去年のクリスマスすこし前の一日

年末の3連休に、滅多に行かない新宿にお出かけしました。
ちょうど都知事関連でにぎやかだったころ。なんだかすごく昔話みたいに思えますね。
たかだか二週間しかたっていないのに。

目的はこちら
昨年2月に、職場でもらった「シティリビング」のちっちゃな記事で目にした
「第4回 猫・ねこ写真展」の案内。
わくわくしながらおずおずと、まだ冷たい春先の空気の中、
港の見える丘公園への坂を登ったことを覚えています(過去記事はこちら→12)。
その写真展で拝見してとても印象に残っていた作家さんの写真展(個展)が、
新宿で開かれていると言うことで、いそいそ、しかしおずおずとお伺いしました。
☆大塚さんご自身のサイトはこちらです。
展覧会の詳しい紹介のほかにも、
ご自宅の3にゃんも含め、いろいろな場所のすばらしいねこたちの写真がたくさん。

新宿西口の高層ビル群は、いつ来てもなんだか廃墟みたいで怖い。
たぶんいつも休日に来るからでしょうが。
人の気配がないがらんとしたビルの間、明るい陽ざしと冷たい空気の中を
『東京23区ポケットマップ』を片手に、ふらふらと探しあてます。
どこまでもアナログ人間。

目的地は新宿三井ビル。
55階建てのとんでもなく高いビルなのに、周りも軒並み高いビルばっかりなので、
全然高さが実感できません。みなとみらいのクイーンズスクエアと逆。
あそこは桜木町の駅に降りた瞬間から
「うわ、高、高い、高いねえ」
と思いながらふらふら吸い寄せられます。
建物に入る瞬間まで、高さを意識せずに入られません。
でも威圧感はないかな、むしろ素直に感嘆符。

おそらく、このエリアに来るのはこの企画展を観に
『損保ジャパン東郷青児美術館』に来て以来ではないかと。
※ちょっと自信がないので、過去の展示会情報を見てみたら2007年でした(驚)

印象に残っているのは、企画展ではなくて(ヒドイ)
ひとのいない、廃墟のような無機質な街、新宿のオフィスビルの42階に、
なんとも寒々しい蛍光灯の下、御神体のように鎮座していたゴッホの『ひまわり』。
バブル期に58億で購入されたと言うことで非常に話題になった作品がぽつんとあったのが、
妙にさみしげに思えたのです。
なんとも生命力を絶たれた標本みたいで、ちょっと複雑な気持ちになった印象があります。
ゴッホに何の興味もない私の実家にもポスターがあったくらいだから、
当時すごく話題にはなったんだろうなあ。
まあちょっとバイアスというか、偏見を持った見方になってただろうし、
梅雨寒の冷たい雨の日だったことも、たぶん影響しているのでしょうけども。

しかし今日は「工場街の無人駅のねこたち」が中心の写真展。
しかも冬とはいえ、透明な陽ざしの明るい休日。
ぜひ『西新宿』のイメージを更新するべく、
でもちいさなギャラリーでの個展、というハードルにちょっとどきどきしながら会場に伺いました。

お目当ての新宿三井ビルを見つけ、すこし迷って
(エプソン、エプソン、と、それを頼りにしてみたら、
いきなり同じフロアに『キャノン』のフロアがあったことで軽く混乱したり(笑))
でもほどなく見つけることが出来ました。
ギャラリーの外にも大きなパネルが展示してあります。わあ。
※大塚さんのブログより

中には整然と、たくさんのパネルが展示してあります。
どの写真も、さまざまな時間と空気の中で、のびやかにすごすねこたちがあちこちにいます。
のびやかでりんとしていて、おっとりとくつろいでいる表情が、
見ているこちらの胸元にも、すぽんと入ってくるような写真の数々。

線路にさす夕陽と、そこにたたずむねこ。
そこにあるやさしい空気はまるで、ねこをなでているときの感触そのままです。
しっとりしているのにさらっとして、指先や手のひらの隅々まで馴染んでくる、幸福に充たされるあの感触。

駅猫のほかにも「猫の島」として有名な「田代島」にも撮影に行かれていて、
そちらの写真も作品集として見ることができます。
作品集には他にも、いろいろな場所で撮られたたくさんのねこが
それぞれに魅力的な姿が記録されています。
とにかく、これでもか! と言うほどねこ満載。

おそとのねこと言うと、どうしても心配が先に立ってしまいます。
ちこを保護した経緯もあり、単に過保護で心配しすぎ、と笑い飛ばせる世の中でもありません。
でもこの写真のねこちゃんたちは、そんな私の感傷をはねとばすように落ちついている。
充足しているように見える。
確かにいろいろな不安や心配は、おうちの子に比べるとあることでしょう。
だから、駅にいる子たちもみんな幸せね、と、能天気に笑うことは出来ない。
たとえばちこを、うちのちこに、この生活をさせられるかと言うとそれは私には無理。
でも、それではたとえば、このおそとの子達をみんな(無理矢理にでも)
おうちの子にしてしまうべきなのか、というと、
おそらくそう簡単に言い切ることは出来ないのではないかと思います。

そんなことを思いながらたくさんのねこの写真をしみじみと拝見しました。
そっとねこたちの秘密を覗かせていただいたと言う、そんな気持ちになりました。

こちらの展覧会は1/9(木)までですが、1/5(日)まではギャラリーがお休みで、
1/6(月)からとなります。もう一回行きたかったのですがちょっと日程があいません。残念。
でも2月にまた、横浜山手で開催される「第5回 猫・ねこ写真展」に出展されるそうなので、
そちらをたのしみにしようと思います。

そしてそのあと、文化学園服飾博物館の
明治・大正・昭和戦前期の宮廷服 -洋装と装束‐
で、ありえないほど大量の大礼服とかローブなんたらとか
束帯とか十二単とか、とにかく闇雲に豪華絢爛な衣装のあまたを、
わっせわっせと(椎名誠)鑑賞しました。
※12/21で終了しています

明治時代では「フロックコートが普段着だった」と言う事実に驚愕。なんと夏でも! 
高緯度のイギリスではありかもしれませんが、140年前とはいえ、
日本ではやはり厳しすぎないかしら・・・・・・・。
ほんとうにがんばってがんばって、洋装を取り入れたんだねぇ…
(でも冬場に毛糸なしで、綿麻をひたすら重ね着でしのぐと言うのも相当辛い気もする。
わたでほこほこしているのならいいのですが、心配)

しあわせなもの、きれいなものをたくさん見て、最後は知人の出演するゴスペルコンサート!!
クリスマスにふさわしい、充実した一日でした。
今更ながら、満ち足りて思い返すことが出来てとても幸せです。
なのでこれはしあわせの記録。

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東京の12月はとても綺麗。
君のきらいな東京も、秋は素敵な街、と言う歌詞をいつも思い出します。
12月は秋とはいえないけれど(クリスマス頃はもう立派に冬ですよね)、
それでもこの季節の空が好き。
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by chico_book | 2014-01-03 22:31 | イベント | Comments(2)

Commented by ををつか at 2014-01-04 14:07 x
先日は写真展にお越しいただき、ありがとうございます。
素敵な感想まで書いていただき、嬉しく思います。

ここの駅で暮らしている猫は、ごはんも寝床もあり、
外猫としては比較的穏やかに暮らしている方だと思います。
とは言え、ときにはつらい場面に遭遇することも。

あるとき、捨てられてばかりと思われる子猫(生後2週間程度)がいたことがありました。
このまま放置したら数時間と持たない...。
その子は今、ウチのストーブの前で
えらそうに伸びています(笑)

それでは、2月の猫・ねこ写真展で
またお会いできるのを楽しみにしています。
Commented by chico_book at 2014-01-05 23:05
大塚様

こちらこそ、コメントありがとうございます。
写真展で、ねこさんたちのお食事処の写真は拝見しましたが、
寝床もきちんとあるんですね。安心しました。
確かに、写真のねこさんたちの表情からも、
おだやかなくらしぶりが伝わってきますね。

猫の手触りを「おひさまそのもの」と例えたのは(確か)
大島弓子氏ですが、大塚様の写真からはその手触りが
ありありと伝わってきます。

そして「えらそうにのびてる」おはぎちゃん!
複数にゃんの、それぞれの性格がたのしくて、
拝見しながら、ついついにまにましてしまいます。
やっぱり男の子のほうが鷹揚なんでしょうか??(本人調べ)
うちのキラークイーンも女王様です。偉そうと言うか、えらいです。

2月の山手を、とても楽しみにしております。
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