ニッポンのまんがの切り込み方は、やっぱりすごい

博物館のとなりはアイスランド大学。
こちらには寄りませんでしたが、
かっこよかったのでこのシールを後生大事にとってあります。
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木が生えてないためか、見通しがとてもいい。
こうしてみると、湖周辺の木立や林は、やはり努力の結果なのかな。
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学生時代「地理」の授業で興味深く聞いた話を思い出す。↓

・イギリスの美しい丘陵地帯について
昔は森林だったのだが、入植した人間が切り倒してしまってそのまま森が復活いていない状態。
つまりは、自然ではなく人工の産物。自然と言うのは、自分らの近くにいくらでもある荒くれた場所のこと

・中央ヨーロッパの森は迷ったらまずでてこられない。
なぜなら、日本と違って標高が高くないので、一度方角を見失うと非常に危険。
その点日本の山は、標高差が大きいので、
あてどなくても下っていけば何とかなる場合が多い。
そしてヨーロッパの森は、鬱蒼として暗い。シュバルツバルト=黒い森!!

そんなエピソードにも、ものすごくわくわくした記憶があります。
あたたかい九州、その中でも台風からも冬の寒気からも(比較的)守られてる
瀬戸内沿岸の街ですごしていたころ。そこしか知らなかった頃。
油断すると樹木も草も威勢よくわさわさと茂る気候しか知らない学生には、
ものすごく神秘で不思議な話にに思えた。
月と同じくらい遠くリアリティがない、つくりものの世界の話のような。
ほんとうにそんな場所があるの? という。

それからずいぶんたって、ヨーロッパにもちょこちょこ行ったけど、
どこに行っても、今でもすぐわくわくしてしまうのは、
その頃の気持ちがずっと残ってるからかもしれない。
たとえそれが、一本わき道はいっただけの場所でも。

ちなみに教会の前、広場を挟んで「ホテル レイフ・エリクソン」があります。
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そして市街を見下ろす場所に威風堂々建っているのが、レイフ・エリクソンの銅像。
レイフ・エリクソンとは、新大陸を「発見」したとされる人物です。通称『幸運なレイフ』。
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アイスランドからさらに東に向かう航路を発見し、アメリカ大陸に入植したのではないかとされています(諸説あり)
その場所はカナダのニューファンドランド(しかしすごい地名だ)あたりとも言われていますが、諸説紛々たるところもまた魅力、と観光客はのんきに思います。
彼らはどんな思いで、この丘の上から海を眺めたんだろうか。

アイスランドにまつわる書籍はあまり多くはないのですが、
その中で10世紀のアイスランドと実に縁深い作品がこちら。

ヴィンランド・サガ(1) (アフタヌーンKC)

幸村誠 / 講談社


(月刊アフタヌーン連載中)

自らの命を代償にして息子(主人公)と、仲間を守った偉大な戦士でかつ人徳者である父。
その仇を討つという、ある意味卑小な目的にとらわれた主人公が、
闘いの経験と様々な人々との交流を重ねてゆくうちに、守ること、強さ、
愛とは何かということを探り、迷い、確かめ、丁寧に自分の中に積み上げていきます。
まだ連載中ですが、そういう物語だと思っています。

2005年連載開始で、最新刊は2013年発行の13巻。
物語の進行はかなりゆっくりなのですが、逆にそれがよい効果を生んでいる作品。
めまぐるしく変わる政治、権力闘争・国際情勢。宗教も民族も複雑に入り混じる世界。
そしてそのきっかけは、実はひとがひとに対して抱く思惑や愛や憎しみや不信といった、
ささやかな感情が複雑に入り組むことからはじまる。
その様子が克明に記録されています。

巻き込まれたひとりの人間は、
たとえばいかに周囲に偉大なおとなや正しいと思われる回答や、
あるべき姿を提示されたとしても、それを借り物でなく、
『自らが納得して自分のものにする』
のには時間がかかる。
提示されただけの、形だけなぞる正解に意味などない。
安易な道も、正義の理想も同じようにひとりの人間からは同じように遠く、
借り物はなんの役にも立たない。そこにたどりつくのに近道などない。そういう作品。
まだるっこしいという意見もあるようですが、この丁寧さが大きな魅力になっていると思う。
ひとがそう簡単に変われるわけなんてないもの。
少しずつ浸透しはじめたキリスト教の「博愛」がどこに関連してくるか我興味深いところ。
ちなみに、最新刊13巻でようやく主人公は「目指すべきもの」をみつけたようです。
よかったよかった。今後が更にたのしみな作品です。
そして、アイスランドの国の歴史にここまで切り込んだ作品が登場して、
それが受け入れられるあたり、やっぱり日本のまんがを支える土壌は
すごいなあなどと思う次第。

ところで、作品の性質上戦闘シーンはわんさか出てくる上にかなり残虐。
(おそらく)鈍い鉄器でぶんぶん腕やら頭やらはね飛ばします。

そういうわけもあり、アイスランドの歴史をおさらいするような博物館のみどころにも、
武器がてんこもり(それ以外もたくさんあります)
昔の剣やら斧やら兜やら鎧やらの展示もあり。
特に鎖帷子の展示は、着ることができるのです!!!(力説)わぁい!

ヴィンランドサガの折り返し作者コメントに、
「バイキングの鎖帷子の展示があったので着てみましたが、18キロもあってとても
でないけれど動けない。すごいねバイキング」
なコメントがありましたが、おそらくワタクシがここで観たのと同じものではないかと
推測(写真はありません。すみませんそして残念)
途方もなくわくわくしていざ!! と挑んでみましたが!
・・・残念ながら、わたしは壁に掛かっている鎖帷子を持ち上げることすら出来ませんでした・・・・・!!

鎖帷子 チェーンメイル

ノーブランド


※イメージ※

そのほかにも、キリスト教が少しずつ浸透してゆく過程のものと思われる、
木彫りの磔刑など興味深い品々がたくさん。
静かな暗く長い冬に、何を思いながら、そんな思いをこめて木を削ったのかしら、
と勝手に想像する。
展示は多くないのですが、やっぱりここもとても静か。
のんびり空間を堪能することができました。

ちなみにここではじめて日本人観光客の方に遭遇しました。
やっぱりひとけのない館内で、静かに聞こえてくる日本語。
唐突すぎて一瞬理解できなかったほど。初老の上品なご夫婦でした。
・・・曲がり角、出会い頭にお互いにそっとびっくり。静かなところでは、驚きもびっくり。

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ちなみにこちらがアイスランド滞在中唯一撮った食事の写真。
定価が高いのと、歩き回るのに忙しいのと、ひとりなのとか、
いろいろな要素が絡まりあって、非常に食事に関してはシンプルな旅でした。
バブル崩壊前のアイスランドは、ビッグマック指数で世界最高値を出していたほど。
(確かビッグマックが900円ほど(当時換算))
※崩壊後にマクドナルドはアイスランドから撤退

海外ひとり旅はだいたいこのパターン。。
あさごはんでがっちり食べて、後は一気呵成に力つきるまで町をさまよう、という。
食いしん坊で、食事に興味はありまくるんですけども。

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青い自転車。すごくあっさり止めてありますよね。何の心配も要らないのかな?? すばらしい。
五輪誘致で東京を「世界一安全」といっていたのに、やんわりと異論のあるちこぼんでございます。
いや、東京は充分安全だとは思いますけど、。

アイスランドでは
『親は店の中にいて、赤ちゃんだけ(バギーごと)道路上に出しておく』
ことがよくあるんですってよ・・!!(NHK-BSの番組より)
なんでも「赤ちゃんはなるべく外の空気にふれたほうがいいのよ」とのこと。
なんとものんびりした世界観ではないですか!

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女の子もノリノリ。プロテクターが凛凛しいですね。
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by chico_book | 2014-01-10 02:09 | | Comments(0)

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