上野の秋はみっちり系

雨がしっかり空気を冷やす季節になりました。
こんな季節の休日に家にいられるのは幸せのひとつ、と言う引きこもり精神。

そして毎年ですが9-12月くらいまでの美術館と映画館の『猛攻』と呼びたいほどの
イベントラッシュは、あれはいったいなんなんだ。
毎年いいなぁ…と思いつつ見逃しがちなのですが、今年はやや積極的。
そういうめぐり合わせの年なんでしょう。

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この方はいつでもこんなかんじ。

と言うわけで上野美術館連続お出かけしてきました。はしごというむちゃぶり。
しかしちこさんがなんと言おうと、呆れられようと、日にちがないのでまあしょうがない。

まずはこちら。仏頭展@東京芸大美術館。
数年前に大人気だった阿修羅展(なんと東京+福岡累計190万人の動員だったそうです)の
記憶が強すぎるため、混んでませんようにと、おずおずとお出かけ。
実際にはそんなでもありませんでした。ざわざわとほどよいかんじ。
※ちなみに『興福寺 阿修羅像』というとこれ。やっぱりまんが。
(手元にあるのはぶーけコミックス版をですが、画像が出なかったのでこちらで)

光の回廊 〔文庫〕 (小学館文庫 きF 1)

清原 なつの / 小学館



東京芸大美術館はこぢんまりした印象。ちかくに国立西洋美術館と言う大箱があるせいかも。
それでも上野駅からとことこと、公園を抜けてゆくかんじは好き。
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平屋のスタバ。いつも大にぎわい。

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午後の陽ざしがやさしい。しかし九州育ちの私は14時過ぎにはすでに『夕方みたい』な
関東の秋冬に違和感。ずいぶん慣れてはきてますが、なんていうか、
「ええ、もう? 早過ぎない? いや知ってるけどさ」
と愚痴りたくなる。往生際の悪いことよ。

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一度だけ木曜コンサート(芸大の学生さんによるミニコンサート。無料)に来た事のある
『旧東京音楽学校奏楽堂』が閉館中でした。
※正確には「平成25年4月1日より、建物保全のため休館(期間未定)
軽いショック。甘えた考え方だけど、こういう昔からあるものってなくならないような気がしていたので。
※木曜コンサート自体は『台東区生涯学習センター』で継続している様子、

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黒田記念館の脇になんと上島珈琲店が!(写真左の煉瓦に建物がそう)
でも公園の外れだし、パークサイドカフェとスタバはいつも激混み長蛇の列なので、
選択肢が増えるのはありがたい。
信号手前の皆さんは写生中。うーん上野やねぇ。

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芸大の塀と言うか柵というか。こういうの好き。でも由来は存じません。

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敷地内の煉瓦? 敷石? 木? とにかく地面。オランダでもイタリアでもやたらと地面(路面?)の写真を撮りました。

まず2階は『板彫十二神将』と、経典の展示。

※※以下公式サイトより※※
ヒノキのわずか厚さ3センチ前後の板を彫り、表情豊かでたくましく、躍動感のある神将たちの姿を見事に描き出しています
※※抜粋終わり※※

ふつうにお寺で拝観した場合にはありえないような距離や角度で見られるのが、
こういう展示のうれしいところ。
ちなみに私の出身地・大分県の国東半島は磨崖仏がやたらにある土地柄。
(磨崖仏:岩肌に直接彫られてる仏像のこと。
バーミヤンの石仏のちっちゃい版みたいなもの、といえばわかりやすいでしょうか)
直接岩に彫ってあるので、動かしたり保護したりが難しい例が多く、
自然に風化して土にかえりまくってます。
田んぼのそばの大きな石をよくよくみるとうっすらほとけさまが、みたいな。
当時はそれが当たり前の光景で、なーんとも思っていませんでしたが
なんとなくこの世のものではないような話ですね。いまでもあるのかな。
 その記憶もあってか、素材は違えどレリーフ状の上の仏様にはなんとはない親近感が。
もちろん十二神将なので、おだやかではなく、皆様荒ぶりまくってますけども。
激しい動きを切り取って、板の上に再現されている。
やり直しのきかない薄い板に彫りつけてゆく仏師に思いをはせ、
いい具合に見る側のテンションもあったまります。

経典の版木がみられたのもよかったです。
こういう古文書(といっていいのやら)を見る度に『きれいな字』と言うのは、
ひとつひとつの個性が際立ってるものではないのだなあと思います。
全体的には、丸みをおびた正方形にイメージが近い。
まろやかでやさしげで、でもはかなくはなくしっかりしている。
そして仏教経典の版木がみられたのがたいそう嬉しかったです。
結局活字が好きなのかな。闇雲に。大きな木の板に、経典が彫りつけられている訳です。
縦17字×横210行程度。その大きさとか、一字一字へこめる気持ちとか、
墨を載せ紙をあてるその行為のひとつひとつに、胸が熱くなります。

そんな感じでメイン展示の3階に上がったのですが、圧巻でした。
平安時代につくられ、500年近く行方不明で、昭和初期に発見されたと言う
薬師如来の頭部を囲むように並ぶ十二神将像

配置と照明が実に見事。それぞれに迫力満点に仏様を守ろうと猛る十二神将。
前から後ろから存分に見ることができます。
しかも台の上からこちらに剣を振りおろしつかみかかってくるようでもある演出。
全体の照明も暗すぎない程度に落としてあって、広々としたお寺の本堂を連想しました。
そして照明がつくる像の影が天井に反映して、像が自在に飛びまわっているような躍動感。
面白かったです。
そして何より、その大迫力と裏腹の、髻についている『干支』のかわいらしさときたら!!
ニワトリの猛々しさと、牛のかわいらしさはリンク先の写真でもわかるかな。
たぶんうさぎさんは耳が折れていたような気がする。これ全部木彫りなんですよ。すごいなぁ。

 ちなみにこちらは興福寺中金堂の再建企画の一端でもあるようす。
賛同される方ぜひぜひよろしくね、なご案内も、完成予想VTRもありました。
ご寄付の(ご寄進でいいんだっけ)おすすめですね。ああ、そういうこと、と納得。
阿修羅展以降の攻めの姿勢の理由はここだったのかしら、なんて。
でもこういうアプローチ充分にありだと思う。

この後ミケランジェロ展にも行きましたが、長くなりましたのであらためて。
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by chico_book | 2013-11-04 17:20 | 日々 | Comments(0)

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