推し量りきれない

姉の結婚 5 (フラワーコミックス)

西 炯子 / 小学館



先が読めないのは時としてほめ言葉ではありますが、
迷走していると言う場合にも使われます。ううむ。

娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)

西 炯子 / 小学館


『娚の一生』
でプチブレイク以上大ブレイク以下のブレイクを起こした西炯子の最新刊。

正直、4巻でもうやめとこうかなぁと思いました。
前作と同じ、
仕事は出来るが恋愛に不器用なアラサーもしくはアラフォーとかのヒロインに
インテリでストーカー気質のいわば『一途な純愛』を捧げる男性と言う配置。
※ちなみに前作は哲学の(!)大学教授で、今回は精神科医
ヒロインの周りに対照として配置される『甘え上手なかわいい女子』の構図とか。
ううーん、どうなんだ、コレ、と思いつつ読みすすめる。

ストーリーの大枠の大きな流れでみせると言うよりは、細かい感情の機微を拾い上げて
モザイクみたいに構成していくのが大切な作品なんだろう、
読みどころはそこなんだろう、とも思いつつも、
二作連続でこのパターンだとどうかなぁ。
ちょっと昔の恋愛ドラマみたいで、どうにも乗り切れませんでした。
(基本大河ドラマとアメリカのドラマしか見ないので、よくわかんないけど。ちょっとどころでなく昔かもしれない)

じゃあ何故買ってるの、と言うと、作者とほぼ同世代で(あ)、
デビューのころの痛々しいほど繊細な作風から知っているので、
そのあとしばらく辛そうな時期もあったことも知っているので
(このあたりは『学生と恥』に詳しいのですが・・・現在は絶版なのかな。

学生と恥 (上) (小学館キャンバス文庫特別版)

西 炯子 / 小学館


でもそれでいいと思う。それほどに痛々しい記録でした)
なんというか、クラスメイトを見守るような気持ちかな。
・・・と、ここまで書いて、これ私が以前岡村靖幸について言ってたことと
ほぼ同じ内容であることに気づく。自分で。
ファンってはた迷惑なことを言い出すもんですね。い、いろいろすみません。

ただ5巻は持ち直した感があり。
中学生のころからの想い人と再会して、想定外に不倫の関係になり、
そこから逃れる為に、知り合いから紹介された相手のプロポーズを受けようと決意して、
その結果うまく行かず。。。と言う展開。
ヒロインの揺れる心を、揺れるままに4巻までの物語が流れてました。

5巻では、終わった関係(終わらせた関係)の不倫相手と仕事上で再会し、
ふたりとも心を相手に残したまま、それでも淡々と仕事や日常を過ごしてゆく姿が描かれます。
辛くないわけではない。けれどそれで立ち止まることももうない。
仕事と私生活と。どちらも満点ではない
(仕事はばつぐんに出来る人間ですけど、基本の職種が『地方図書館の司書』。
ただ、県の文化プロジェクトに参加してメディアとやりとりしたり、優秀な文芸評論を書いてたりするので、
それなりに華やか。このそれなり具合は確かにうまいところに落としていると思う)

なんというか。。。
ここまできてはじめて、作者の描きたかった境地が見えたような気がします。
逆に言えば、うがった見方ですが、
最初からこのステージ、と言うわけにはいかなかったのかしら、と言う。
疑問とも提案とも安堵とも歯がゆさとも、なんともつかない気持ちが。

正直言って、いきなりこの位置の話からスタートすると言うやり方が
面白いんじゃないかと思うのですが。
もちろん作品の中でエピソードを積み重ねるほうが説得力あるし、
その時間で読み手の気持ちも育っていくと言うことがあるんでしょうけど。
でもいきなりこの位置から出して、回想などを入れて
重層的にエピソードを重ねるほうが(かるく)迷彩もかかって
主人公の心情にひだによりそうに、複雑にわけいるように
読み込めて面白いんじゃないかな、と思った次第。

と言うか、西先生のそういう読み手をがっしがっしゆすぶってくるような
演出が見たかったなぁと言う個人の感想です。
つくづくファンってやつははた迷惑な存在。
まあ、作者の意図が分からないんで、すっごくとんちきな意見かもしれのですが。。

あとはヒロインがアラフォーにどうしても見えないところがやや惜しい。
確かにぴちぴちきゃぴきゃぴ感はないけど
(もしかしてきゃぴきゃぴって死語ですかそうですか)
おちついて大人の女性に見えるけど、いかんせん体型に崩れがなさすぎる!
きれいでナイスバディで、過不足なくみえる。としかみえない。
しかも無頓着設定なので、余計に違和感が。
※オシャレにおいてはオンチ描写がちゃんとあるのです。
そういう匙加減でかまわないので、さらっと入れていただけるといいと思うの。

いちゃもんじゃないですよ。と、本人は思っていますよ。
絵柄として、ヒロインを老けさせるのが厳しいのかもしれない、、
というのはわかるのですが。
老眼とかそういうエピを入れてあるので、ヒロインが恋人と過ごす時間において、
自分の肉体に対する多少の葛藤描写なりなんなりがあってもいいと思う。

ちょっときびしいかな。
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by chico_book | 2013-05-12 01:01 | まんが | Comments(0)

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