年をとることのすばらしさ

うちの玄関にずうっと飾ってある絵本。

ポテト・スープが大好きな猫

T. ファリッシュ / 講談社


※文庫版もあるようですが、ほぼ正方形に近い単行本サイズのをぜひ。

船のへさきに凛々しく立つ猫と、後ろに控えるおじいさん。

こんな私ですが(こんな私なので)
猫グッズやアイテムは、なるたけ買わないようにしています。
あまり成功しているとはいえない努力ですが(涙)
だってきりがないし。

そんなわけで、しばらく購入をためらうも、
結局迷ってるのがまだるっこしくなって買ってしまうことが多いです。
特に本に関しては、他に道楽も(そんなに)ないので、まあいっか、と言う。

おじいさんといっしょにくらす、おばあさん猫の話。
是非読んでいただきたいので、詳細は省きますが、
ふたりは(あえてひとりと一匹でなく、ふたり)ともにお互いを尊重しあって、
大切にして、お互いにとって居心地のよい生活空間をつくっていたのですが、
些細な、本当に些細なことがきっかけで、ちょっとその関係にひびが入ってしまいます。

そのときのねこの反応。おじいさんの対応。
ねこはただ静かに怒ります。そして、その怒りをきちんと伝えるのです。
自分がどんなに驚いて、悲しかったか。
おじいさんも、思いやりからした行動だとは言え、
猫に対して反省したことをつたえます。
相手を大事にする、思いやると言うことを、温かく静かに描いている作品です。

ちなみにあとがきによると、
原文では『オレンジ色のねこ』となっているようですが、たぶんこれって
いわゆる『チャトラ』さんになるのかしらと思います。

こんなかんじ?
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写真はアイスランドはレイキャビクのねこさん。
たぶん民家園みたいな場所、「アウイバイル野外民族博物館」にて。
いろんな時代のアイスランドの民家を集めて移築してる場所。
すばらしく人がいなくて、ぼおっとするには最適な場所でした。
旅先の素敵な場所には、自分の心の何かを少しずつ置いてきている気がします。
迷惑な話でしょうが。

ちなみにこのおうちにいました。
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最初は本当に生きている猫がいると思わずに、ぬいぐるみかあるいは毛糸だまかなにか? 
と思ったんですね。
農家を移築したものなので、こんなふうにつむいだ羊毛が、
あちこちに無造作に置いてあるんです。
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人が出入りする場所だけど、熟睡しています。
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しろ手袋を見せてくれました。ここで、あ、いきてるねこさんだ! と思った次第。
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思わずマクロで遊んだり。ごめんね。でも起きなかったね。
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この子もおばあちゃんかな。根拠はないけど。
年をとった猫の、静かで荘厳なまでの威厳と親しさと
大切さがしみじみと心に染み渡る一冊です。

出来れば私も、ちことそんなふうに寄り添って
関係を育てて生きて行ければ、とも思います。
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by chico_book | 2013-03-31 21:58 | | Comments(15)

Commented by chico_book at 2013-03-31 22:49
と言うわけで、猫好き以外にも薦められる本だと思うんだけど、どうかしら。やっぱり猫好きしか手を出さない本かもしれませんね。しょうがないこととはいえ、少しもったいないような気もします。
Commented by marikotto at 2013-04-01 12:27 x
こんにちは、ちこぼんさん。
次々と読みたくなる本が紹介されて、どれも読みたくなりますが、
欲しくて購入すると、ちょっとの間、積ん読になりそうなので少しづつ読んで見ます。
オレンジ色猫って、茶トラでも赤っぽさがオレンジ色の猫と呼ばれる所以でしょうね。
アイスランドへいらしたのですか?凄いです。
そこでも矢っ張りニャンコちゃんに目が行くのね。(笑)


Commented by marikotto at 2013-04-01 12:43 x
あらあら~~送信できてしまいました!(笑)
今度は大丈夫かな?
これからは、折々にコメントさせて下さいね。
では、また~。
Commented by チャトラ at 2013-04-01 20:51 x
チコぼんさんこんばんは(^-^)

とっても猫好きをくすぐる表紙ですね〜。
(^o^) ♪

凛々しい猫さんが可愛い♪
ぜひ読んでみたいです。
日々忙しくたまに本屋さんに行けると一時間なんてあっとゆ〜まで( ̄O ̄;) (笑)

もうチャトラの小さな脳みそにインプット
しましたので(笑)
読んでみますね〜(o^^o)



本当は図書館とかで一日ゆっくりいろんな
本に出会いたいのですが(⌒-⌒; )
Commented by ちこぼん at 2013-04-02 02:25 x
marikottoさん

ようこそいらっしゃいませ!!
marikottoさんちの猫ちゃんたちは元気ですか? 今日も元気にお出迎えなのかな。勝手に想像してはにまにましています(変態みたいだ・・・)

基本のんびりボツボツやってますので、
よろしければよろしくおねがいしますね☆

私は自分でもちょっと呆れるレベルの本読みなので
(積読もそこそこあります…(汗)
↑と言うことは読んでないから、
本読みと言うよりは本好きかしら)
marikottoさんの理性的な発言にうっとりです。
これからも本の紹介はぽつぽつやってゆくつもりなので、
呆れずにお付き合いいただければと思います(照)

村上春樹氏翻訳ということもあり、図書館などでも見つけやすいようです。タイミングがあいましたらぜひ。

私は猫と暮らすのは、ちこがはじめてなんですが、
おんなの子の猫らしい性格ってあるみたいだなあと思います。
とにかくえらそう。しれっとしてる、とか(笑)。
他の子を知らないので思い込みかもしれませんが。
そういう意味でも、『おばあさん猫』の気の強さとか
親密さとかかわいらしさが出ていてすばらしい作品です。
Commented by ちこぼん at 2013-04-02 02:34 x
そうそう、アイスランドでは結構猫ちゃんを見たんですよね。ひとがそんなに多くない場所なので、うれしかったなあ。やっぱり毛がふかふかでした!
函館に行ったときに見かけた猫ちゃんも、ありえないくらいのもっふもふで
「なでるにゃ!」
とおなかをみせてくれましたことよ。うれしかったなあ・・・(しみじみ)。
どこでも猫ちゃんを見ると話しかけずにおれません(笑)これはでもたぶん、みなさんそうですよね。ねっねっ。
Commented by ちこぼん at 2013-04-02 02:46 x
チャトラさーんこんばんは! コメントありがとうございます。

そう! まさにチャトラちゃんなんですよね>オレンジキャット
翻訳者の村上春樹氏も、あとがきで書いておられますが、
絵ではかなり『オレンジ色』のねこが描かれています。
そこがまた、温かみがあってよいのですが。
なでると、お年より猫特有の、ちょっと毛がかさっとして
背中がごつごつしたかんじすら伝わってきそう。
それだけで、おじいさんとこの猫が過ごした時間が想像できてしまって泣いてしまいそうです。早。

チャトラの猫ちゃんは、男の子のほうが比較的数が多いそうですね。うちのちこにゃは男女ともによくいる柄の(ウフ)キジ白ちゃんなので、そういうのってなんだか神秘的でわくわくします。

テキサスの田舎で、おじいさんとねこが静かに暮らしているお話です。私の夢は正直『隠居』なので、この上なくあこがれる世界です。隠居してのんびり猫と、好きな本読んで暮らしたいなあ・・・と言う。ナマケモノの発言ですね。テヘ☆
Commented by ノエルママ at 2013-04-02 22:39 x
ご無沙汰しております。ミッチロママさまの所で交流させていただきましてありがとうございました。

私も思い起こせば小学校の図書室で夕闇迫るまで本を読み、帰り道もランドセルを背負い歩きながら読み、また家でも読み、なんて事をしていました。しかしすっかりこのごろは本から遠のき気味。それでもご紹介いただいたら無性に読みたくなりました。癖がありそうで手に取らなかった町田康さんの猫にかまけて。
観察眼の細やかさに、そうそう、あるある。の連続。大事なことってなんだろう、と考え直したくもなりました。

ご存知かもしれませんが、良かったら私からはレバノンのカリールジブランの詩の紹介。

子供の人格を尊重せよとという内容ですが、一緒に生活している猫にだって当てはまる気がします。町田康さんはそんな風に接していらっしゃるように思えました。

Commented by ノエルママ at 2013-04-02 22:42 x
子どもについて(詩集 預言者より)

赤ん坊を抱いたひとりの女が言った。
どうぞ子どもたちの話をして下さい。
それで彼は言った。

あなたがたの子どもたちは
あなたがたのものではない。
彼らは生命そのものの
あこがれの息子や娘である。
彼らはあなたがたを通して生まれてくるけれども
あなたがたから生じたものではない、
彼らはあなたがたと共にあるけれども
あなたがたの所有物ではない。

あなたがたは彼らに愛情を与えうるが、
あなたがたの考えを与えることはできない、
なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから。
あなたがたは彼らのからだを宿すことはできるが
彼らの魂を宿すことはできない、
なぜなら彼らの魂は明日の家に住んでおり、
あなたがたはその家を夢にさえ訪れられないから。
あなたがたは彼らのようになろうと努めうるが、
彼らに自分のようにならせようとしてはならない。
なぜなら生命はうしろへ退くことはなく
いつまでも昨日のところに
うろうろ ぐずぐず してはいないのだ。

あなたがたは弓のようなもの、
その弓からあなたがたの子どもたちは
生きた矢のように射られて 前へ放たれる。
Commented by やぶしう at 2013-04-02 23:44 x
おおー、オレンジ猫。最近はオレンジの猫というとふちゃぎを思い出します。そんなに動画とか見たわけじゃないけど、なんでだろ。余談ながら英語ネイティブからすると唐揚げの衣などもオレンジらしいですが。

写真もすごくいいね。リコーも頑張ってると思うけど、アイスランドの空気みたいなのもあるのかな。色彩とか空の感じとか。

ノエルママさんご紹介の詩もよいですね。気をつけとこう
Commented by きよりん at 2013-04-03 11:23 x
この本素敵ですねー早速本屋行って購入しましたよ!読んでて、大きく頷いたり顔がにやけながら読んじゃいました(^ー^)素敵な本に出会えて嬉しい!
町田康さんのも、また見ます! 本屋に行って素敵な本に出会えた時って最高の至福なんですー猫に関する本とかグッズも切りがないので凄く気に入った物だけ購入してます!余生は猫と好きな本に囲まれてたら幸せだわ~
ののちゃん通じて出逢った素敵なご縁に感謝です♪
Commented by ちこぼん at 2013-04-03 23:19 x
ノエルママさん、コメントありがとうございます!!
ようこそようこそ☆本当にうれしいです。

私も、こどものころ学校に行っているというよりは図書館に行っていたんじゃないかという生活でした。実は小学校の6年間ずうっと、教会の日曜学校に通っていたのですが、それも『子ども文庫』めあてだっという・・・。ランドセルを担いで、本を読みながら歩いて帰るのも毎日のことでした。ほんと、中毒ですよね、まさに。
母親はスポーツをする子にしたかったようで、『いいから外で遊んできなさい!』と追い出されても、結局公園で本を読んでいると言う・・・・・・。結構あぶなっかしいレベルの耽溺ぶりですね、こうしてみると。母親の心配もむべなるかな、と今更思ってみたりして。

須賀敦子さんが著作の中で母親に『本を読むのはいいけれど、そんなふうに本に読まれるのはみっともない』と言われた、と言う主旨の事を書かれていて、非常に胸に染みました。
Commented by ちこぼん at 2013-04-03 23:26 x
(続きました)
町田康さんの著作は、他の本はかなりくせがあると言うか、人を選ぶところがあるのですが、猫関連の本は淡々と描写していて、静かに深く届くように思います。きっかけになることが出来て、とてもよろこんでいます。

距離を置いて、しっかり受け止めているかんじ。尊重している、と言う表現でいいのかしら。
とにかく、おろそかにしない、見逃さず、小さなことも大きなこともすべて同じように、ひとしく愛しているその視線は作家の観察眼と言うものなのだなあと思います。

そしてすばらしい詩をありがとうございます。全く存じませんでした。本当に、宝物のような詩ですね。何度も繰り返しています。所有物ではない。刻み込むように読んでいます。
Commented by ちこぼん at 2013-04-03 23:54 x
やぶにいさーん! そうなのよ。すごいでしょ、これ。
リコーはアイスランドではものすごくいい仕事しましたよ!もうね、何も考えずパシャパシャやってこれですよ、コレコレ!!
この素直な色。これがなぜ国内では出なかったのか、不思議で不思議で。見返してみたら、結構よい写真(個人の判断です)があるので、拾って行こうかなとか思います。
にしても光の粒がきらきらしてる、空気が輝いてるのが分かるような写真ですね。この旅行のとき、すごく日焼けしてみんなに笑われたのですが、むべなるかな。

ふちゃぎはまた、ちょっと不思議なくらいかわいい猫ですよね。エリちゃんもかわいいけれど、きりっとしてるので美人さんと言うかんじ。ふちゃぎは甘すぎずきつすぎずと言う絶妙なねこさんだと思います。いそうでいないよね。しかも『オレンジ色』度が高いねこだし。某所で読んだ『茶色の猫は、巨大化する傾向にあります』と言う一言が忘れられない。うちのしろきじさんも、そこそこいいかんじにどっしりしております。すばらしい安定感。ラヴ。
Commented by ちこぼん at 2013-04-04 00:03 x
きよりんさん! 購入されたとの事、申し訳ないけれどうれしいです。ありがとうございます♪ でも矛盾しているようですが、いいでしょこれ。特にクライマックスの猫の態度と、おじいさんの受け止め方、それからそのあとの展開が。
おばあさん猫って、絶妙に気難しくって頑固で意地っ張りで、でも自分の思いにはものすごく素直で、たまらないかわいらしさと言うよりもいとしさがあると思います。正直、昔は『なんだかんだ言っても子猫のかわいらしさは最高」と思っておりましたが、いやはや。長いこと一緒に過ごしてきた大人猫のすばらしさ、心のひだひだにしっとりと寄り添うようないとおしさときたらかけがえがありませんはやいとこ隠居して、図書館通いをしつつも近所から『ねこおばさん』とか言われてみたいものです。マイドリーム!!
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