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上野でひっそりした秋満喫

ミケランジェロ展へ続く、などと言ってしまいましたが
実は『ミケランジェロ展』あまりコメントすることがないのです。なんてこった。ううむ。

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ポスターにもなっている15歳のときの作品『階段の聖母』と
89歳で製作した遺作の『キリストの磔刑』
のほかはデッサン中心。

いわば目玉となる大作がない展示ですが、そのぶんデッサンをこれでもかと見ることが出来ます。
私はもともと筆の勢いのあるものや素描が好きなので、たのしくはございましたが
やはり印象としてはやや小ぶりかなと言う思いもなくはなく。
でも大作があると、ついそればかりに気をとられがちになってしまうのも事実。
デッサンや手紙
(そう! 手紙がたくさんあります。訳文ももちろんあり。すごく丁寧で、字面と言うか文面がきれい。
読めないながらも楽しく見ることができました)
にゆっくりと向き合ってよみこんだりして。ミケランジェロなのに静かな展示なのが意外。

ヴァチカン・システィーナ礼拝堂の天井画についてかなり詳細な解説があり。
4Kシアターによるどアップ細密美麗映像の上映もありました。
素描も、天井画や最後の審判の部分についてのものが圧倒的に多くて
比較するのもまたたのし
※いま気づきましたが『システィーナ礼拝堂500年祭記念』企画でした。
むべなるかな。それでは大きい展示など持って来れようもありませんね。

ヴァチカンで昔一度見ているのですが、天井画を遠く下から見あげるのでは、
もちろんこんなに細部はわかりません。
そのぶん、建物全体の空気感や高い高い上空に広がる天井画の、
総体としての迫力を感じられたので、まあ完全に別物なのですが。
いずれにしても、ふだんみることの出来ない展示を存分に見る、
と言う意味では『仏頭展』と通じるのかもしれません。想定外のシンクロ。

巨大な『最後の審判』の解説など、とにかく読み応えあり。
まあちょっと新書? とんぼの本? っぽい?? と言う気もしなくもなかったけれど。
覚悟して言ったわりに混雑はそれほどでもなく、
のんびり楽しめたので本人はとても満足しております。

それにしてもごっついからだつきですねぇ>天井画。
はるか下から眺めるにはともかく、間近に見るとちょっとどころではなく恐怖を感じる。
昔橋本治が
『天井画に(吊るされて)無理矢理近づけられたら、可憐な乙女なんか妊娠するじゃないか』
と言うようなことを記述していたような記憶がある(ちょっとあいまいなですけども)
確かに、そういう迫力があります。

それとは別に、国立西洋美術館のポケットブックを二冊入手。
『西洋版画の見かた』『西洋素描の見かた』
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※アマゾンさんでリンクがうまくでませんでした

版画も結構好きなわりに、エッチングだエングレーヴィングだアクアティントだ
なんだかんだという技法のことが全く理解できないので、
手軽なガイド本として入手してみました。
高額で立派な本は時々みかけるのですが、なんと言ってもポケット版!!
こういう気軽に持ち歩けるサイズで、手軽な入門書がありがたいです。
持ち歩きやすいしね。700円だし。作業工程の写真もある親切設計。
写真は更に小さいので、幾分見辛くはありますが。

素描のほうは、画材の説明のほかに、時代別/国・地域別の説明もあり。
まだろくに目を通していないのですが、わくわくします。

と言うわけで、国立西洋美術館では『イタリア版画展』も同じく11/17まで開催中です。
※以下サイトより引用

当館は本展でご紹介する作品以外にも、イタリアの版画を数多く所蔵しています。ただし今回は、最近購入した作品、あるいはこれまであまり展示されてこなかった作品を選択しました。作品の多くは、初めて公開されるものです。当館の地道な収集活動をご理解いただくと同時に、様々な顔を持つイタリアの版画の面白さを味わっていただければ幸いです。


なんかこの地味さが胸にせまるのです。

上野でひっそりした秋満喫_f0257756_2593888.jpg

お留守番つづきの挙句に、まだ眠らないのでちょっとゴキゲンななめの図。
なんでそんなにもの言いたげにしか見えないんだ。ふしぎ。
でもまあ、はい、寝ましょう寝ましょう。

by chico_book | 2013-11-08 03:02 | 日々 | Comments(0)

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