毛色の違う映画2本
連休中に観た映画2本。
『猫侍』
ドラマをやっているのを知ってはいたのですが、何となく見逃してしまい、
4月にねこ好きの友人に
「3月に映画やってたんだよ」と教えてもらって
「じぇじぇ」
というまぬけな返事をしたばかり。
『大森キネコ』で(私に)おなじみのキネカ大森で4/26より上映、
ということでわっせわっせと(椎名誠)でかけてきました。
ドラマをよく知らないままいきなり劇場版。
ちょっと不安だったのですが、いやいや、充分たのしめました。
玉之丞様素晴らしくまっしろいにゃんこさまでかわいらしい!!
(でも前述の友人曰く『ドラマは全然違う面白さがあるのでおすすめ』とのこと)
劇場は7割くらいの入りかな。とにかく全員が猫を目当てに来たと推測されます(個人の感想です)
スクリーン上での役者さんのセリフや演技も勿論ですが、それ以外の、
にゃんこのイカ耳とか黒目の大きさとか、しっぽの雄弁すぎる動きのさまざま、
ネコの
それがわかるということは、私もそこを見ているというわけなんですが。
殺陣のシーンでも懐にすっぽりおさまって落ちついている玉ちゃんにほれぼれします。
むっくむくの秋田犬も登場します。ぶっといあんよは大型犬のしるし!!(『動物のお医者さん』より)
猫と侍が主人公の『猫侍』だけれど、敵側の犬の顔がゴイスーなので画像を拡大してみた
ちなみに私にとって、秋田犬といえばこちら。
震災への支援のお礼に、秋田県知事よりプーチン大統領に贈られた秋田犬・ゆめちゃん。
しっぽの先が白くてたまらないかわいさ。
こちらはプーチンさんと一緒の映像。雪の中で楽しそう。
一生懸命見上げる顔がかわいいかわいい。
しかし秋田犬と一緒にいて、こんない大きさの違うブルガリアンシェパード(という種類だそうです)
には驚きを禁じ得ない。
二本目の映画は、ほぼ事前情報なしに、衝動的に深夜にネットでチケット予約。
結構上映館少ないうえに、私が見た場所でもいちにち一回の上映、しかも満席でした。
いやぁ。無理矢理でも行ってよかった。すごく良かった。
『8月の家族たち』
原題は『August:Osage County』。邦題苦労したんだろうなあと思われます。
ものすごくどぎつくてこれでもか感のある映画なのですが、嫌いではない。
好きだと断言するのはとても難しいけれど。
「家族というものは、どれをとってもすべてもれなく変態である」
と、確か江國香織が書いていたと思いますが、いやほんとうに。
逃げ場もない、救いもない、どんな人生もさまざまにそして徹底的にストラグル。
でも強烈に面白いです。アメリカ映画に描かれる『家族』には、しばしばこのパターンが登場します。
徹底的に機能不全。誰もが少しずつ悪い。歯車もあわない。どうしようもなく事態だけが進んでゆく。
『アメリカン・ビューティ』を少し思い出しました。
そして、それでもからっとしているのは、中西部の8月、熱波の大地という映像に
助けられているのかもしれない。ファーゴの逆。
人によっては劇薬になる作品だと思います。私は大丈夫だったけど。
そして大丈夫であったことを、その偶然を感謝したくなる作品。それくらいぎりぎりの線引き。
ドラッグ中毒の母親をメリル・ストリープが、その娘である3姉妹の長女をジュリア・ロバーツが演じています。
このふたりのぶつかり合いが壮絶。ジュリア・ロバーツの、綺麗なんだけど程よいくたびれ感がすばらしい。
夫と別居中、14歳の娘は反抗期真っ盛り、そんななか爪先立って踏みとどまっている
『いかにも昔はピッカピカの美女』だったミドルエイジのやるせなさとかどっちつかずなかんじとか。
しかしメリル・ストリープの怪演と真っ向勝負とは、すばらしい女優さんになりましたなあ(何様)。
『プリティ・ウーマン』を劇場で『立ち見』した記憶のある人間なのでなんだかしみじみしてしまいました。
そういえば『エリン・ブロコビッチ』も好きだった。
そしてジュリアの夫役のユアン・マクレガーを見ても、ユアンだとわからなかったことがとてもショック。
父親役のサム・シェパードが渋いおじいさんになってて感無量。
そして今検索して、2009年にジェシカ・ラングとのパートナーを解消していたとを知って、
いまさら軽くショック。
ちなみにサム・シェパードの役柄は『詩人』なのですが、本棚が素晴らしかったです。
きちんと並んでなくて、適当に抜き差しした本がかっこよく斜めになってる、現役感満載のような本棚。
どんな映画でもネコと本棚を見てしまうちこぼんです。
※本作にねこは出ていません
あと、カンバーバッチさん!! 出ていることを知らなかったほどの予備知識のなさでしたので、
椅子から転げ落ちるくらいびっくりしました。まさかのBS『SHERLOCK』まつり開催中なだけに。
全然違う役で、オルガン弾いて歌ってくれましたよ! うわー。
べ、べネさん!! わたしべネさん声聞くのはじめてなのに、いきなりそんな!!
べネさん、出演時間は長くはないのですが、
重要な役どころで、実にぴりっとすがすがしかった。好演です。
by chico_book | 2014-05-07 02:23 | 映画 | Comments(0)