<   2014年 07月 ( 9 )   > この月の画像一覧

痛みも悲しみも疾走中(なう)

少しペースダウンした感あり。でもいいことだとも、思います。
少しいいあぐねているような風情にも取れて、作者の心情に寄り添うように、読むことができます。
もちろん単なる構成の兼ね合いかもしれないのですが。

かくかくしかじかの4巻が出ました。過去記事はこちら(1,2巻3巻)。

かくかくしかじか 4 (愛蔵版コミックス)

東村 アキコ / 集英社



実は私、東村アキコ氏の作品の魅力がいまいちつかめずにいました。
少し要素が多すぎて混乱するというか。
ちぎれて飛んでいきそうなハイテンションなギャグと、そこに重なってくるストーリーの
ミックス具合が最大の魅力であり、この作家さんの抜群の個性なんだとは
分かっていても、時々そこの制御が甘くなるというか、
ちょっと遠心力つきすぎてはじきとんじゃうとでもいうか。
(『ひまわりっ ~健一レジェンド~』はその作品の変化具合が興味深かったけれど、
『主に泣いています』は、キャラクターの持ち味に振り回された感あり)

そんな中で『海月姫』は基本のストーリーが成長もので
ボーイミーツガールでワンアンドオンリーなラブ、が
からんできているのでいまのところ
(それでも安心して、とはいかず)息をのんで見守っているのですが。
もちろん、楽しみな作品が多いのは、なによりありがたいことです。

海月姫(13) (KC KISS)

東村 アキコ / 講談社



東村アキコさんは、
「たぶん『見た目』にすごくこだわりがあるんだろうなあ」
と、思っていました。
ファッショニスタの小学生が主人公だという
『きせかえユカちゃん』(ごめんなさい、未読です)や、
絶世の美女がその美貌ゆえに巻き込まれる様々なトラブルを描いた
『主に泣いています』
そして自分に自信のない、社会性のない地味なオタク女子たちの
成長を(たぶん成功も)描く『海月姫』は、ファッション業界が舞台。
登場するキャラクターの説明や描写にも、『外見』『ファッション』は
大きい要素として扱われています。

でもより正確に言うと、東村アキコさんは
「自意識」
にこだわりがあるのではないか。
もちろんクリエイターさんは多かれ少なかれみなさんそうでしょうが。
東村さんの場合、
そんな自分に対する含羞の振り幅が大きい作家さんなのかもと、本作を読んで思いました。遅いよ。

いまは亡き『ぶ~け』(集英社)というまんが雑誌は、
とにかくクオリティが高くて挑戦的だった。
それは『マーガレット』『りぼん』という大看板雑誌作品の総集編を
担当する位置づけで、だからこそ自由度が高かったということを
のちに知ることになりましたが、そういう事情もあってか、
コメディも、シリアスも、抒情派もSFも歴史ものも、とにかくすべてがあった、夢のような雑誌。

『いたいけな瞳』 吉野朔実

いたいけな瞳 1 (ぶーけコミックスワイド版)

吉野 朔実 / 集英社


いま見てもこたえられない、この美しさ。

『空の色 水の青』 清原なつの

空の色水の青 (ぶーけコミックス)

清原 なつの / 集英社


※名作ぞろいで選べないのですが『他の雑誌からでは生まれなさそうな作品』にしてみました。
(しかしご両名とも、ペンネームからして国文科にはもうたまらないですね)

3巻に続いて繰り返される、東村さんの「ぶ~け愛」。
(しかも4巻では、ようやくプロとして作品を「ぶ~けDX」に発表できるようになった
矢先に、「ぶ~け」休刊→「cookie」という流れが描かれています)
ここでようやく気づきました。
(3巻でも描いてあるのに、遅まきながら)東村さんが『王道ぶ~けっ子』である意味を!!
しかも岩舘真理子さんや、逢坂みえこさんのような、文学少女の好きそうな
ぶ~けにおける王道・正統抒情まんが志向。

しかし、「ぶ~け」の後継誌「cookie」で、彼女に求められるのは
『おしゃれでポップで楽しく若々しい、明るいまんが』
抒情性の高い詩のような作品は否定されてしまいます。早い話がボツ。
『普通に主人公が現在進行形で成長したり頑張ったりする話が読みたいんだけど』
と担当編集さんに言われてしまう。
そして、それに向き合うご本人のジレンマも、作中には描かれます。
しかし、ここでくじけずに、はじけるコメディに活路を見出す(見いだせてしまう)
というのが、やっぱりすごい。

東村さんのこれでもか、と、まるで物量作戦のように繰り出されるちぎれたギャグと
その連打、そしてその奥にほの見える情緒。その不思議な位置関係がようやく分かった気がします。
ほんとうは繊細で儚い世界を淡々とつづりたいのではないか、
でも正面切ってそれをする事に対するはじらいがある。
それは、幼いころからのあこがれに対する遠慮かもしれないし、
あるいは、自らの力量を恃む事へのたじろぎかもしれない。

だからかな、この人の作品からは、どこか弱さ・不安定さを感じるような気がしていた。
カラ元気とまで言うと、言葉が強すぎるかもしれないけれど、つま先立ちのような危うさ。
アニメ化・ドラマ化・100万部突破作品ありの、能年さん主演の映画化も控えている、
売れっ子スーパー人気作家さんにそんなことを感じる
私が変で失礼なのかしら、と思っていたのですが。

『芸術としての絵画』ではなく、『まんが』を選んだこと、
大好きな、そして恩師である『日高先生』を(いまの段階では類推ですが)裏切ってしまったこと、
その選択自体におそらく後悔はない。それでも残り続ける苦さ、痛み続ける傷痕。
そして、そこまでして選んだ『まんが』が、それでも
『本来の自分が目指していた内容とずれている』こと。板挟み。
憧れの職業・まんが家になるという目標を達成して充分成功したはずなのに
どこかに残る『これじゃない感』と、後悔。
それを払拭するべく繰り出すギャグと、逃げきれない痛みの、絶妙なバランス。
この痛さをずっと抱えていること、逃げた自分を忘れないこと、
それを弾き飛ばす陽性の力を持ってしまっていること、
そのギャップから滲み出す独特の含羞、
それが東村アキコという作家さんのコアの部分なのかもしれない。
そして、いまの自分にならそれを容赦なく、正確に描写できる。
東村さんはそう考えてようやく、この『かくかくしかじか』という作品に
取り組まれたのかもしれない。

『私がどんなに悲しいか、いつか小説にして書いてあげる』
作家・江國香織氏が過去の恋人に言ったセリフだったと思います。

いくつもの週末

江國 香織 / 世界文化社


(確かこの本だったと思いますが、未確認です。すみません)

痛みにきちんと向き合い、つぶさに描くのは、大変なことです。
過去のことで、あいまいにしておいた方がよいことは、確実にある。
それでもその正体を東村さんは見たいのだと思う。
見ずにはおれないのだろうと思う。

それこそ、『ぶ~け』掲載の逢坂みえこ『永遠の野原」で、
主人公の姉で小説家である一姫が、自身のファンである作家志望の少女の作品を、
厳しく批判するシーンがありました。あまりに自分の影響を受けている、と。
その厳しさに涙をこぼす少女。たじろぐ主人公の弟。
「これでもう(ファンの少女は)筆を折るかもしれない」という弟に、一姫はこういいます。

『あの人は私と同じ作家よ 書かずにはいられないわ。
自分でもわからない自分の姿を取り出して、眺めずにはいられない』

永遠の野原 (1) (集英社文庫―コミック版)

逢坂 みえこ / 集英社



(手元にないので、言い回し等正確ではないと思います。すみません。間違いの場合は訂正します)
作家というひとたちの特性について、しみじみと考えてしまいました。

行為自体充分に辛いことではありますが、本作を描くことで、
東村さんはたぶんひとつなにかをクリアするのではないかと、勝手に思います。
他人を赦すより自分をゆるす方がむつかしい、そのためのなにか。
まんが読みって、ほんと好き勝手言いますね。
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by chico_book | 2014-07-30 02:45 | まんが | Comments(0)

ライフisライブ、な、会場に向かっているはず

夏といえば、やはりヨーロッパの皆さんにとってはバカンスシーズン(らしい)。
日本という国は実は、祝日の数では世界でも多い方なのだそうですが、
いつまでも「ハタラキバチな国民性」のイメージがぬけないのはなぜだろう。

私が80年代なイメージを手放せてないだけなのか、変わらず低い有休消化率のせいなのかも。
(少なくとも、私のまわりでは、使い切る人はほぼおらず、せいぜいあふれ分を
どれだけ少なくできるか、という程度、という認識)

そして大型連休とか、祝日が増えるというニュースで、必ず話題にあがるのは『経済効果』。
職場でも
『お休み増えてもお金ないからうれしくないなあ』
という声もあります。でも私はこれには反対(小声ですが)
それぞれの趣味や思考や家族構成やいろんな要素が絡む
パーソナルな領域の話ではあるので、小声でこっそり主張するだけですけども。

たとえば、お休みの時にお出かけする。私もする。
映画館に行く。美術館が、お盆の期間は開館時間を延長すると聞くとうれしい。
(たとえ自分がお盆期間は平常勤務で、利用できなくても)
でもそれは、そのぶん、ほかの誰かがお休みできないということ。
そう思うと、消費が最大の娯楽のひとつである現状では
難しいだろうけども、たまには
『みんなおうちでゆっくりする』
『安息日』
が必要だと思うのです。強制力のあるシャットダウン、みたいな日が。
むかしはお正月が結構そうだったと思うんですけども。

それこそ
『ただ座っていることしか許されない』『退屈で苦痛でしょうがない』
19世紀のキリスト教徒みたいな、というのは言い過ぎだと思いますが、
『ハレの日インフレーション状態』にはやや異を唱えるちこぼんです。
それはワタシにとって最高の贅沢が
『休日どこにもお出かけしない引きこもりウィークエンド』
で、公園と図書館好きという、個人的な志向のせいもあるでしょうけども。

サマーホリデイと言えば、長期バカンス。
(それでもやはり、最近はだんだん少なくなっているそうです)
参考文献:『パリパリ伝説』

パリパリ伝説 (1) (FEEL COMICS)

かわかみじゅんこ / 祥伝社



そして夏のイベントと言えば『野外コンサート』。
行ったこともないのに、何となく映像が浮かぶのは濃厚な影響下にあるものと思われる。

遠い太鼓

村上 春樹 / 講談社




そんなわけで思いもかけない夏フェスデビュー。inレイキャビク。レイキャビク!!

しかし結局、ホテルのフロントマンさんに聞いた以上の情報がない。
曰く
『まっすぐ行った場所の公園で』
『だいたい夕方からかな』
(白夜の季節の夕方って……)
『ネットで検索してあとでプリントアウトしてあげるね』
と、大変ありがたいお申し出をいただいていたのですが、
結局そのあと忙しそうでタイミングあわずに、プリントアウトはいただけませんでした。
とほほ。

まあいっか、と、持ち前ののんびりさで、15時前くらいに、トコトコと歩き出すことにしました。
そんなに大きいイベントなら、きっと会場に向かう人いるだろうし、
ついていけばいいよね、と、まあなんというか、非常にのんきというかてきとーというか。
さんざん
「アイスランドは人がいなくてすばらしい!」
と、実感しまくってるのにね!

というわけで、いままではいかなかった方向に向けて、
適当に歩き出します。ざっくりした地図を片手に。
と言う訳で、道すがらの風景などをいくつか。


ところで以前の記事でも書きましたが、レイキャビクは

1)ワシントンとモスクワの中間地点だから
2)人が何しろいないので、警備しやすい

という理由で、冷戦終結の為のレーガン・ゴルビー会談の場所に選ばれました。
そして会談の場所がレイキャビク市所有の迎賓館『ホフディ・ハウス』。
※リンク先はフォー・トラベル様です

是非行ってみたいと思っていた場所なのですが、
よくわからなくて結局たどりつかなかったのが心残りだったんですね。
と、ところが! 今回写真を見直しておりますと。

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あれ? 奥の建物、これって。

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こ、こ、これだー!! たぶんまちがいない!
な、なんということでしょう…ほんの10分も歩けばたどりついてるよね、たぶん、ここ。
『へえ、かわいいおうち』とでも思って写真を撮ったのでしょうか。
撮ったんだろうなあ……>当時の自分。
それともコンサート会場に既に気がはやっていたのでしょうか。かもしれない。

それにしても国際会談の場所にしては何とものどかで、
やっぱりぽつんとしてますね。何という素晴らしさ。
…と言う訳で、見えているのに立ち寄りもせずトコトコ素通り。

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ひさびさに知ってる会社を見かけて、ちょっとうれしい。
まったくなじみはありませんけども。

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更に知っている会社。
大きい幹線道路沿いのせいか、それとも単に販売グループとか何かそういう絡みなのかな。
車のショールームが、仲良く並んでいます。

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『HEKLA』というのが、総括しているのかもしれない。
もともと詳しくないうえ、自動車産業は激しく変化するので、正直よくわかっていません。

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しかし、大きい幹線道路沿いでも交通量が特に多いわけではないし、
歩道も自転車道も広々としているので、歩きやすくて楽しい道です。

前方に見えるはヒルトン。こういう大きいホテルがあっても、
バスでどーんと乗りつけてしまうので、ひとが歩いていないんだよね。


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こちらはチェコの自動車メーカー『シュコダ』。やはりフォルクスワーゲンと
縁が深い様子。いま調べましたが、なんだかすごい企業のようです。
(リンクがうまく晴れませんでしたので、興味のある方は是非検索してみてください。
興味がなくても、なかなか読み応え十分です。きっと)
いいなあ、あこがれの中欧。行ってみたい。

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インテリアショップっぽい。赤い車がアクセントになってますね。
ちょっと寄り道してみたくはありますが、ここはあきらめてトコトコ進みます。

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それにしても、半分は予測していましたが、やはりここまで人がいないと不安になる。

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ようやく通行人を見つけた…と言っていいものやら。
反対側を自転車でしゅううっと走り抜けてしまいました。ううむ。不安だ。
この写真はかっこよくて好きだけども。

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それにしても素晴らしい空の広さ。

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メゾネットタイプの集合住宅ぽいかな。いいですねこれ。
家の中に階段があると、ねこの運動不足にも最適。

このあたりの風景、私はなんとなく福岡市東部を連想してしまいます。
要素はきっと、このあたり。

・北に海があって大きい道路沿いに広い歩道。
・高い建物がない(福岡の場合はおそらく空港の影響かと)
・少し離れた場所に低めの山のつらなり

記憶の中のイメージなので、いま見ると全然違うかもですが。

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と言う訳で、アイスランドの押しボタン式信号に初トライ!(ボタンじゃないけど)
ユニバーサルデザインかもしれませんね。押しやすそう。

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いかついけれども、言ってることはわかります。なんとなく。
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by chico_book | 2014-07-27 22:53 | | Comments(0)

暑くても寒くてもやはりねこ

関東地方も梅雨明けだそうです。

幸いにして我が家は直射日光が入らないので(日当たりが悪いともいう)、
そこまで苛烈な暑さにはなりません。涼しいわけではないけれど。
近くに公園があって、そこの緑のおこぼれというか余波のようなものに
あずかることができる環境なので、軒の深い、明るい日陰という雰囲気になります。
すごーーく、よく言えば、ですが。

お寺のお堂の中、のようなイメージかな。すごーくすごーくよくいえば。
もちろんあんなふうに、簡素でも磨き上げられてもいませんので、
あくまで明るさだけですが。

その分冬場は日当たりが良くなく、
ちこにゃの健康にも幾許かの心配がないわけではありませんが
北向きとは言え、明るい出窓があって、ちこにゃんそこがお気に入りなので、
たぶん大丈夫だと思います。

※久しぶりに全力で、さながらデトックスのようにねこ(ちこ)馬鹿全開なので
一応畳みます。いまさら意味がないことのようにも思いますが。
だが後悔はしていない(キリッ)本人はものすごくすっきりしましたー。

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by chico_book | 2014-07-23 01:54 | ねこ | Comments(0)

エアラインと思い出と映画

私のはじめての海外旅行は、マレーシア航空でした。
旅慣れた友人が誘ってくれた東南アジアリゾートホテルの旅。ワオ。
そのあと何回か海外にはいきましたが、こんなプラン、というかそもそも私の経験の中で、
添乗員さんフル同行ツアーなんてこれだけです。いまのところ。

ペナン島とクアラルンプール、そしてシンガポールを巡る旅。
内容のわりに格安だったこと(確か6日間で¥69,800だったはず)、
彼女とはその前にパリ旅行を2回も計画したのに(1回目は湾岸戦争、2回目は私の事情で)
2回とも流れてしまったという悲しい経験あり。
なので、気を取り直してのんびりゆったり、リラックスできる
東南アジアリゾートに切り替えてのトライだったのです。
友人はそのわずか3ヶ月前にシンガポールを訪れていましたが
「すっごく楽しかったから、一緒に行こう!」
という流れでのチョイスでした。いまでも嬉しくあたたかく懐かしく思い出します。

はじめてというのはすべからくそういうものかもしれないけれど、私にとって、
とにかくひたすらに素晴らしい旅でした。
タラップを降りて「じゃーん!!」と両手を挙げたことさえ今でも覚えています。痛い。痛いオトナだ。

『空港においてあるマッサージチェアが壊れていて、お金を入れても動かない。
ねえ、どうすればいいのかしら。あなたなんとかしてくれない? 』
と、同じツアーのお客さんに(何故か)頼まれた時に、空港の方に説明するのに
「BROKEN」という単語すら出てこなかったほどの緊張とか無知とか旅慣れなさっぷり。
そりゃそうです、なんたってはじめてなんだもの。

しかも、私と友人は
『どう見ても貧乏人、つまりお土産屋さんに連れて行き甲斐のない客』
認定を早々としていただいたようで(ありがたや・そして事実)、
添乗員完全同行・バスで観光地とお土産屋さんめぐりタイプのツアーであるにも関わらず、
『私たち興味ないんで現地観光パスします』
と、言う申し出がやすやすととおってしまったほど。
これがふつうはまず通らない申し出であることすら、私はわかっていませんでした。

おかげで同じツアーの、ほかの皆さんに噂(というかデマ)が飛んで
「あなたたち体調悪くてずっとホテルにいたんですって? 大丈夫? 
日本のお薬ありますよ」
とやさしくされる始末。
ついには『マーライオンのポストカード』までおすそ分けしてもらうほど。

実はその時間には、ホテルのアフタヌーンティーにイチゴのシャンパンをつけて
優雅なロケーションに酔いしれていたり、
シンガポールチキンライスのおかわりをしたりと、好き放題していたというのに・・・・・・!!
(食べてばっかりですが)

はじめてみたアンダマン・シーは翡翠を溶かし込んだような色で、海と言えば青、
それも内側から黒さ深さが滲み出すような群青あるいは紺碧がその美しさだと
思っていた私の認識を一度に変えました。
クアラルンプル、摩天楼のど真ん中、ホテルの屋上のプールにぼーーっと浮かんで、
強烈な紫外線を存分に浴びたことを覚えている。
すこしだけの不安と、そんなことどうでもいいや、という気持ちが
ないまぜになったまま。

シンガポールののホテルはベイエリアでした。
ちいさなベランダに腰かけて、夜の底から朝までずっと、
港を行きかうそれはそれはたくさんの船やタンカーを眺めました。
興奮して寝付けなかったこともあるのだけど、とにかく飽きなかった不思議。ただのコドモ?
そしてそれから10数年後、やっぱり友人と泊ったヨコハマインターコンチネンタルホテルで
眺めた風景がとてもよく似ていたこと。
それがまるで、その時振りかえるための、未来への種であったかのような、不思議な気持ちになりました。
とにかく、何もかもすべてが鮮やかな旅、あるいはその記憶。

そのあと、プーケット・ランカウイと、翡翠の海とそこを低く横切る天の川が見たくて、
旅を重ねた時期があり、その都度お世話になったのがマレーシア航空。
(プーケットはタイですが、アンダマンシーつながりで)

そんな思い出のあるマレーシア航空の悲劇が報じられる中、私が見た映画はこれ。
『革命の子どもたち』
※閲覧注意※
ドキュメンタリー映画であることと、素材の性質上、かなり凄惨な映像があります。


以下公式サイトより引用。
1968年、学生たちによる革命運動のうねりのなか女性革命家として名を馳せた重信房子とウルリケ・マインホフ。ベトナム戦争で行なわれた虐殺に戦慄した彼女たちは、世界革命による資本主義勢力の打倒を目指し、それぞれ日本赤軍とドイツ赤軍を率いて活動した。本作はふたりの娘である作家兼ジャーナリストの重信メイとベティーナ・ロールが、母親である房子とウルリケの人生をたどり、現代史において、最も悪名高きテロリストと呼ばれた彼女たちの生き様を独自の視点から探ってゆく。母親たちが身を隠すなか、ある時はともに逃走し、誘拐されるなど、メイとベティーナは過酷な幼年期を過ごし、壮絶な人生を生きてきた。再び民主主義の危機が叫ばれるなか、彼女たちは自身の母親たちが目指した革命に向き合う。 彼女たちは何のために戦い、我々は彼女たちから何を学んだのか?


とにかく情報量が多すぎて、うまく整理できていません。
しかしドキュメンタリー映画としては、非常によく整理されたわかりやすい作品です。
なので整理できていないのは、単純に私の知識とキャパシティの問題かと思います。
でもそれは作品として、素晴らしいことだと思います。何より自分で、もっともっと知りたくなったもの。

まとめサイトや、ダイジェスト版で分かった気になることは多いし助かる。
私自身確かに『結局どっちが悪いの? 』と、短絡に口にすることも勿論あるけれど、
凡そそんな簡単な話ばかりではないのです。
なので、手を抜かずにじっくりと腰を据えて向き合わなくてはいけない。
しんどいことではあるけれども。自分なりに納得と理解をするためには、必要なこと。
『自分のかばんは自分で持たなくてはいけないからね』というのは、
たしかこの作品の中のセリフ。

Papa told me―完全版 (1)

榛野 なな恵 / 集英社



素晴らしい作品でも、それをみたことによって『わかった気になっちゃう』より、
のぞましいことだと思います。もちろんこれがドキュメンタリー作品であることも、その故ですが。
私も『ダイアナ』とか『クイーン』とか『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』とか観て、
充分わかったつもりになっておりますが(イギリスばかりなのはたまたまです)
最近だと、『みつばちの大地』もそうかな。

それにしても『クイーン』のコーギーちゃんたちのかわいらしさときたらもう、筆舌に尽くしがたい!! 
映像的に見どころがてんこ盛りの作品です。


関連作品ではないけれど、こちらもずっと、考えること、向き合うことを必要とする、自分の中に残り続ける作品。


そして、1960-70年代の激しさ底知れなさ。40年という歳月を思わずにはいられない。

追記)
映画前の時間つぶしに入った喫茶店で、隣のテーブルの方が
『大韓航空機撃墜事件』の話をずうっとしていたのが印象的。

実は私の二回目の海外旅行は、サンフランシスコへ個人旅行なのですが、
往復3.2万円という、いまにしても怖ろしいほどの安値にホイホイつられて、
当時住んでいた広島-ソウル経由-サンフランシスコという、大韓航空利用だったのです。
そんなに貧乏だったのかい、と、自分に問わずにはおれません。
まあはっきりそうだったんですけども。

失われた20年との対比で、80年代はハッピーでイケイケ、愉しい時代だった、
という文脈はときどき見かけますが、いや全然そんなことない。
だいたい『24時間戦えますか』とか、どんだけブラックなの、という。

※まとめてみたのははじめてですが、02:30からのトーンの変化にびっくり。
まったく記憶にありませんが。なんかあったのかしら、と、思わずにはいられない。
まあ何となくわからなくもないのですが。
でもこの海の色は、まさしく記憶の中のアンダマン・シー。

「地上げで庭に野犬とかけしかけられたり、
立ち退きの為にトラックが家に突っ込んだりしてたよ」

よう知らんけど日記

柴崎友香 / 京阪神Lマガジン


芥川賞受賞おめでとうございます。
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by chico_book | 2014-07-20 03:15 | 映画 | Comments(0)

思いがけないにもほどがある

「アイスランドに何しに来たの? 」
と、にこにこと話しかけてきたのは、ターキッシュ(推定)のホテルフロントのおじさん。
いやまあ、のんびりしに、かな。あるいは街を歩きに。みてみたかったので。
コトバにすると優雅過ぎるなあ。

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実はこれ小学校なんです。校庭、と、言っていいのかためらうほどの、美しさ。

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武骨でかっこいい。

「ふうん。日本人ってそんなには来ないよ。珍しいって程じゃないけど」
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フォントのかっこよさに嫉妬。

「そうね。私もここに来るのに29時間かかったよ」
「すごいなあ。大変だったね。日本人ってアイスランドのこと知ってる? 」

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亜細亜は遠くなりにけり(少し違う)

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「うーん、そんなでもないかな。温泉は日本にもあるけど」
「ああ、そうらしいね。それは聞いたことあるよ」
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「私は映画とか好きで見たことあるけど、そんなにメジャーではないかも。
来るにはちょっと遠いしね」
「そうだね、ヨーロッパからも物価が高いって言われるくらいだし」
※2008年、アイスランド経済破綻の3ヶ月前の話です。
確か当時のアイスランドの政策金利は二ケタ超えていたはず。

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私が見たことのあるアイスランドの映画はわずかにこの2本。

氷の国のノイ [DVD]

スロウブロウ / ダゲレオ出版



春にして君を想う [DVD]

ブロードウェイ



「あと、有名なのはやっぱりビョークかな。彼女は日本でもとても人気だよ。
私もジャパンツアーに行ったし」

Debut

Bjork / Elektra / Wea



「あ、やっぱり? 日本でも有名なんだ」
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(何か混ざってるような気も)

「うん、ジャパンツアーもすぐチケット売切れてたよ。いたずらっこなネズミみたいですごくかわいかった。
ステージをはだしで走りまわってた」 
(ここで『はだし』という英単語がわからなくて、「NAKED」とか「NO SHOES」とか、
いろいろ手こずった記憶有)

「そうか、そうなんだ。じゃあ彼女を見に来たの? 」
「いやあ、さすがにそこまでは。いくらなんでも、その辺歩いてたりしないでしょ?
それは会えればラッキーだけど」
(※可能性がないとも言い切れないそうです。たまに、ふつうに街を歩いてるとか)

いまさらなねたかもしれませんが、『国家がプレゼントした』というところがキモ、かもしれない。
さすがビョーク!アイスランド歌手の家のスケールがアリエナイ...

「え、知らないの? 明日、彼女ライブやるんだよ」
「ええ!? ほんとに!? ここ(レイキャビク)で? 」
「うん、まっすぐ10分くらい歩いた公園で」
※実際には30分弱かかりましたが、そんなことはどうでもいい。
たぶん私が写真を撮ったり空を見上げたり道端にしゃがみ込んで草花を見たりしながら、
たらたら歩いてたせいでもある。

「それで来たんじゃないの? 外国からも見に来てる人たくさんいるよ。
じゃあものすごくラッキーだよあなた」
「えええ、でもでもでもいまさら絶対絶対絶対チケットないでしょ? 」
「いや、フリーのライブ。チケットいらないんだ」
じぇじぇじぇ!!!(2014年度の感想です。あえての表現)

「自然保護が目的のライブで、ビョークとシガーロスが出るんだよ。シガーロスは好き? 」
「ごめん、その人たちは知らない」(爆)
一瞬だけ、ものすっごく悲しい顔になるおじさん。でもほんとに一瞬で、まさに破顔一笑。
「そっか、でも絶対好きになるよ。はじめてが生ライブなんて、すごくラッキーじゃないか!! 」

自然保護のために行われる野外フリーライブ『NATURRA』を、
ナショナルジオグラフィックがWEB中継するというコンサート企画。
いま考えても、ほんとうにありえないほどの幸運。
だってその翌朝07:40ロンドン行きのフライトに乗らなくちゃいけないのに、
この旅の日程だって、すごく適当に
『だいたいこのへんが休みやすいかな。夏至の辺りで白夜を見られればそれで』。
ってな具合で決めたのに!! なにこの出来過ぎ展開!

なんでも当時、アイスランド国内で急成長していた『大量の電力を必要とするアルミ精錬産業』に
対する警鐘を鳴らす意味合いの企画だったようです。
こちらのブログの2008/06/13の記事に詳細が載っていましたので、参考にさせていただきました。
興味ある方は是非。
(リンクについての明記を見つけられなかったので、一応直リンクは避けました)

と言う訳で、いきなり
『さあ、残り一日、なにしよかなー…』
の、のんびりムードから一転、ライブに向けてそわそわしはじめるのでした。続く!!

ライブ映像がありました。


たいこを叩く姐さんの嬉しそうなこと!

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ライブ会場にて撮影。写真としては失敗ですが、臨場感重視で。

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『夏の野外ライブ』ですが、皆さんガッツリ着込んでおられます。実際寒かった。
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by chico_book | 2014-07-16 06:42 | | Comments(0)

見ている方に進むから

タイトルは、自動二輪教習の時に、教官に叩き込まれたコトバより。
そこに行くつもりはなくても、知らずに見ている方向に進むから、行きたい方向をきちんと見なさい、と、
とにかく厳に言われました。足元観てると転ぶから、まっすぐに進む方向を、背筋を伸ばして。


図書館よりこちらの本をお借りしました。

多摩川猫物語 それでも猫は生きていく

小西 修 / 角川書店(角川グループパブリッシング)



神奈川に住んで10年余、小田急・東急・JR・京急と、路線はさまざまなれど
都内にお出かけするときは必ず多摩川を超えます。当たり前ですが。
電車の窓ら見える多摩川とその河川敷は、どの路線も広々としていて、
サッカーやゴルフやテニス、野球場などなどさまざまな施設が整備されています。
天気のいい休日にはたくさんの人が愉しげに、思い思いに過ごしているのが車窓からよく見えます。
スポーツの苦手な私にはまぶしくてかなわない光景。

そんな多摩川ぞいに住む猫たちの、苛酷な物語。苛酷かつ、無残な事実が淡々と伝えられる本。
猫の写真と事実が、ただ淡々と記されています。静かな語り口ゆえに、ひしひしと重く伝わります。


見たくなくても、聞きたくなくても時折目にする「残虐な事件」。
シリアルキラーなどの犯人が、ニンゲンに対する攻撃の前段階として
「まず小動物が標的にする」
という話を、時折耳にします。
「だから」動物虐待は良くない、という論には以前から違和感がありました。
「動物虐待を放置すると、エスカレートしてニンゲンに被害が及ぶから駄目」
というよりは、まずその行為そのものの非を問いたい、と、思います。

その考えはいまも基本的には変わらないけれど、
世間の耳目を大きく集めるには効果的な論なんだろうな、という点で納得。
いろんな言い方で、少しでもたくさんの人に届けることが何より重要だもの。

ちこも、もとはお外の子です。
推定でしかありませんが、ご近所さんの飼い猫で、そしてお引っ越しの際においていかれた。
うちのベランダの、カラの植木鉢で丸くなっていて、私がトロ箱や湯たんぽを置くようになって、
そしてある雪の日に、堂々とあがりこんできたのが、わたしとちこのはじまり。
過去記事はこちら

いまや堂々と私を踏んづける、やりたいほうだいの姫にして女王様ねこたるちこが、
長い棒だけには怯えるのを私は知っている。
お外の子時代に、石や棒を投げられていたのを見たことがあるから、それが原因かもしれない。
だから、クイックルワイパーやほうきも、ちこが気付かないようにささっと使うようにしている。

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「知ってる。気づかないふりしてあげてんだから、うまくやってよね(怒)」

実はちこは歯がよくない。よくよく見るとなんだか本数が足りない。
有名ねこブログさんの素敵写真を見て気づいて、病院でも確認してもらった。
ごはんをきちんと食べて、体重も充分なので(涙)さしあたって問題もないし、
そもそも対応のしようもない、との見解でしたが。
※ごはんに影響があるなら、フードを食べやすいのに変えましょう、というお話でした。
(時折浮上する『実はとんでもなくおばあちゃん猫なのでは』説の根拠はこのあたり)
※おばあちゃん猫説、お医者様は否定してます

うちに来た時の「毛皮と健康状態の良さ」から、もと飼い猫だと思ってたけど、
(何しろ傷ひとつなく、のみ一匹もいない上に、避妊手術済の異常に人懐こいねこですから!!
ただ、ねこ風邪由来の鼻炎もち・めやにっこな猫ではありますが)
そこには私の知らないちこの物語があるだけだ。
ねこの成長期に栄養が足りないと、歯に影響が出るケースがあるとも聞く。
そうかもしれないし、そうではないかもしれない。
それでも、それらのすべてを含めて、
いまここにちこがいてくれることがひたすらいとおしい。

この本のねこたちはすべてちこと等しい。
ひとに怖い目にあわされても、それでもひとを好きな(好きでいてくれる)子も、
そうでない子、どうしもてひとに対して怖さが先に立ってしまう子も、すべて。


報復感情を持つのはある意味簡単で、自然なことでもある。
私自身も、そういうふうに思うことはある。やはりごく自然に。
それでも、それではなにも変わらないとも、思う。
一時的に罰せられても、犯人は行為をやめないかもしれない。
あるいはまた別の人が出てくるかもしれない。
そして被害にあうねこ(をはじめとする被害者たち)が生みだされつづける。

どうすればそれを止めることができるのか。
それはとても難しいことだが、
ニンゲンから虐待を受けたねこが、それでもニンゲンの手を拒まずにいてくれる、
信じてくれるということは、私たちも悲惨な行為そのものを減らすことを、
諦めてはいけないのかもしれないと、思う。
報復感情に身を任せるだけでは、何も変えることはできないのかもしれない。
怒りとか憤りとか、おさまらない気持ちはあるけれど。

ほんとうに難しいことだと思う。
遊び半分で生き物をいたぶるひとの心に寄り添うのはむつかしい。
想像もできないし、正直したくない。

それでも、ちこはいま私を、ニンゲンを信じてくているから。
そうすることが、信頼に応えることの一環になるのかもしれないと思う。
こういう私の考えは、相当に甘っちょろいのかもしれませんが。

具体的な対案もないまま口にするのは無責任かもしれないけれど、
それでも、こういう気持ちを見過ごさずにいることも、小さいけれど大切なことだと思う。

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思慮深げなまなざし。ありがとう、ここにいてくれて。


『ゼロ! こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?』

ゼロ! こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?

片野 ゆか / 集英社



以下アマゾンさんより紹介分を引用。
「殺処分0」のために闘った行政マンたち
年間24万頭もの犬や猫が殺処分されている中、夢物語と揶揄されながらも「殺処分ほぼ0」を目指し、実現した熊本市動物愛護センターの10年間の闘いを追う。日本で一番カッコいい行政マンの物語。


※5/20には文庫版が出ています。少しタイトルが違うのでご注意のほどを。

ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い (集英社文庫)

片野 ゆか / 集英社



そんなのは無理だ、夢物語だ、甘っちょろくて青臭い理想論だ、
というのを吹き飛ばす改作…と言う訳でなく、現実はやはりそろくさく地道に、
出来る人が出来ることを小さく小さく積み重ねて、
そこに幸福な連鎖が積み重なって初めて実現してゆくのだという、丁寧な物語。
ノンフィクションですけど。
奇跡や逆転ホームランなんてない、
ただ地道な積み重ねだけしかないのだと、こころから思う。

ちなみに装画を手掛けられたのはスカイエマさん。なんというかわいさ力強さ!!
あえて特定の犬種を限定して連想されないようなイラストにされたそうです。

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まじめにやらなきゃ呪うぞよ。夏恒例、幽霊ごっこをするちこにゃさん。

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さらにどん!!
『うーら-めーし・・・』

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『すぴー』
飽きてすぐ眠るちこ(それとも寝ぼけてただけかも?)
こんなふうに、皆が静かに穏やかに眠れますように。

そんなわんにゃんのかわいい動画2題。

これをかわいいといっちゃうと、ワンちゃんに申し訳ないかな??
なにをどうしたら、ここまでワンちゃんを怯えさせるんだ、と思いつつ見てたら、
なるほど、こういうことをしたせいなんですね、というにゃんたち。
ごめんね、わんこの皆さま!!


大きい犬は心も大きいなあ。やさしくしてくれてありがとう。
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by chico_book | 2014-07-13 01:53 | ねこ | Comments(0)

2014年らしいということなのかも

観てきました。『グランド・ブダペスト・ホテル』。大変素晴らしかった。

※再掲です

私のオールタイムベストムービーの一本に『LEON』があるのですが、
最近久しぶりに見直したところ『どのシーンを切り取っても即そのままスチールになる』映像の美しさ、
にひたすら息をのみっぱなしでした。
キャラクターのほぼファーストカットで、どういう人物かを理解できる演出、、
そのひとりひとりの孤独や激情に寄り添ってゆく描写、重なるアクション、深まってゆく心理、
そしてエンディングはとどめのSting。すべてがパーフェクト。
完全にアウト、なゲイリー・オールドマンのやさぐれたかっこよさがまたどうしようもなく素晴らしくて、
こんな(悪い)人に魅かれるなんて私は駄目だ! などと思った日々も遠く。
(1994年の作品でした。なんてこった。20年前とは。既にクラシックなのかなこれ)


※ダイジェスト的な映像です。ネタバレを気にする方は注意が必要。

しかしなんでこれが『アクション』の棚にあるのかツ○ヤさんよ。
一生懸命「ロマンス」の棚で探した挙句に店員さんに教えていただきましたよ、
ええ、ええ。そうね、アクションシーンありますね。たしかにね。

NYつながりSTINGつながりで、大好きなビデオ。
BE YOURSELF,NO MATTER WHAT THEY SAY.


『グランド・ブダペスト・ホテル』にも同等の『徹頭徹尾貫かれた映像の美しさ』があります。
美しくて爛熟していて重層的で、でもきちんとコメディーで、大笑いできる中に、
戦争と国家が絡んでくる。すごいなあこの展開。
甘くかわいらしい、そして深く消えない毒ががっつり。

と言う訳で今年度の上半期映画のベストは
『ドストエフスキーと愛に生きる』と、これの二本。
期せずして、両方とも戦争色の濃い作品になってしまいました。
しかも両方ともそれがメインではないところが胸に迫る。

『グランド・ブダペスト・ホテル』という映画に、シュテファン・ツヴァイクが
色濃く影を落としているということの深さについては、まだ消化しきれていません。
これはこれからのありがたい宿題かな。よく知らないし。

シュテファン・ツヴァイクと言えば、私にとっては『ベルばら』を
池田理代子氏に描かしめた『マリー・アントワネット』の作者であります。
(少し言及している過去記事はこちら
ほかに、2年半前に盲腸で入院した際の慰めに、知人が貸してくれたのがこちら。

チェスの話――ツヴァイク短篇選 (大人の本棚)

S.ツヴァイク / みすず書房



とにかく面白かった! という印象が残っています。この本自体短編集なのですが
『書痴メンデル』なんてもう作品名だけで2割増し。
……と言う訳で、よい機会なのでほかも読んでみよう。

7月にはいってからはこれを観ました。
みつばちの大地

※こちらも再掲※

原題は『MORE THAN HONEY』。やっぱりドキュメンタリー寄りなチョイスが続きます。
(アクト・オブ・キリングは未だに悩んでいる)神保町・岩波ホールにて。

実ははじめての岩波ホール。福岡時代から雑誌に
『岩波ホールで上映、順次全国公開』と紹介されている映画は
数知れず見ましたが、本家に足を運ぶのははじめて。大変に緊張しました。
ものすごく品のよろしいシニアの皆さまが続々と詰めかける空間。
授業参観のようで、何となく緊張する。
もちろん上映が始まったら、そんなこと関係ありませんが。

大変に興味深い作品です。
私たちの生活が極めて危ういバランスの上に、なんとぎりぎりのところで成立しているか。
『私たちの口にする食物の1/3はみつばちに依存している』
そして
『ここ15年ほどで、在来種のみつばちの50-80パーセントが絶滅したといわれている』
さらにアインシュタインの次の言葉が紹介されます。
『みつばちがいなくなったらその4年後に人類は全滅する』

そんなセンセーショナルな内容を、あくまで淡々と、しかし圧倒的な映像美で、この作品は映し出す。
空中を飛ぶはちの群れや空中での交尾、そしてそのあと落ちてゆくオスのはちなど、
非常に精密かつ迫力ある映像です。大変に見ごたえがあります。虫が嫌いな人は相当に辛いかも。

あらゆる事柄はそれこそ「多様な生物の様に」有機的に絡まりあい、すべてを一気に解決する、
逆転満塁ホームランのような必殺技は存在しないこと。
その方法が何であれ、ひとつずつ地道に真摯に、いまある世界に向き合うしかないのだと、
心の底にしみわたらせてくれる作品。良作です。
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by chico_book | 2014-07-07 01:56 | 映画 | Comments(3)

花と裏庭には秘密の気配がする

※やはり唐突に続くアイスランド旅行記。もう少しだけ続きます。

もう7月になってしまったけど、
私がアイスランドに行ったのはちょうど夏至のころ、わずか一週間。
この季節になるたびに、まぶしい陽光に満ちたアイスランドを思い出す。
どんなに日本が梅雨空と湿気でいっぱいでも。

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小さい飛行機だけど、国内線の空港の近さを考えると、
もしかしたらこれは定期便かもしれない。いいなあ。


今回はアイスランドの街角シリーズ。
街角でみかけた花とか裏庭とか。本当に好きなものたち。


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ささやかな白い花。こういう花がやみくもに好き。

小学生のころ、学校を休んだ同級生のお見舞いに
「どくだみ」の花を摘んで持って行って
「これ毒の花なんだよ! 」
と、窓から投げ捨てられたのを覚えている(我ながらしつこい)。
もちろん実際には薬草なので誤解なんですが、
小学生には『どく』ということばが名前に入ってるだけで、
誤解するには十分だったんだろうなあと、いまにして思う。

ただ、重さのない白い十字の花が、頼りなげに落ちてゆく光景が印象的だったのだ。いまでも。


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すみれっぽいような、少し違うような。色のせい?

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やさしいつぼみと光の明るさ。

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これはミモザでしょうか? でも枝垂れているようだから少し違うのかも。
ミモザは春を告げる花で、フランスでは3月頃の花というけれど、
アイスランドではどうなんだろ。
例えば北海道では、ゴールデンウィーク頃には桜やライラックや、
春を待ちわびていた花が一斉に咲く、というので、それに近い話なのもしれないし、
あるいは全然別の花なのかも。

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白い花だけでなく、葉っぱに緑に近いような、目立たない系の黄色い花も
やはり闇雲に好き。枯れたのかな。

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こちらは本当に枯れたばら。
道路から一段下がっているところに、何故かおいてあった花束。
隣の窓は地下室かな。忘れられたような花束はなんだか追憶の象徴みたい。

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明るい日陰、緑の中の白い星のような花が咲く裏庭。優しげな風情。

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とはいえ、ちゃんとこういう華やかな花も好きです。要は何でも好きなのかな、花。

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庭先にこぼれるような華やかさ。

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なにこのかわいらしさ。

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裏庭にまた魅かれる。
アメリカのサブアーバンの、気合入りまくり
『さあどっからでもご覧になって!(キリッ)』
なドライブウェイとは全然違う、ひそやかさ。

裏庭

津田 晴美 / TOTO出版


手強くて静かで端正。副題の『my own backyard』というのがまたよい。 折に触れて読み返したくなる。

裏庭 (新潮文庫)

梨木 香歩 / 新潮社

裏庭
実は未読。
何となく梨木香歩とは縁がなかったのですが、
最近少しずつ読んでいるので、近いうちに何とか。

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やはりどこまでも透明な明るさに満ちた印象。地上の小さな星たち。

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綺麗すぎるばらよりも、少しよれているくらいの優しげな風情が好き。

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夏を満喫するばら。
サマースノーという品種のばらがある。
たしかつるばらだったから、たぶんこの写真の薔薇の品種名ではないけれど、
この写真を見ると思いだす単語。
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by chico_book | 2014-07-06 23:25 | | Comments(0)

メ、ではじまる単語なんて、とても口にできない

ちこにゃんも大好き! な、ネスレ・ピュリナワンさんが『メタボ猫川柳コンテスト』を開催しました。
メタボ猫って。なぜ限定なんだ。

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メ、メ、メ……、いやいや。いやいやいやいや。

まったく気づいていなかったのですが『いよいよ明日締切! 』というCMメールが届きました。
(以前お試しキャンペーンでアドレスを登録したので、その縁でメールが来たのだと思います)

メタボ猫、メタボ猫ねえ。そんなこといわれても、ちこにゃん、ねえ、などと、
ぼおっと考えながら職場でお茶をいれておりました。職場の(備品の)お茶は、伊藤園のティーバッグ。
パッケージに印刷されているのは『お~いお茶 俳句大賞』。
まあこういうことだわよね、とざっくり考えて、これのねこ版ってことかな、と、
ひと晩で無理矢理ひねりだしてみました。ほほほ。まあ結果は余裕の玉砕だったんですけども。
と言う訳で結果はコチラ

最優秀賞:この先も キミといたくて 鬼となる

審査員特別賞:メタボ猫 増税分を 餌減らし
※サイトより引用しました

ちなみにわたくしの応募作はこんなかんじ。

・もっちりと からだも愛も 充ち満ちる

・ニンゲンに とってこいよと いうあそび

・重たさと しびれに勝る だっこ愛

たはは。なんというか、我ながらものすごく近視眼的。
フード会社の募集であることとか、一歩引いた感じがまったくないですな>ちこぼん作。
ていうか、メタボを肯定しちゃいけません。
とにかく写真と同じで寄りまくり。私とねことねことねこがもう! 
もうかわゆうてかわゆうてしゃーないんですわ! という感じ。
(ただの事実)
ちょっと引くほどの、排他主義な感じがしないでもないなこれ、と、気がつきました。遅。
いや何となくそうかなあと、思わなくもなかったんだけど。
でもまあ、みんなそうかなとかなんとかかんとか。そんなことをふわふわ考えました。
そしてブログでも、そうなってはいないかと、いやなってるんでしょうけども、
それにしても、大丈夫かしらとかなんとか、反省する良い機会になりました。
(今後、うまく反映できるかどうかが別の話ですが。とほほ)

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威風堂々のボディ。アンジェリーナ・ジョリーというかモニカ・ベルッチというか。
このおなかに顔をうずめて怒られるよろこび。いかん、どう表現してもどうしようもない。

ちなみにちこにゃん御贔屓は
ピュリナ ワン キャット 避妊・去勢した猫の体重ケア [子ねこから全ての年齢に] ターキー』。
ただ、単品ではなく、各メーカー(ロイカナとか1st choiceとか)のダイエットフードをそれぞれ取り混ぜ、
お好みに合うように、毎日専任の職人下僕がひとつぶひとつぶ手でブレンドしています(言い過ぎ)
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by chico_book | 2014-07-01 01:02 | ねこ | Comments(6)