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3月の嵐はすとらぐる

べっぴんさん。静かに終わりました。
わたしは好きで、さいごまで大変楽しかったのですが、
あわないひとにはほんとにあわなかった様子。

まあ確かにドラマとして盛り上がりに欠けるという意見も
あることでしょう。
演出として小粒で、それが「不発に終わった』と見えるような
案件もぽろぽろあると言えばあるし。

ただあのひとたちの、やわらかく頑固でありながら
徹底して他人に踏み込まない(踏み込み過ぎない)姿勢は
『うざいぐらいに明るく元気なヒロイン』が主流の
朝ドラワールドにおいて、よいエッセンスだったと思います。
(古臭いイメージで、最近はそうでもないのかな??)
アンチテーゼと言うほど強くないあたり、たいへん好み。

まあなんというかとにかく上品だったし。
そんなひとたちで、
とにかくいい人もとにかく悪いひともいなくて、
みんなある点ではよいひとで、それが裏目に出るところもあって、
(麻田さんは悪い部分がないのかな?? 
じつは途中から見はじめたのでそのあたりがわかっていません)
と言うバランスと、後半、若い役者さんたちの老人演技が
そりゃもうたのしかったので私としてはよいドラマでした。

最初はちぐはぐだった相手との関係が、経年で自然に馴染んでゆくあたりなど
(自然に距離感を掴んでいったかんじかな)
説明のなさが逆に新鮮で楽しかった。
※ふだん朝ドラを熱心に見る方ではないので、
特に珍しい話でないかもしれませんが

あとちょいちょい演出が遊んでいましたね。
シン・ゴジラ風?? に、テロップいれてみたり、
舞台演出っぽいライトアップとかピンスポットとか、
幽霊が応接間で、とかそんなもろもろ。
そういうトライアンドエラーされどトライ、が
あっても、いいと思います。なにしろ安定している枠だし>朝ドラ。

結局後半は、毎日録画していました。
最近帰宅後のちこのあまえんぼがすごく、
はやくのんのんさせろさせろさせろと大騒ぎするので(自慢)、
ソファーにすわって(ちこが飛びのってきて)、
15分間ゆるゆる過ごすという楽しさを満喫しました。
きっとずっと思い出すだろうなあ。
ちこのごろごろでテレビの音が聞こえなかったり、
すりすりでテレビが見えなかったり、
マズルを押しつけられてひげが痛かったりなんて、
そんな諸々を。

いまのところ『ひよっこ』をみる予定は
あまり積極的にはないのだけれど、
有村さん好きなのでココロが揺れています。
これ以上ドラマに比重置くの正直しんどいのですが、
朝ドラって一回見はじめるとついつい気になってしまうし。
それでもちらっと見かけたところで、ちょっとこちらを連想しました。
時代が近いんじゃないかしら。よう知らんけど(ゴロちゃん)


黄色い本 (KCデラックス アフタヌーン)

高野 文子/講談社

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私が生まれる(すこし)前の、昭和の青春。
私の親戚も(集団就職ではないけれど)、軒並みツテを頼って
トウキョウに行ったりしていることもあり、さまざまに興味深い。

『3月のライオン』
劇場で観る予定はいれてなかったのだけれど、
有村さんが香子を演じると聞いて、そして伊藤英明が後藤と聞いて
一気に興味が(でも迷ってグズグズしています。未だに)

以下(映画は未見ですが)原作に対するネタバレを
含むお話なので畳みます。




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by chico_book | 2017-04-10 00:34 | まんが | Comments(0)

最近のごくふつうの週末(+お散歩やや強化型)

なんだかだとばたばたしていて、気づくとひとつきちかく
まともにスーパーに行っていませんでした。
・・・我ながら、よくもったなあ。
最寄りのコンビニが、もと八百屋さん系でこまめに(野菜は)補充ができるのと、
冷凍しておいた肉魚や缶詰などを繰り回した結果、ではあるのです。
最近は、会社の帰りも寒いので寄り道する気にもいまひとつならず。
(ダッシュで帰ってちこにあいたい)

そんなわけですっかり空っぽの冷蔵庫を何とかするべく、
この週末は勇んでスーパーへ。
シロさんの
『狩るぞ!! 今日は買うぞ!!』
と言う武者震いと、完全にシンクロ。

最近はじめた(あるいは自分にゆるすことにした)
小さなぜいたくは、
『スーパーでお買い上げした商品宅配サービス』
です。ネットスーパーではなく、あくまでお店で自分で購入する。
レジに並んでお支払いもする。
ただその後、サービスカウンターで配送をお願いするのです。
ボックスひとつで300円。
私の場合、いまのところひとつにおさまらなかった経験はありません。

良い点
・荷物を持たなくてよいので、スーパーのあとの動きが自由
 基本土日にしか活動しないのでものすごく重要。
・かさばるものや重たいものをためらわずに買える
 牛乳とか調味料とかお米とか。トイレットペーパーなどもそうですね。
・受付12時までなので、だらだらしている暇がない
 ついうっかり、休日をだらだら過ごしがちなので(午前中から動かざるを得ない)
 まあそれはそれで楽しい一日ではあるのですが、はい。

悪い点
・ついつい買いすぎちゃう
・配送カウンターが激混みで受付に(長いときは)30分くらいかかる
・配送時間との調整が必要
 18-20時の枠で配送をお願いした場合、 
 18時に届くのと20時に届くのでは、晩ご飯やその後の
 時間の配分が違ってきます。当たり前だけど。

まあ車も持ってないので必要経費かな、と思えています。
なによりお買い物後に別の用事にラクラク動けるのがありがたい。
重たいものもつとくたびれちゃうしね。

しかし荷物が届くのを待つというのもそれはそれでゆるいストレスなわけで、
「いつかないつかなまだかなまだかな」
より
「18時までに帰らないと!! 」
の方が、ストレスとしては大きいような気がしています。
比較してもしょうがないんだけど。
そういえば堀井和子さんも「宅配便を待つ時間がとても苦手」
と言う内容を、どこかで書いていらしたような記憶が。

しかし、配送カウンターに並んでいるのはほぼほぼ高齢者のかたで
『14時でいいですか』
と、毎回言われるので、わたしみたいな使い方は
メインではないんでしょうねえ。
でもいいの、ありがたく使わせてもらってますので。
そして、故郷の老親や自分の将来を想定すると、
こういうサービスがあるのはとてもありがたいことだと思います。

などと言いつつも土曜日は久々の都心お散歩。
リュックを背負って、両手をフリーにしてレッツお出かけ。
久々に思いきり歩きたいな、と、野望充ち充ち。

目当ては

・やっぱりまだまだ海を見ていたい午後、ひさびさの浜離宮
・新宿御苑か六義園か、今年は早くも梅が咲いているから
・そういえば昭和記念公園って一度行ってみたいんだよね

というあたり、勇んでスニーカーを履きます。

まずは、水-土しか空いていない大人気パン屋さんで
うきうきとパンを買いこむ。
目当てのチーズブレッドは焼き上がりのタイミングが合いませんでしたが(涙)
バゲットと焼きキーマカレーパンとキッシュが買えたのでほくほく。
どこかでコーヒーを調達しよう、公園でおやつタイム!!
と意気込むも、

・ものすごい強風のため、浜離宮をあきらめる
・中央線運級のため、昭和記念公園をあきらめる
・この本を横浜駅の有隣堂で入手できなかったため、
 本屋さんをルートに組み込む。


というわけで、有楽町>三省堂>日比谷公園ルートに変更。

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ことしもおひさまみたいな実のなる木たち。
大好きな光景。
国道沿い、廃屋みたいな建物のそばにすっくと立つ姿。
冬の明るい陽射しと、ちぎれそうな寒風のバランスが実は大好き。
本物の寒さでないゆえの甘えた気持ちだけですが。

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はぼたんは和でも洋でもいけるオールラウンダー。
万能すぎてちょっと地味とかかわいそうなほど。

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やっぱりすみれはすみれ色であってほしい。

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じつはルミネの屋上庭園。はじめて行きましたが、
こぢんまりしていてよかったです。
喧騒のレストランフロアから全力逃避。
ここで(ネット上の)あらゆるところで話題沸騰のこちらを一気に読了。


実はこのタイトルは『なんらかの比喩』だと(根拠なく)
確信していたのでいろいろと驚きました。

対象との距離の取り方、
丁寧に選んでそこにぽつんと置いてあるようなことば、
受容について、人生を歩むことについて
すすむこと とどまること ひととなにかを共有することについて
一気にいろいろ考える。
読み終わって顔をあげた先の、冬の横浜の抜けるような
青い空をきっと忘れない。
『ねじまき鳥クロニクル』を紀伊国屋書店で買って、
我慢できずにそのビルの屋上で読んだのは広島だった。
夕方になって、どんどん暗くなる寒くなるのと
競争するように文字を追いかけたこと、
あの日とおなじように、ずっとおぼえていられるかな。
(最近自分の記憶能力に不安しかない)
もしそうならそれはとても幸運です。

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東京の真ん中に、こんな静かな場所があるのはとてもよいことだといつも思う。
高い建物がないのも、威圧感がなくて好きです。

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しかしさすがに座ってお茶をするには寒すぎました。
あたたかい飲み物もどんどん冷めちゃうし。

ほんとは日比谷図書文化館に行ってみたかったんだけれど、
ちょっとくたびれちゃったので早々に撤収。
それでも充分満足できる一日でした。
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なんと想定外なことに『花束』をいただきました。
お誕生日に、ということです。びっくり。
そう私はカプリコーン(オブカプリコーン)
春樹といっしょなのでちょっとうれしい。
宇多田さんとも坂本教授とも一緒です。ワーワー!!!

と言う訳で、ヴォーグの「2017年上半期のしいたけ占い」を
読んでみたりする。
ことしは新しい基盤づくりの年だとか。いいではないですかそれ。

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睦月のリラックス姫。いつも強くてやさしくて賢く愛情深い。
おててくんにゃり姫。
ことしもいっしょにすごしましょ。


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by chico_book | 2017-01-23 01:02 | 日々 | Comments(7)

ずっと見ていたい綺麗な空のような

こなつさんがおすすめされていた
『恋は雨上がりのように』3巻までを読みました。
(6巻まで刊行されているようなので、頓珍漢な感想かもしません)

公式の作品紹介はこちら→


こなつさんありがとう!!
自分ひとりでは見つけられなかった作品です。

(おそらくは)順調に過ごしてきた学生生活あるいは人生を、
予想外の出来事により立ちどまることになった主人公の女子高生・
あきらが恋に落ちたのは、バイト先のファミレスの店長。
それもおそらくは予想外のできごと。

ここに描かれているのは、
かなうような恋ではなく、届くような想いではなく
それでもそこにあるなにかをたいせつにすること
押し殺すことなく走り出すことなく

そっと見守って、でも目をそらさずに、
まるで発掘か何かのように、そおっとそおっと、
たいせつに確実に指先で掘りあてる、そんなイメージが重なってゆきます。
あるいはそれは、恋のなんたるかを知らない若者が、
ひとつずつ確認しているういういしさなのかもしれませんが。

繊細でみずみずしくていつまでもみていたいような
心の動きが描かれます。
実際にはかなり切実でひりつくような熱情が活写されているので、
優しいばかりではないのですが、そのひりつきさえも、
膝小僧に残ったかさぶたのあとの様になんだかいとおしく思えてしまう。
単に私が年寄りじみた読み方をしているだけかもしれませんが。どうかな??

あきらちゃんの瞳の輝き
みずみずしい髪のつや
すんなりとのびた手足

白黒の画面からも、内側から発光しているような
輝きが伝わってきます。なんとうつくしい十代。

ああ、お化粧っ気なんてなくても桃の実のように、
うぶ毛さえ輝くほおだろうな、とか、
細く涼しげで清潔なうなじなんだろうな、とか、
まぶたのうえがつやつやしているんだろうな、とか、
あんまり描写するとちょっと(私が)アレなかんじになるような(自覚あり)
そんなさりげなさ。ほかのことばが見つからないほど。

そんなふうにたいへん魅力的な女の子なのですが
魅力的すぎて、まぶしすぎて直視できない気持ちと、
あまりにも『対象外』なので堂々と向きあえる気持ち、
その両方を持ってあきらちゃんを見つめて、見守ってしまいます。
たぶん店長よりの視点ですねどうしたって。

ぐうぜん踊場で雨宿りをしてしまったふたりがならんで外を見ている。
窓の外にはつやつやの新緑がきらきらの水滴をたくさんまとっている。
輝く空気と光の粒を黙って一緒に眺めている。
雨はやんでしまったから、この場所にいる理由はもうないのに
「じゃあね」
と立ち去りがたくて、沈黙を守っているようなイメージが離れません。
一巻の冒頭から。とても不思議。
作中では、少しずつですがあきらちゃんのコイゴコロは育っているというのに。
私の大好きな、八百屋お七の様な凶暴な少女の純愛要素もたっぷりあるのに、
どこか静かなのは踊り場にいるからなのか、とも思う。


特急列車乗っちゃってー
ネバーランドに連れてってー
いっさいがっさい うばってよ!! っていう純愛と凶暴。
恋と言う名の大嵐。

最初から終わりを想定して見守っている(読んでいる)
なんて、
かわいそうだからあきらちゃんには知られないように、
そんなふうな
すこしばかりのうしろろめたさを抱いてしまいました。
なんとなく。

ほんのいっときの、若さゆえの気の迷い、
と言ってもいいような言うしかないような
いやいやそんな言葉ではとてももったいなくてまとめられないような、
そんな心の動きをていねいに描いています。とてもみずみずしい作品。

スピリッツの公式HPをみると、作者の眉月じゅんさんは
『趣味:手芸』
『好きなタイプは小林薫』
とあるので、おそらくは女性作家さんかと。

あきらちゃんが魅力的なのに性的になりすぎず、
透明感と清潔な生命力に充ちているのは
そのあたりのさじ加減かもしれません。いいにゃー。
そしてこういう作品の場合、男性側の抑制も大変重要です。
重要です!!(力説)

もし彼女が、不幸な挫折を経験していなければ
いまこの場所にはいない訳です。

そう思うと、たまさか自分のもとに現れた
うつくしくめずらしい鳥、を、見守るような気持ではないか、と、
うんうん唸りながら真剣に
店長(46歳バツイチ)の気持ちを忖度してしまう訳ですが。

でも最近、そういうリーディングを(この場合はREADではなくLEADで)
みごとに揺さぶってくれた作品に出合って幸福で幸運で
まだふわふわしているほど。

ありがとうありがとうもう一気にぶん投げられるの大好きです。

おまけ)
ただ、あきらちゃんのスカートは短すぎますよ!!
あきらちゃんだけではありませんが。
そして誇張でもなんでもなく、横浜の女子高生のリアルではあります。うむむ。
九州で見かける制服女学生の皆さんは、
膝チョイうえくらいの長さが多くて、なんだかほっとします。
生活指導の先生のようですねワタクシ。

そして店長のイメージになんとなく後藤隊長が被るのでした。
あんな飄々とはしていないし、あくまでふつうのおじさんだけれども。
安直かしら。

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by chico_book | 2017-01-18 01:40 | まんが | Comments(0)

手をつないだのに、あらためて遠い(そんなかんじ)


出ました出ました。疑ったりしてしまいまして、たいへん申し訳ない。


そしてよかったです。たいへん素晴らしかった。

センシュアルなものを共有しないさじ加減で踏みとどまってほしい、
なんていう私の寝言(文字通り)をやすやすと乗りこえた3巻。
1ページ目から崩れ落ちそうになりました。
う、うわさには聞いていましたが(聞いていてよかった)あら。あらまあ。

共有してしまったからこその線引きの厳しさりりしさが
3巻の要になっております。そうきたか!! 久々に興奮しました。
いや西村先生ライフスタイル満喫系作家になってたからさ(失礼)
(それはそれでたのしい)

関係を持った相手に踏み込もうとしない。
おたがいのプライベートを、律義すぎるほど律儀に尊重する。
それでも親密は成立しうる。充分に。

わたしはわたしでここにいたいからいるの。
あなたをかわいいと思うし、大切に思われているのは心地いいの。

梶谷先生と妻であるサラさんもたっぷり描かれていて満足。
信頼しているから離れていられる、
もし何かが起きても
(もちろんそれは腹立たしいことだしきちんと怒るけれども)
受け入れる覚悟を持って、自分の戦場にいる。
愛と親密と尊敬と。トリニティ、と呼びたいような
バランスで描かれるファンタジー。
幻想と言う意味ではなく、リアルに立脚した寓話と言う意味での「ファンタジー」。
では何がリアルなのかと言うと、状況や設定ではなく、
人が人に向ける気持ちのなかにある、覚悟ではないかと思う。

泣きたかったり苦しかったりせつなかったりすることが
もちろんあるけれど、
そこをのみ込んで仁王立ちして
「世はすべてこともなしってことね」
と言う、女子高校生・美紅の背中を思いだいました。

きょうだいわんこ2匹つれなところも一緒だね!

まるで
「昔ながらの西村節に喜ぶオールドファン」
ぽいのですが、本作は主人公を巡る職場環境などが
きちんとアップデートされていて素直に楽しめます。
奨学金返済にふうふういいながら、研究者として目指す未来がありながらも
「そこまで本気の研究者ではない」
「ただ資料室と資料整理と発掘が好きなだけ」
な、なぎさと、
さっくり物事を判断して世界を飛び回る(でも夫には時々ぐずる)妻と、
両方を仕切ることなく支える梶谷先生の人物像が
その日常や仕事っぷりからも納得できる。
相手のことを尊重する。そのうえで、手をのばしてみることを恐れない。
業務のうえでもヒトヅキアイのうえでも妻との関係においても、
納得できるキャラクターになっているので、
なぎさに対する態度に違和感がなくて済みます。

たぶん桐谷先生にとってのなぎさは、似てないのに
どこかサラさんのイメージを持っていて(別バージョンとでもいうか)
それで目が離せないのではないかと。
ほんとうに似てないんですよね。部屋も全然違うし。
その違いも含めて気になってしょうがないのではないかと。

でも、あるいはだから、人生のパートナーとしては間違えようもなくサラさんで、
それはなぎさにとってもおなじで、恋人であるミズキのおおらかさやさしさは
梶谷先生とは全く別物であってそれでもどちらもたいせつな存在であること。

そしておそらく、なぎさにとって桐谷先生は、
サラさんと言うミステリアスな妻の存在込みで、
魅力的なのですきっと。なんというバランス。

ある意味、いまのご時世フィクションとはいえ
チャレンジングなのかもしれません。

でもそういうことって、きっとあるから。
踏み出す踏み出さないは別にして。
いっしょにいても、結婚していても遠く感じることもあるから。
相手に対する思いやりをふんわり丁寧に重ねる描写が
やさしくてせつくていとおしい。そんな作品です。
倫理に反するとか、そういう言葉で語ってしまうのはあまりにさみしい。

『マシュー・ボーン版 白鳥の湖』感激帰り
『結局ホモってこと?』
と言う見知らぬお嬢さんに、
『そうかもしれないけど、そうじゃないんだ・・・!』
とこころのなかでそっと呟く、今市子先生の言葉をここに置いておきます。
愛と敬意とともに。

と言う訳で21世紀版にアップデイトされたサードガール、
と言うくらいの期待。またいつか出ることに期待。
・・・・・・トーキョーオリンピックまでに何とか!!(弱気)


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by chico_book | 2016-12-25 23:21 | まんが | Comments(0)

知恵熱

まだちょっと調子が悪いままなので、ひたすらおとなしくしています。
そういえば知恵熱出やすい体質でした。
最近出てなかったので、認識してなかったけど。
ステイヘルシー、ひとに(羽生さんに)言ってる場合ではなかった。

地上波放送前に、コメントでぽろっと言ってしまいましたが
GPファイナル(ライストで視聴済)やら
逃げ恥やら(原作読みたい、読まなくちゃ)
ユーリオンアイスやら
(10話のひっくりかえしっぷりがすごすぎてまだ呆然としています)
ひとつだけでも大変な大波大波さらに大波で

そしてなにより真田丸が!! ああー!!(BS視聴済。まだふわふわしている)
おわっちゃうーーーー!!!
なんだかすごい一年でした。去年なんか(たぶん)なんにもドラマみてなかったのに!!

(しかも最近『べっぴんさん』を観るようになった。トドメ。
ふわふわやんわり感好きです。
それええね、と、なんかなあ、で、ゆるゆる転がってゆくお嬢様展開。
登場人物のファッションがたのしすぎて、
あの品のいいニットや、刺繍やスモックや、
同じ型紙を襟だけ変えたり工夫しているブラウスや、
(へちま襟とか大好き)
うちの母も得意だったフレアスカートをみているのがたのしくてついつい)

・・・・・もしかしたらたぶん来年死ぬんじゃないかな私。
と言うほどの、お迎えが来たの? っていうほどの充実ぶり。

いやがんばって生きのびますけど。

ユーリ二期希望! とか、真田丸スピンオフ希望!! とかね。
ありますから。

12/22。

プ~ねこ(6) (アフタヌーンKC)

北道 正幸/講談社

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まだ書影は出てませんがでましたのでリンク貼り直し! 待ってた待ってた!!

積読もたくさんあるしね。あるのに買っちゃったしね。

ココロを鎮めてゆっくりむかいあいたい。でないとつらいわもったいないわ。

ビリーの森のジョディの樹2

三原順/復刊ドットコム

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遺作・未完成作品収録の単行本を、新刊で入手するのはこの本以来。
あのときもつらかったです。

12/15発売。

ふしぎの国のバード 3巻 (ビームコミックス)

佐々 大河/KADOKAWA

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すこしずつ進んでゆく物語、素直に興味深いです。たのしみ。


乙嫁語り 9巻 (ビームコミックス)

森 薫/KADOKAWA

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年末のオタノシミ。この作品でも刺繍や布支度が大量に登場してとても楽しい。

12/19、22。

上質で軽快なアメリカドラマの様でとても楽しい。
とにかくキャラクターが魅力的で謎解きもあり。


ACCA13区監察課(6)(完) (ビッグガンガンコミックススーパー)

オノ・ナツメ/スクウェア・エニックス

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アニメ化と聞いていましたが完結なのね。ちょっと安心しました。

あと
『砂とアイリス』3巻の発売予定が
12/22なんですが……どうでしょうか(おずおず)
信じていいのかなこれ。期待ゆっくりめで待ちます。



年明け早々にこちら。1/6。

LIMBO THE KING(1) (KCx)

田中 相/講談社

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一話以来、全然読んでないのでたのしみ
果たしてどんな物語なのか。

1/12。

阿・吽(5): ビッグ コミックス〔スペシャル〕

おかざき真里 阿吽社/小学館

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いまいちばん続きがたのしみな作品のひとつ。いまからわくわくしています。

ていうかコミックスこんなにあるのか。ちょっとふるえてまいりました。
うっかりこの本買ってしまった後なのです(いや後悔はしてませんが)

高額だったので(ちこぼん基準)たいへん迷いましたが、
なかなか本屋で出会わず。
『次の本屋で会えなかったら諦めよう』
と言う賭けをした結果、ビンゴ。わたしこういう賭けをよくやります。

狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ

梯 久美子/新潮社

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お正月に読む予定。いまになって、年末年始にはむかないような気がしてしまいますが。























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by chico_book | 2016-12-11 19:36 | Comments(2)

明解な苦闘(苦悩を突き抜け歓喜に至る道について)

『あかぼし俳句帖』4巻。大変素晴らしかったです。


職場でも私生活でもいきづまり気味のバツイチ明星啓吾さん(55)が、
ふとしたきっかけと、さらにいきつけの飲み屋『お里』で
たまたま知りあった(小娘ではない)さわやかな美女で俳人の、
水村翠(ミズムラスイ)さんに魅かれて俳句の世界に入ってゆく本作。

もともと自動車メーカー勤務、広報部でキャッチコピーを書いていた
言わばことばの扱いについて『腕に覚えのある』明星さん、
最初は俳句の世界にも
『よっしゃ俺の実力みせてやんよ! 』
くらいのイキオイで入っていったのですが、
当然そこは思いどおりになりません。
迷いや戸惑い、苦闘やその先にあるヨロコビ、たのしさなどを
丁寧に描いてきた本作ですが、4巻はさらに深まりました。
読んできてよかった・・・・・・。

俳句の世界に入り込んでゆくうちに、
すこしずつ初心者でなくなってゆく明星さん。
4巻ではその姿がていねいに描かれます。
どこで初心者ではなくなるのか。
逆に言うと、どこを乗りこえられないといつまでも
『初心者』
にとどまるのか。

真摯に向きあい、答えを探し続けること、そしてその先にだけ開かれる(こともある)世界。
それはきっと俳句に限らない。
こたえのないものに向きあい続けることの苦しさ。
それでもそれを続けること、それのみによって開かれる扉。
『努力はうそをつく。でも無駄にはならない』
とは、羽生さんのことばだそうです。
(さっき見かけたけれど、ソース確認できず・・・・・・)

ややネタバレ気味になりますが、自分の心情がドンピシャとはまった句を
つくることのできた明星さん。会心の一句に胸震えます。
わかるなあその気持ち。

ところが、その句
『この仲で また囲もうや うどんすき』
の、『うどんすき』は季語ではありません。さあ困った。
でもどうしてもうどんすきにしたい。
だってほんとに、みんなで食べたうどんすきがおいしくてうれしくて切なくて、
それを表現したいための句なんだから。
俺の心情は、ほかのことばでなんかありえない。絶対。
そこから、明星さんの苦闘がはじまります。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。

なにかを表現したいと言う思い。それを実現するためには、
自らの意図や意志や(ある種の)欲やエゴを捨てて、
それも捨てようとして捨てるのではなく、ひたすらみずからを捧げた結果、
その先に浮かび上がるものがある(こともある、と言う残酷)、
それは当人には意識もコントロールも出来ないものなのかもしれない、
とは、フィギュアスケート(に限らないけれど)を見つづけて
思うことではあります。

大変、こころにしみる巻でした。有間さんは本当にうまいなあ。
やさしくて強い、きびしいひとなんだと思う(モンパト教信者)。


作画の奥山さんの絵柄や構成が明快で、内容とのバランスがまたよし。
原作の有間さんは、ご自身でも俳句を読まれるとのこと。
作中にたくさん登場する句がまた、それぞれのキャラクターにあっていて、
たいへん贅沢に楽しめます。

明星さんから見ると、若くて実力もあり、人望もある
まぶしいほどのふたり
(スイさんと、さわやかイケメン(としか言いようがない)
飄々とした天才っぽい遊佐さん)
の側面がこれから掘り下げられそう。
明るい深みというさわやかさは、稀有なものかもしれません。

そして新キャラ、気が強くて強烈なんだけど、どこか不安定な美女!! 
スイさんとは別の方向の実力者・『よつゆ』さんの登場に、
椿を連想してムネアツなモンパト教信者(2回目)。

読んできてよかったです。
これから先もすごくすごく楽しみな作品のひとつ。

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俳句を読むひとは、たとえばこの花をみても
違う言葉が浮かぶのかな、なんて。

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柔らかな暑さの名残をみて思う。
(今日は30度越えの予報が出てますが。ウソデショ)


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by chico_book | 2016-10-04 03:47 | まんが | Comments(2)

まだすこしざわつく日々


すこし間が空いてしまいました。
ことしは親族関連の動きが多くて、友人知人にもあれこれありまして、
まあそういうタイミングなんだなあと思っております。

せわしなかった夏の終わりになんとか軟着陸して
しずかな秋を迎えたい。迎えられそうかな。

イタリア中部で大きな地震があったようです。ミャンマーでも。
こころから祈りを捧げます。

わたしがイタリアを旅したのは9月末。
夏の名残が秋へと入れ替わる季節、サン・マリノのホテルの
ルーフバルコニーから、誰もいないのをいいことに、
夜が明けるのをずうっと眺めていたことを思い出します。
※ホテルのリンク(2012年に改装されたとのこと)

山肌にへばりつくような山岳都市と、しずしずと続く城砦。
イタリア中部の山々をぼんやりとながめたわずか数時間は、
わたしのなかに刻まれた旅の朝のひとつ。いくつかの忘れられない朝。

シンガポールで眺めたたくさんの船が行きかう港、
バスが来なくて不安しかなかったレイキャビクのホテルの前、
早朝便に乗るため、真っ暗な午前4時の街をトランクごろごろ
転がして歩いた台北(仕込みのお粥やさんのあかりがみちしるべのよう)
早朝便欠航で思いがけず他社便ビジネスクラスに振替えとなり、
おもわずハイタッチした香港とか。
※ノースウエストの香港>成田便から、香港ドラゴン航空へ!!

イタリアの田舎をいつかのんびりとことこ旅行。あこがれ。
実現できるあても目星もまるでないけれど、それでも胸に持ちつづけています。

インターコンチネンタルみなとみらいで、ながい旅から戻った友人を迎えたこと、
行き詰ったときにベイシェラトンで迎えた朝も、みんなみんな私のなかに刻まれている。
ありがたい。いっしょにいてくれた友人には途方もない感謝を。

シン・ゴジラで、ゴジラは災害の象徴である、というように言われているようです。
実際(災害を連想して)胸に迫る場面も多かったのですが、
『風立ちぬ』冒頭の関東大震災の描写が、とんでもなく
恐ろしかったことを思い出しました。
どん! と海でなにかが起きて、猛スピードで陸地にあがってきて大地を鳴動させる。
突き上げられて浮つく家屋、波打つ屋根瓦。あれは怖かった。
ものすごく身に迫る怖さだった。
アニメの絵なのに、アニメの表現なのに、身に迫る怖ろしさでした。



怖ろしすぎるのであえてのこちら。こちらの残酷さ無慈悲さはまたべつのもの。
ゆるゆると流れてゆく絵巻物のようなうつくしさ。どこをとってもうつくしい。
そしておそろしい。
(ワタシのなかでのどこを切り取ってもうつくしい映画と言うと、
ほかには『LEON』と『ピアノ・レッスン』があります。鉄板中の鉄板)

庵野監督にそこまで思い入れはないのですが(ふつうに興味はあります)
とにかくWアンノさんがなかよしで、かつ双方が双方のクリエイションに
尊敬と愛情を持ちつづけていることがよくわかってなんだか嬉しくなりました。


庵野マイティジャックも元気みたいで安心安心。
(アンノ夫妻の飼い猫・キジトラの男の子。くわしくはコチラ
(安野モヨコさんのエッセイ『くいいじ』より)

ことしで結婚14周年……だったとは…!!

あらためておめでとうございます。

f0257756_17400525.jpg
穏やかな夏。静かな入り江、白い鳥。染まず佇むさまはなんだか夢のよう。

f0257756_17420617.jpg
夢うつつを満喫するすばらしさ。

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by chico_book | 2016-08-27 17:18 | 日々 | Comments(2)

遠い日の花火のうつくしさ

漫画家さんで、エッセイと、ストーリーものと、
両方の達人と言う方はめずらしい気がします。
(吉野朔実さんはその稀有な例かもしれません)
本や映画のレビューと言うテーマ以外の、
周囲のひとの描き方について特にそう思えます。

巻末おまけのような短いものと違い、あるていどのボリュームになる
作品は難易度があがるようです。
舌足らずになったり、過剰になったり、距離感がむつかしかったり。
あるいはエッセイの名手のかたの、創作がなんだかピリッとしなかったり
もどかしかったり。でもこれはまんがに限らないかな。

たとえば山下さんのこの作品は大変面白いのですが

数寄です! 1

山下 和美 / 集英社



『数寄屋造りの家を建てる』
と言うテーマのつよさありき、のように思います。
たぶん気遣いの方なのではないか、
ご家族やご友人についての描写に配慮あるいは
苦慮が感じられるようで、このあたりのバランスはなかなかむつかしい。

かわかみじゅんこさんは両分野に置いて、
間違いなく第一級のかたです。
どちらにおいても、独特のするっと引いた、乾いた風合い。
熱意はあるけれど湿度のないところ。
じぶんのラインを明確に持っているところ。大好きな作家さんです。

日曜日はマルシェでボンボン 3

かわかみ じゅんこ / 集英社



世界は甘くてやるせなく、ときにシビアで絶望に充ちていて総じてやさしい。
そのバランスの妙。ほんとに『絶妙』としか言えない。職人の技です。

『パリパリ伝説 9』

パリパリ伝説 9 (フィールコミックス)

かわかみ じゅんこ / 祥伝社



パリパリ伝説の新刊を迷わず購入。
ストーリーものの連載をはじめたので、こちらが不定期になり
ページ数が短い回もあるとのこと。少し残念に思いましたが、安定の面白さ。
フランス生活10年を超え(赤子ちゃんも10才に!! )
パリ市内から郊外へと引越しをしたかわかみさん。

村での生活の様子、生き生きと描かれるフランスの人々、
パートナーであるフィリップさんゆかりのかたとの交流も、
生活の地味な楽しさも豊かさも迷いも不満も、丁寧に淡々と描かれます。

いつもどおりのパリパリ。
もしかしてかわかみさんってねこっぽいのかもしれない。
この場合の「ねこっぽい」とは、
『悪いことを忘れないけれど恨まない。
常に事象に対して一定の距離を持ち淡々と充実した日々を生きている』
と言う意味合いですが。

購入するまんがのタイトルを増やさないように日々心がけているので、
しばらく悩みました。かわかみさんの新作新刊。

『中学聖日記』

中学聖日記 1 (フィールコミックス)

かわかみ じゅんこ / 祥伝社



以下アマゾンさんの紹介文。

中学生男子×担任女教師

「ぼくのこと嫌いにならないでください」

黒岩晶、14歳。
〝恋心〟を未だ知らずの中学3年生。
ここ最近、彼が目で追ってしまうのは
新担任・末永聖、25歳。
清純な雰囲気の女教師で、
遠恋中の婚約者がいるという噂。
聖へのモヤモヤが恋だと気づかずに、
ひっぱたいたり、キスを迫ったり、抱きしめたり…。
遠恋中の婚約者がいる聖は彼がアクションを起こすたびに戸惑い、
心掻き乱され、でも突き放せない。

そして夏。
聖への気持ちに自覚が芽生えた頃、
2人にとって運命の夏休みが始まるーーーー。

じれったいほどにときめく、
11歳差の純情年の差ラブストーリー。


すっかり恋とか愛とかいう気持ちと縁遠くなり、
友愛だけが大切だなあと思う、さいきんのわたし。
むしろ、
愛は消えても親切は残る、
と言う言葉がしみじみと実感できるココロの頃合いのワタクシ。
(あまり年齢で云々するべきではないのですが、どちらかと言うと
末永先生の親世代の方が近いのでむべなるかな、ということかも)
なので、こんなみずみずしいあまあましいにがくるしそうな
恋心のようなものを描いた物語にはいってゆけるのかしら、
と、不安になりながら購入。

すばらしかったです。
わたしにとって恋は既にして遠い日の花火でありますが
その美しさはいま目の前にありありと思い浮かべる頃ができる。

恋と名付けていいのかわからない感情の揺れ。とまどい。まどい。
その引き出し、開けたらあかんやつや!
わかっていても開けずにはいられない。
ふいっと指先に力を込めてしまうときの、まどい、ためらい、ふんぎり、
あらゆるこころの感触。 

遠い異国で、フランス生活で、よくこんなに鮮やかに
日本の中途半端な地方都市の、中学3年生の閉塞感や
移動手段が自転車しかないもどかしさ、
夏休みに入ったばかりの暑苦しさ、重たい湿度のある空気、
やりばのない気持ち、職員室で散らばる書類や
同級生女子の暴力的でどうしようもないコイゴコロなどなど
描けるものだなあ。心底感銘を受けました
かわかみさんのなかに、それらすべては鮮やかに
今ここにあるものとして保存されているものなのかしら。
作家さんの資質と言うものについて深々と考えてしまいました。

みずみずしく鮮やか。なんと8月に早くも第二巻が出るようです!!

中学聖日記 2 (フィールコミックス FCswing)

かわかみ じゅんこ / 祥伝社



FEEL YOUNG は、たまにこういうスマッシュヒットが出る雑誌。
(モンパト黄金世代とよびたい派)
最近は雑誌の購入はしていなかったので、嬉しい不意打ちでした。



長塚京三さんカッコよかったよな……と、懐かしさ半分の
軽い気持ちでみてみたら、
田中裕子さんのあまりの美貌にびっくり。


ところで知らないうちに完結していたこちら(5/6発売でした…トホホ)

その娘、武蔵(3)<完> (KCx)

田中 相 / 講談社



予想外に短い作品になった印象。
きりっとまとまっていることを期待していそいそと探します。いまから。

そして早くも新連載が始まっていました(既に6月のお話ですが)
第一話はこちらで読めます。面白い!!!
先の読めない設定、見たことのない世界をこんなに
クリアに目の当たりにして
ワクワクどきどきできるよろこびを存分に味わいました。

奇妙な世界の奇妙さをそのままにていねいにわかりやすく描かれる
作家さん。すごくたのしみです。
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by chico_book | 2016-07-31 11:02 | まんが | Comments(0)

妹とは言い得て妙

『いもうとは秋田犬』

いもうとは秋田犬 (LGAコミックス)

小池田マヤ / 青泉社



不思議な味わいの愛犬コミックエッセイ、なんどもなんども読みかえしています。

小池田マヤさんと言えばぎりぎりと追いつめるような激しい心理描写と
それでも最後には強くて明るい希望に満ちた作品を描く作家さんと言う印象が強いです。

あさひごはん (1)

小池田マヤ / リイド社



颯爽な家政婦さん (ジュールコミックス)

小池田 マヤ / 双葉社



生活や料理といった要素が、ときにていねいに、あるいは激しく、
一貫してこまかく丁寧に描写されて、読んでいてなんともたのしくなるのですが、
それが完全にストーリーと一体になっているあたりがとても魅力。
そして、生活とは、人生とはそういうものだという力強さ。

そんな作家さんのはじめてのコミックエッセイ。しかもペットもの。
期待していいよね? いいよね?? と、おそるおそる。

ずっとインコと暮らしていた小池田さん。
インコに何の不満も不足もなかったのに、あるとき不意に
「もうすこし手ごたえのあるいきものと一緒に暮らしたい」
と思うようになります。
(具体的なきっかけは、作中で説明されています)

それでも
40代・都会のマンションでのひとり暮らし・生活の不規則な職業(漫画家)・
わんこ初心者と、ハードルらしいものはあります。たくさん。
それらにひとつずつ向きあって、真摯に答えを出す小池田さん。

自分はどういうふうに、いきものと暮らしたいのか。

たとえば子犬は、たしかにかわいいけれど、
きちんとしつけをきちんとすることができるかしら、とか、
お友達のうちで出会ったパピヨンの小ささに不安を感じてみたり。

そんな中で犬先輩でもある友人(昔なじみにはうれしいジャーマネうかいタン!!)の
勧めもあって、保護犬を選択肢に入れます。
そして、ネットの保護犬サイトで出会うのが、
秋田犬(にしては小柄な『25キロ』)の南ちゃん。
九州の保健所からはるばるやってきた、南から来た南ちゃん。

多くの保護団体と同じく、条件面でお迎えするハードルはなかなか高いのですが、
愛情と情熱、そして熱心さと努力で、ここでもひとつずつ問題をクリアしてゆく小池田さん。
じっくり読む味わいのある本です。

うちの子かわいい♪ ネタもたっぷりあるのに、それだけではない。
保健所から引き出された、つまり一度は瀬戸際にいた南ちゃんのことを
描写するのに、過剰なせつなさはない。

淡々と、でも静かにふつふつと湧く愛情、静かにみちるよろこび。
とてもよくわかります。
ただ静かに、そして本当に毎日染み出すような
枯れない泉のような喜びに充ちているということ。

モルモットをかわいがっていたワタクシ、モルに何の不満も不足もなかった。
でもねこはまるで違う、いまでもモルは大好き。

モルたちの、人間とまるで違う時空を生きている孤高の感じ。
寿命の短い動物特有の、悟りきったような気高さ、
遠さ、彼らの持っている達観のようなもの。

でもねこはそうではない。まるでちがう。
同じ地平にいて、それでも違う次元に生きている。
でもなんと、ひとのこころのすみずみにまでぴたりと隙間なく寄り添うことか。

モルと猫の共存は、あまり現実的ではないのですが、
いまでもできることならどちらとも一緒にいたい。

このあたり、
インコと秋田犬と一緒に暮らす小池田さんの気持ちに通じるのかしら、
なんて想像しつつ。

ちなみに作者が「猫でなく犬」を選んだ理由に、ねこ好きとしては爆笑。
『猫とは距離感がわからなくて』
!!! たしかに!!
小池田先生の描く男性キャラって確かに大型犬ぽい!! 
マフマフわんこっぽい!! ぽいぽい!!

聖☆高校生(11) (ヤングキングコミックス)

小池田マヤ / 少年画報社



…すぎなレボリューション (8) (ワイドKCキス)

小池田 マヤ / 講談社



このあたりが顕著かな。

作中には、たくさんの保護犬さんが登場します。
その多くは、は家族を見つけて自分のおうちで
しあわせにくらしているわんこさんたち。

なにかと苛酷な話の多い保護犬界隈ですが、
爆発するような大輪のものでなくても、しずかにいっしょにいる喜びを
かみしめることの字義どおりの有難さ困難さ尊さ、
そして何よりうれしさを伝えてくれる作品です。
興味のあるかたはぜひぜひ☆

表情豊かに描かれる南ちゃん。
それを読み取り、絵に描く小池田さんのヨロコビが
伝わってくるような作品です。そうだね、それこそが愛だ。

ワタシも、描写してもしてもしきれないほど
ちこは素晴らしく美しくかわいく賢い、って確信しているもの!(断言)

続刊がいまからたのしみです。とてもたのしみ。
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by chico_book | 2016-07-26 01:34 | まんが | Comments(0)

おしゃべりはいろいろとにかくパーフェクト

ねこ友宅のねこに会いに行く。

15歳以上20歳未満、しかしますますあどけなさ増すにゃん王子と、
じつはちこより年下疑惑(と言うよりちこの年齢が勝手に更新されたのですが)の、
生まれついての無邪気にゃん王子のおふたりの、ご機嫌を伺いに。
参勤交代の様に、定期的におめもじさせていただいております。

もうずっと知っている猫ちゃんたちに、また会える、
変わらずあうことのできるありがたさ。存分に満喫。

ねこの持病のこと、ねこ互助会の在り方やバックアップ体制、
通っている病院の先生の情報交換、治療方針やサプリメント、
夏のおする番でのエアコンをどうするかなどなど、
ねこ情報をひとしきり。
なんでも話せる、そしてやんわりぴしゃりと言ってくれる
友人のありがたさ尊さ。

『姫ばっばなんて言っちゃだめだよ』

しっかりきっちり怒られる。

『女の子なのに、あんなにかわいいおんなのこなのにひどいよ

はい。そうだね。軽口軽はずみすぎました。反省、いやいや猛省。

『きっとちこにゃんもショックだよ、心のなかで』

そうだね。春樹さんも
『冗談でも自分をおばさんなんて自称しては駄目だ』
と言う意味のことを言ってましたね。反省。
きちんと好きだよ、大切だよ、綺麗だよかわいいねって言わないとね。
まるで昭和おっちゃんのように。自分に言い聞かせる。
(いやまあしょっちゅう言っておりますけど)



おまじないのように口ずさむ歌。

それからドラマ『重版出来!』の話をする。いかに面白かったか、
数字とれてないなんて言われてるなんて許せない、
そういう問題じゃないよね、そういう作品じゃないよね、
ボックス欲しい、どうしよう、なんて話。

沼田さんは幸福だったのかしら。
きっと中田伯が自分の作品を読み取ってくれたことで
赦された気持ちになったのかな、とか。

もういい、ここまで来れた、もう充分だ、
若くて美しくて圧倒的な才能が自分をゆうゆうと追い越してゆくさまを
鮮やかに描写したシーンは、『ヒカルの碁』にもあったわね。
そうだね、でもあの時ヒカル(ほんとは佐為)にこてんぱんにやっつけられた人は、
じぶんの碁を練りなおして、もう一回チャレンジしなおすんだよね。

ヒカルの碁 16 (ジャンプコミックスDIGITAL)

ほったゆみ / 集英社




沼さんは許されたかったのかもしれないね。もういいよ充分だよってだれかに。
それをしたのが中田伯なのかなあ。うつくしい執行人ってやつですね。
よかね。よかね。また無自覚なところがね。

クリエイターは、出しても出しても、どんなに空になっても、
自分の中のその穴を、あるいは泉を、井戸を掘り続けなくてはいかんのですよ。
沼さんはそれがもう辛かったんだねきっと。いやそれは辛いよね。
いや辛そうだわそれ・・・・・・。

才能があるかないかなんて、そんなことは自分ではわからないものなのね、
うん。出来ることは真摯に打ち込むだけ。じぶんのすべてを出し切るだけ。
それをジャッジするのは、自分にだけはできない。
謙虚になるというのはそういうことなのね、なんてことを、
ねこを撫でながらゆっくり話す。

だから『ベル・エポック』の、あのひとは編集者として優秀だったんだね。

ベル・エポック 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)

逢坂みえこ / 集英社



『ひとのつくった物語を 読むことはできる 
どこをどう直せばもっと良くなるのかわかる
わたしは編集に向いている
だからこそわかる
わたしは物語を書くことができない
わたしには才能がない』

主人公ではなく、登場人物のひとりのモノローグなのですが、
忘れられない文章(正確ではありません)

まんがの世界の話を、創作の世界を、旧知の友人のように語る。
そんなリアルな友人がいて、よかった。

おやつは私は持参した佐藤錦。
『サードガール』
の夜梨ちゃんが
『シーズンみじかいんだから』
と言っていた宝石に似たたべもの。

サードガール 4 (キングシリーズ)

西村 しのぶ / 小池書院



残酷な話ですねえ。
いやまあ生きることは残酷ですよ、基本的には。
どのみち。ですねえ。そうやね。

そんなあれやこれやを、たっぷり話した帰り道。
デトックス充分でやや放心気味のワタクシ。
バスで隣にお座りになったマダムが、とつぜん話しかけてきました
(よくあることです)

「わたしね、この前ね、娘とハワイに行ったのよ」

あら素敵。

「おととし姑がなくなりましてね、98才ですよ、大往生なのよ。
施設に入ってからは結構落ちついていたんですけどね、
とは言ってもいつどうなるかわからないでしょ?
だからなかなか旅行にも行けなかったの」

そうですねえ。おつかれさまでございました。

「そうしたらこんどは主人が病気になってね。
半年ほど入院して、もうね、もともと声の大きいひとなんですけど、
みるみるわがままになっていって」

おおそれはそれは大変でしたね。

「それもね、去年ようやく片付きましてね。
ああ、これでひと段落だわー、ヴェネツィアにいきたいわあって
思いましたら、娘がね、お母さんヨーロッパは危ないよ、
お母さんの知っているころのヨーロッパじゃないよ、っていうんですよ」

古きよきヨオロッパってことでしょうか。
このあたりから、どんな展開になるのかなとワクワクしはじめる、
物見高いワタクシ。

「でもね、いまは羽田から行けますよね?
私、成田からしか行ったことないのだけれど、羽田なら楽じゃないですか。
もう使ってみたくて使ってみたくて。主人は、銀行に勤めていましたでしょ」

そうなんですね。

「だからね、主人の出張先だったから、
シンガポールとかドイツとかは馴染みがあるのよ。
帰ってくるたんびに、わたしにも、いいところだったから
こんど一緒に行こういっしょに行こうと、毎回言ってたんですけど、
結局行けずじまいなんですよ。お留守番ばかり。
だからもうわたし悔しくって」

なるほどなるほど。チャンスなんですね、つまり。

「ハワイなんて縁も興味もなかったんですよ。
でもね、娘が久しぶりのリハビリ旅行なんだからハワイがいいわ、
ハワイなら私が案内してあげるっていうのよ」

それは心強いですよねきっと。
きっかけってそういうものなのかも。

「そうしたらあなたびっくりしましたよ。
すごくいいホテルのツアーをみつけて、
『おかあさん、予約しといたからこの日までに払っといてね』
っていうんですよ!! わたしね、ただのお財布なの。
いやになっちゃったのよ」

でもハワイはみなさんたのしい楽しいっておっしゃるし、
ホテルもピンキリだから娘さんも一生懸命選んだんですよねきっと。
旅先は、不安がないのが、いちばんですから。

「ええもう、ゴルフ場が広くて気持ちよくて楽しかったわ、
日焼けするからふたりでしっかりガードして、
バイザーもアームカバーもつけてたんですけどね、
ほかの二人組のかたと一緒にまわることになったのよ」

相席みたいな感じってことですか?(←ゴルフ未経験)

「そうそう。そうしたら、その一緒にまわる方がね、
ものすごいイケメンふたりで、びっくりしちゃったわ。
カートを運転してくれるし、乗り降りの時に手を取ってくださって…」

マダムうっとり。それは得難い経験ですね。

「あわててバイザーもアームカバーも外したわよ。
だって、もったいないじゃない。ねえ??」

ばくしょうしちゃった。バスのなかなのに。
わたしこういう時突然大声になっちゃいます。
直したい癖ではあります。

「それでね、ゴルフ場の帰り道に娘とけんかしたんですよ。
あのメンズがやさしくしてくれたのは、わたしと娘と、
どっちの為かってことでね、娘も譲らないのね」

オララー(フランス語)

「先に手を取ったのは私なのよ、だから私よ、と言いましたらね、
鼻で笑って
『ああ、敬老精神ね』
なんて言うんですよ!!
ほんとに嫌な子だわー。わたしのお金で来てる旅行なのに」

あはは、そこで出ますかそれ。
でも、きっと、娘さんが一緒で心強かったのでは?

「そうねえ、そうかもしれないわねえ。
次はいっしょにオクトーバーフェストに行くんですよ」

たのしいマダム、元気なマダム。面白い話をありがとう。
なかよし母娘の話を聞くのが辛い時期もありました。
いまはもう大丈夫かな。むしろ興味津々で伺うことができました。

わたし自身にとっても、季節は廻っているのだなあ、などと思う。
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by chico_book | 2016-06-27 00:54 | 日々 | Comments(2)


ねことか本とかまんがとか、と言いつつ映画にじわじわ圧される幸福


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