
逃してしまいがちなのも事実。

フランコフォニア ルーヴルの記憶



ユーロスペースにて公開中。

美術館ムービーの決定版ではなかろうか。
ルーヴルを舞台に『エルミタージュ幻想』の監督が撮影、
もう予告だけですばらしい。
ありがとうございますありがとうございます。
12/17にはジャックアンドベティに来る様子。
上映回数の多いユーロスペースでさくっと観ておくべきかどうか、
たいへん悩ましい。

12月には『スモーク』のデジタルリマスター版も公開されるそうです。
NHK杯もファイナルも全日本もこの2か月にあるというのに、
どうすればいいのやら。
ことしあんまり映画に縁がなかったのはこの冬の為だったのかしら、
なんて思わずにいられないような充実、というよりむしろ困惑とか逼迫とか。

これは絶対観ます。
本日『絶対』の大安売りですが、本当に絶対観る。

『この世界の片隅に』



11/12公開。ほんとにずうっと待ってたのです。




・・・・11日までですと!

ふりまわされてあんまりうれしくないけれども
元気にいそいそおでかけしますきっと。
にしても多すぎ。お。おいかけられるのい、いやよ(小声)

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by chico_book | 2016-11-05 00:16 | 映画 | Comments(3)

浸透するには圧がいるのかも

たいへんに美しい秋の休日。
お散歩に行きたいなー堪能したいなーと言う自分と葛藤した結果、
映画に行きました。行ってよかったというお話なのですが。


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いつまでもうつくしい秋のままであればいい。

映画の感想として、
まだ全くまとまっていないんですが
まとまっていないまま、記事にするのは惜しいのですが
かといって
この気持ちを記録しないのも惜しいように思っています。フクザツ。

映画を観てきました。ひさびさにはしご。

『エル・クラン』 
 


一週間限定上映、アルモドバルと言う情報だけで観に行きました。
ジャック&ベティたぶん満員かな。ここの木曜日はメンズデイ。

チリのお話だったので驚く。
(アルモドバルなのでスペインだと思い込んでいた)
(アルモドバル氏は本作の製作で、監督ではありませんでした)

ブラックでシニカルで底意のある描写。
好きなタイプの映画です。扱っている内容は好きになれないけれど。

南米の大地の、どこか空っぽなかんじ、
どこにもつながっていない感じ。
あくまで明るい光と乾いた空気が
かえって底知れない不穏さを感じさせる。

江國さんの描く南米はまぼろしの様で、実在の場所ではないみたい。
でも江國さんが書くとそこがどこでも、そんな気がするかも。
フィレンツェでも梅ヶ丘でも浄水通でも。


『ユーリ!!! onICE』が一部で大変な(うれしたのしい)
話題の、山本紗代監督のこちらも南米が舞台。
好きですこれ。



政治的・歴史的な背景を把握していないので、
見逃していることも多いんだろうなあ。
(はじめのほうに出てくる組織の名まえに引きずられて、
勘違いしたまま見ていました)

観終わって、少し、いや大いに悩んではしごすることにしました。
2本目を見ると、19時終映。11月のジャック&ベティとしてはぎりぎり。

でもこれが大変素晴らしかったのです。

『シーモアさんと、おとなのための人生入門』


『シーモアさん一枚』と言うのすらなんだか楽しい。

技術と、表現と、求めるもののバランス。品格。
ひととしてのありかた、生きることの意味。

観ている最中に、どんどん充たされてゆく。
音楽と、シーモアさんの語りが私にしみこんでいく。
でもほっこりとか癒し、なんていう生ぬるいものではなく、
根源にそっと光をあてるような感触。なんだろうこれ。

たとえば私は生活のために働いているし、
なけなしのお金でごはんを食べねこに尽くし本を読んで
映画なんかも観て日々を過ごすわけですけれど

それだけでいいの? という大上段ではなく
それはそれで大事だけれど、魂のありようもたいせつだよ、
と、いろいろな角度からぽつんぽつんと
話してくれるような作品です。

良作。たぶんことしナンバーワン。
こちらを思い出しました。こういうリンクも幸福。




羽生さんの白鳥エキシや、スケカナさとこさんについて
(つまりはフィギュアスケートについて)
ずうっと考えているタイミングだったから、と言うのもあると思うけど。

もうすこし考えてみます。
と言うか、すでにもう一度観たくて困っている金曜深夜。

f0257756_01203039.jpg
我慢できずにひさびさに購入したパンフレット。
裏表紙にはにゃんにゃにゃん。

f0257756_01203781.jpg
ぶれぶれですが、今年のおこもり姫。
『真田丸』を観ながら、籠城戦は得意だよねー、
なんて話しかけるもまた愉し。
(水分補給大事。とても大事)





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by chico_book | 2016-11-04 01:27 | 映画 | Comments(0)

走る姿があまりに尊いのでただ祈りを捧げるのみ

ツールのこともロードレースのこともよくわかっていないのに、
なにかに魅かれてこの本を読みました。かつて。


それが何だったのか、読み終わってずいぶんたってしまった
いまでは、正直よく思い出せないのですが、
大変面白く読んだ記憶だけがあります。
高い熱と強い圧の印象。

その印象をおなかのなかで反芻しながら
(あえて再読はしないまま)
観てみました。おそるおそる。




※以下公式サイトより引用(なぜか黄色い色が取れませんトホホ)

25歳のときに生死の境をさまようほどの重度のガンに冒されながらも、大手術とリハビリを耐え抜いて克服し、そのわずか3年後の1999年にサイクルロードレースの最高峰〈ツール・ド・フランス〉で奇跡の初優勝を果たしたランス・アームストロング。この並外れた野心に満ちたアメリカ人王者は、その後も敵なしの快進撃を続け、2005年の〈ツール・ド・フランス〉では前人未踏の7連覇という偉業を成し遂げた。ファンやマスコミを熱狂させるとともに、競技場の外ではガン患者を支援する慈善活動に取り組んで人々の尊敬を集めたアームストロングは、まさしく世界中を魅了するスーパースターだった。

しかしこの絶対的王者には、つねに"黒い噂"がつきまとっていた。ドーピング、すなわち運動能力を向上させるために薬物を使用しているのではないかという疑いである。本作は驚くべき執念でその疑惑を追及したイギリスのサンデー・タイムズ紙記者、デイヴィッド・ウォルシュのノンフィクションを基に、アームストロングの栄光と転落の軌跡を映画化。果たしてこの一世を風靡した稀代のカリスマは英雄か、それともただのペテン師だったのか。

本人がっつり認めているのにタイトルが
『疑惑のチャンピオン』なんだ、ふーん、と疑問に思いながら観たのですが
これは、ドーピングと言う行為にとどまらないあり方の話なのかも、
などと考えながら観ました。
たいへん見ごたえのある作品でした。観てよかった。

組織的で長期間にわたるドーピング。
もちろんそれはゆるされるものではないけれど、
そこに至る道のりについて考えこんでしまいました。
危険性も禁止されている事実も知りつつ、自らを破壊する行為。
彼を断罪するのも批判するのは簡単だし、まっとうなことではあるけれど。

私たちがスポーツをとおして観るアスリートの姿は、
危険で命がけで、心身の両面から自らを削りあげるような
ものであることがほとんど。

その行為自体と、そこから薬物に手を出すか出さないかと言うのは、
もしかしたら(素人が考えるより)
ずっとずっと近い距離なのかもしれない。
それでもその誘惑を振り払うことが、
善悪の基準を失わず自らを律することも含めての強さなのか。
どっちに転んでも悪魔じみた話ではあるのかもしれない。
彼がガンとたたかったこと、その戦いに勝利したこと、
そしてその経験を生かして同じ病気に苦しむひとたちの
支えになったこと、その事実はなくならない。

あるいは、薬物の力を借りずに自らを鍛えぬく行為のなかに、
同じくらいの危険が潜んでいないとも限らない。
薬はもちろんダメ絶対なんだけど、
人生を破壊するような勢いで競技に(薬なしで)
没頭するひとたちのことをおもうと、なんとも複雑な気持ちにもなりました。

そうです。motoGPが終わると(厳密にいうとフライングな発言)
スケートシーズンですので。
ステイヘルシーと、祈らずにはいられないけれど
パフォーマンスをみていると、
そんな気持ち吹っ飛んでしまいかねない訳で。

そんな訳なのでスケアメ浅田選手の6位については、
ああこれでGPファイナル>全日本、の
ノンストップモードではなくて、ひと息つけて
良かったのではないかと言う心情です。
全日本にしっかりじっくり調整してほしい(真剣)
もうGPでなくてもいいんじゃないかと思うほど。

実は羽生さんのことも、
ステイ! ステイステイ!! と言う気持ちで見ています。
あぁそんなに最初から飛ばすのやめてー、っていう。
なんだか、命を切り刻んでそうで怖いよ羽生さん、
とは友人の弁。
でもそんなこと言っても止まらないんだろうなあ。
止まるわけないよなあ。

(ここで源次郎信繁あらため幸村の凛々しさとやってやるぜ感と、
まったく悲しいほど逆の、大阪城に漂う先細り感に思いを馳せる。
あれも自分ではどうしようもない流れなんだろう)

テレ朝さんは悲鳴かもしれないけれど、浅田さんも羽生さんも
グランプリシリーズはスキップするくらいでもいいと思うの…
前から思っていたの…。
日本はいまやしっかり層が厚い国なんだから、いろんな選手に
どんどん出てもらうのありだと思う。
まあ、試合を通して調整する、ブラッシュアップする、
という方法論もありなのでしょうからそのあたりの兼ね合いは
難しいのだけれど。所詮素人のたわごとです。

視聴者だって
「知ってる選手しかみない」
ひとはまあいつの時代も多いだろうけど、
「はじめてみたけどコノヒトのこれすごい、こういうの好みかも」
なんてお宝さがし増えると思うけど。
テレ朝さんその方向で行ってくださいおねがい☆

ひと昔前なら
「よくわかんないよね」
で、終わらせていた知識や情報へのアクセスも
ずいぶんラクラクとできるようになったし。

なんて言ってますけど。

実はスケカナに向けてそわそわそわそわしているのです。
さとこちゃんGP初戦!! ひゃあ。

「宮原さんの試合でもはらはらするの? 」

「するよ。するにきまってるじゃん」

「あのひと失敗しないよ」

「知ってるよ。
でも今回はどんなさとこちゃんだろうって思うよ」

こんな思いを、勝手に抱いてしまうことへの(幾許の)申し訳なさとか
うしろめたさとか、それでもファンでいてしまうことよ。

でもそんなことまったく全く関係なく、
自分の目指すパフォーマンスを、選手には存分にしてほしいとも思うし

しかしステイヘルシーですよ! わかってんの?
ほんとにもうたのむ! 祈る! 願う!!

と言う気持ちも、同時に抱くのです。

「難儀なことですなあ」

そうですなあ。でも楽しいよ。
たのしくてしんどくてまぶしくてむねあつですよ

そしてやっぱり今から来年の全日本が怖い怖い。
来年の世界選手権だって怖い怖い。
三枠! 三枠!! 確実だと信じてるけどそれでもこーわーいー!
足掛け二年もあったら何が起こるかわかんないんだよわーん!

いやだってやっぱりソチのプレシーズンには、
パトリックが金メダルじゃないとは思わなかったもの(小声)



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by chico_book | 2016-10-26 00:45 | 映画 | Comments(0)

受容と拡散ありのままを、すこしだけ俯瞰で

とてつもなく笑えるけれどまったく笑えない、背筋の凍る物語。
ヨーロッパ映画らしいブラック。

『帰ってきたヒトラー』 公式サイト



実は公開直後(6/17)に鑑賞したので、少し時間がたっています。
もう一度観たくてうずうず。
仕組みが入り組んで、ひねりがとても多いので初見は処理に追われがち。
こまかいところをていねいに拾いたいなあと思います。
(でも時間的に厳しい)
ジャック&ベティにそのうち来るそうなので、タイミングが合えば迷わずゴー、と、自分メモ。

タイムスリップして現代に登場した総統、アドルフ・ヒトラーが
企画力不足でクビになったテレビマンと
出会うところから物語は始まります。
総統を「なりきり物真似キャラ」として売り出すことで、
起死回生を図るテレビマン。さて世間の反応はいかに?

とにかく怖い。
怖がらせる怖さでなく、どこまでもコメディなのに背筋の凍る怖さ。

総統がふつうにちょっと変わったおじさんで、
もちろんいろいろツッコミどころはあるのだけれど
ちょっと笑えるところもあり、
『見るからに狂人』などではまったくないこと、

彼の強弁をあくまでもネタとして、世間が面白がって受けるところ
(あくまで真剣ではなく)

「あの時も、最初はみんな笑っていたよ
でも気づいた時にはもう引き返せなかった
どこでまちがえたのか、いまでもわからない」

市街地で市民とヒトラーが交流するシーンは、
ドキュメンタリーとして撮影されたそうです。
(なので、一部のひとは顔にぼかしがありました)

あくまで傾向として、ですが、
年配の人は戸惑いやおどろきを隠せないのに、
若い人は積極的に手をふったり、いっしょに写真を撮ったり
していたのが興味深かった。
完全にフィクショナルな存在で、
キャラとして昇華されていると言うことなのか、
あるいは
「ヒトラーを支持するような気持が過去のものではない」
という実感を持っているか否かと言うことなのか。

※ただ『原作小説がベストセラー→映画化』と言う流れだったので、
もしかしたら気づいていた人のリアクションかもしれません。

「私が大衆をだましたのではない 国民が私を選んだのだ」


という、有名すぎる言葉が重くのしかかります。
選択、判断のむつかしさ。それでも向きあわなくてはいけないこと。

大変にすぐれた作品です。
コメディとシリアス、そこに時事ネタのバランスの絶妙さ。
この作品をまったくぶれずに制作したスタッフと、
ドイツ映画界に尊敬、いや畏敬。まあ畏れてはいけないのですけれど。

日本ではこういう映画はできないのかしら?
戦争からみで、こういう作品はあるのかなあ。
実は戦争が
『異文化の無理解あるいは誤解から生じたささいな衝突からはじまって
誤解が誤解を生み、どんどん泥沼になってゆく』
様相を描く作品としては富野アニメが秀逸だと思う古い世代。

参考)まとめサイトの記事です
「伝説巨神イデオン」に秘められた真実とは?

私の群像劇好きはたぶん、このあたりのアニメが原体験。



1991年制作。
裁判員裁判が日本ではじまる(2009年)はるか以前の作品。
大好き。これと『王様のレストラン』があるので、どうしても三谷幸喜には点が甘い。
(近年は落ちついていたのですが、『真田丸』で現在大フィーバー中)

こんなふうに、リアルなんだけど情にながれないような。

コメディである必要はないけれど、シリアスになりすぎず、
だけどシビアな作品が観てみたいなあ。。

空気を読みまくって根回ししまくって情とか対面とか派閥とか
あらゆるものがスパゲッティからマーブルになって、
だれも止められずに戦争に進んでゆく様相を、
浪花節やウェットな悲劇でなく、
戦争の悲惨さを「使命感から」リアルに描くのでもなく、
人々の気持ちの流れとして描く作品があるのかしらん。

古い日本映画、実験的な作品の多かった時代の作品に
あるかもしれないので、探してみようかなと思います。

あと「まんが」ジャンルにもありそう。
探してみよう。大変そうだけどたのしみ。

とりあえず原作小説とはこまかく違うそうなので、読んでみたい。

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)

ティムール・ヴェルメシュ / 河出書房新社



(でも積読があまりに多いのでちょっと迷っています。
映画の印象強いうちに読むのが吉でもあるし。悩)
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by chico_book | 2016-07-09 09:08 | 映画 | Comments(2)


ねことか本とかまんがとか、と言いつつ映画にじわじわ圧される幸福


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