邦題のかわいさがいい

6/1が日曜だったので、やっぱり映画の日対応で鑑賞してまいりました。
今年はもう11月までないので、寂しくも一息つくかんじかな。

ちょっと予告でネタバレしすぎかもしれない、と、やや消極的だったこちら。
『チョコレートドーナツ』

原題は『ANY DAY NOW』。
いささかかわいらしすぎるかもな邦題ですが、
キャッチーだし覚えやすく興味持ちやすいので、成功と言えると思います。

しかし感動の実話モノ、つらくなっちゃうかなあなどと迷いながら
5/30(金)の夜にネットで確認したところ、既に横浜は満席、川崎が残り2席。
これは即決せざるを得ない。と言う訳で川崎で予約。

ところで、主演のひとりアラン・カミングと言えば、私の中では
アメリカのリーガルドラマ『グッド・ワイフ』のヒロイン・弁護士アリシアの夫で、
イリノイ州知事からゆくゆくは大統領を狙うピーターの選挙参謀、
やり手の政治コンサルタント役・イーライ・ゴールド一点なんです。息継ぎ。(長)
まあ一言で言うと非常に有能でやり手の選挙参謀です。大好き。
有能なのにまわりに振り回されてじたじたしながら、
それでも策を練ってプランBやらCやら繰り出すところがたまりません。

ところがこの方、検索したところ、トニー賞俳優なうえにあらゆる映画に出ています。
ひゃあ。

X-MEN2とか、マスク2とか・・・でも一番びっくりしたのはこれ。
ワタシこれ東銀座の映画館で見ましたよ。
タイトルはアレですが、そういう映画ではありません。確か。
違ったと思います。
そういう話がベースの映画ではありますが(とはいえもう記憶が曖昧)。
『セックス調査団』
※予告動画があったらよかったけど、見当たらず。そういう映画ではないんですよー…(しつこい)

一応、現在公開中の作品のネタバレなので畳みます。





『チョコレートドーナツ』は、70年代のカリフォルニアが舞台の、
ゲイカップルとダウン症の子供が出会い、家族になろうとする物語。

同性愛への偏見もがいまよりずっと厳しい時代、
社会や法律の無理解と差別と闘った人間の、実話を基にした物語。
ものすごくいい話なんだけど、いい話すぎて私とはすこし距離ができてしまった。
残念。
裁判所のシーンに、大きくボリュームをさかれていたことが興味深かった。
邦画だとたぶん、もう少しウェット感が強いというか
「三人の束の間ファミリー感」を強調する方向に行くのではないかと勝手に類推。
それでも、あきらめずに戦おうとする姿勢、
あらゆる策を練って法廷に臨む場面の緊迫感、迫力がすばらしかった。
これでがっつり展開が引き締まりました。

法廷というのは
『現時点で最上の暫定的な落としどころ』
を決める場所であり、絶対正義のための場所ではない。
そのための戦闘の場である、その記録が人類の意識を変化させ
歴史を作ってゆく、という事実がガッツリ描かれていて得心。
作品の中で、法は決して主人公たちの味方ではないのですが、
そこにはそこで、一定の理由や制限があり、
それは人間が人間を裁くことの根本的な限界なのだと思う。
それでも、我々は細かい戦いを積み重ねて、
少しずつより良きものにしてゆこうと思うのだとも。

『はみだしっ子』
※文庫で読むのはつらい作品ですが、画像がわかりやすかったのでこちらの画像で。

はみだしっ子 (第1巻) (白泉社文庫)

三原 順 / 白泉社


少女漫画の枠で、どうして
『責任能力のないこどものおこした不可避な殺人とそれを裁判で争うことの是非』
なんて要素が展開されたのか、今読んでも屈指の衝撃作。
好みがかなり別れそうなのであえて名作とは言いませんが。
(私にとっては名作です。断言)

それでも私が『チョコレートドーナツ』を絶賛、とまでは言えないのは、
88年公開のこちらの印象が強いからかもしれない。
『トーチソング・トリロジー』こちらもゲイカップルのお話。

トーチソング・トリロジー ENTERTAINMENT COLLECTION GOLD [DVD]

紀伊國屋書店



『愛と敬意以外は求めない』
という大変に印象的なせりふがあり、私にはガッツリ刻み込まれている作品です。

『トーチソング・トリロジー』で描き出された
『愛しているからこその受け入れられなさ』による葛藤と、
深みと少し比較してしまったきらいがあり、
そのため、評価がやや厳しめになったかもしれません。
※でも『トーチソング・トリロジー』もずいぶん前に見たっきりなので、
いま見てみると印象が違うかもしれません。ちょっと怖いけど確かめたい。
マシュー・ブロデリック観たいなぁ。なつかしい。

あるいは家族になる、ということに対する戸惑い
(絶対的な善とか信頼を持っていない)部分があるので、
その部分でも割り引いてしまったかな。
いや『家族になってからがまた大変よ』って言う、
我ながらシニカルなところが我ながらちょっと邪魔しています。
愛しているからこその格闘が、そこからはじまるわけで。

それでも『チョコレートドーナツ』にそういう要素がない(薄い)ことが
物足りないとか、そこまで入れた方がいいと思っているわけではなく、
むしろきりっとまとまっている、素晴らしい作品です。
そういうことをテーマにするのなら別の映画になるわけで。
なのにうっかり気にしてしまうという、
単なる個人的な嗜好の問題です。たぶん。

歌の力がとても素晴らしかったのは事実ですが、
ちょっとそこに頼りすぎなような印象なのかもしれない。

ところでダウン症の少年役・マルコを演じた
アイザック・レイバくん(撮影当時14歳)は、実際にダウン症患者なのだそうです。

実は『グッドワイフ』でも、
難病患者でそれをネタに裁判を有利に展開しようとするやり手弁護士役として、
実際にパーキンソン病患者のマイケル・J・フォックスが登場します。
(病名は変えていますが、彼の症状を参考にした演出だとか)
あるいは幅広い理解を促進する一環ということなのか。
いずれにしてもタフですね、アメリカのショウビズ界。
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by chico_book | 2014-06-06 02:46 | 映画 | Comments(0)

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