あたたかさはしあわせの目安
日曜日はとても暖かで、カシミアのセーターの上に着たダウンを持て余すくらいだった。
手袋もマフラーも外して、ポケットに手なんてとても入れてられない。
体の末端ってラジエーターなんだなあと思うのはこんなとき。
おしりを布団から出して体温調節をする『おしりラジエーター』といえばこちら。
ねこラジエータといえばこちら。本家『誰も寝てはならぬ』より、
主人公(のひとり)、春樹ちゃんの飼い猫・ロシアンブルーの利休之助登場回の抜粋した一冊。
「ちっともかわいくない猫漫画」とのことですが、むっとした猫の気難しげな可愛さを
存分に表現した一冊。
寒い冬に、布団にもぐりこんできて静かに海鳴りのように満足の声を響かせるねこの、
ひたひたと染み出るような愛おしさ。でもその幸福に酔ってるうちに
『なんかここ暑い!』
と猫様ご本人はいなくなったりするわけですが。
そしてまた、ほどよく体が冷えたころに戻ってくるわけですが。
そして自分でも布団にもぐれるのに、布団を開けてー開けてー中に入れてー、と、
顔をペタペタ触るわ叩くわなめる噛むわっていう段取りまでこみなのですが。
あれ? ねこラジエーターというよりは、人間がねこ様のための暖房器具?
ちこにゃんもさんざん目つきが悪いのむすっとしてるの、怖い顔の猫だとか
言われるわけですが、その強面そのまんまでぶんぶん甘えてくるさまが、
もうたまんない訳ですよ。メロメロな訳ですよ。
(流れ上『強面』と表現しましたが、私はあくまで気の強そうな美女だと思ってますけど!(小声))
しんしんと冷えてきている深夜。
明日の予報はいきなり前日比マイナス9度の、最高気温6度。
思えば、ちこにゃんがうちにあがりこんできたのはこんな季節だった。
満足げに、でも私の手の届かない箪笥の上に、
丸めた毛布の上にふかふかと身を横たえたこと。
(毛布を置いたのはワタクシですが)
そしてしゅぴしゅぴと、みちたりた寝息をたてはじめたこと。
それを戸惑いながら見上げたこと(そう、高い位置でした)
やがてのびのびと白いおなかをまるだしにして眠るようになって、
そこにそおっと手を伸ばした時のこと。私はきっとずっと忘れない。
今ではアンモニャイトの真ん中に、指を遠慮なく突っ込んで
撫でまわしたりしてますが。そして時々怒られていますが。
ちなみに今はおしりにはりついて、私と椅子の間で満足げにぷうぷう言っています。
by chico_book | 2014-01-27 01:56 | ねこ | Comments(0)