ドラマの感想と夏の思い出とやはりねこ

今期はドラマを見過ぎました。ちょっと反省。

見慣れている人はそんなことないのかもしれませんが、ふだん主に見るドラマが
大河とNHK-BSでやってる海外ドラマ(いまは『グッドワイフ』)なので、
平日のドラマを入れちゃうとほんとしんどいです。5月には『SHERLOCK』もあったしね。
矛盾するようですが、え、もう終わっちゃったの? という気持ちもあり。
3ヶ月スパンのドラマになれていません。

観ていたのは『MOZU』と『続・最後から二番目の恋』。
木曜日に連続というのがさらにしんどさに追い打ちをかけていたのかも。

それでも『MOZU』は映画っぽくて面白かった。
ロケ地に、昔住んでいた場所がやたら登場したことと、
ちょうどその時代に思い入れのあった映画もろもろに雰囲気が近かったことが
強力な後押しになったという極めて個人的な思い入れで底上げ気味ですけど。
ドラマとしてはもう少しめりはり欲しかったかな。
ずうっと息詰まるような雰囲気だったので、辛かった部分もあった。
しかし全体的によかった、というか、挑戦の感じられる作品でした
。ここまでおれたちやるんだぞ、みたいな。
その分、肩に力入りすぎちゃった感はありますが、さておき。

『続・最後から二番目の恋』。
全体的に少しくどかったりけたたましかったりもするけれど、
あとちょっとオヤクソク感が前作より強くなったような気はしてますが、
総じて良かったと思います。まあキョンキョンさんだし。貴一さんだし。
年を重ねてきた人間の、しろくろつけないやわらかさみたいなの、
恋とか愛とか情とかが一本道でなく、友情とか批判とかやさしさとか
いろいろマーブルになっている野を、そのまま丁寧に描いたようなところが。

貴一さんと言えば、私が免許を取りに自動車学校に通っていた夏休みを思い出す。

私の通った自動車学校は合宿免許先にも使われる(云わば僻地の)学校で、
みかん山をえんやらやっと登った先にありました。
ちなみに私は『合宿生』ではなく『地元民』として通いました。

その学校の怖ろしいことは、送迎バスが一日三回しかないという点。朝・昼・夕方、ザッツオール。
ちなみにいちにちの最後(夜間授業終了後)は、バスなどでなくて、
みんな教官が帰宅する車に『テキトー』に分乗して帰るのでした。
しかも点呼も何もなく『○○町いくやついるかー!』『ハーイ』ってなかんじで、
ざかざか乗り込んでどんどん出発してゆく。
もう駐車場の電気も落とされていて真っ暗な中、自己主張しないと置いていかれる世界。
ものすごく怖かったです。暗いミカン山の中に取り残される恐怖。
公共交通機関なんて10キロ以上先にいかないとない
(しかもそこでもバスが一日数本なので、結局歩くしかない)
それもあって、ひたすら一日中ロビーにとどまり続ける生徒たち。

しかも、日程に縛りの多い合宿生を優先してスケジュールが埋まるので、
地元生はどんどん後回しになるし、私の場合個人的な問題で
どんどん補講がついてゆくので、さらにスケジュールはタイトになってゆく。
朝一番で9時からの一時間受けて、次は15時なんてことはざらにある日々。
自動車学校の教材のほかに、分厚い本を持ち込むのはオヤクソク。

そんな行き場もやり場もない空間に一定数の若い男女が集まれば、
何やかやと賑やかしくなってしまったり(私以外の話です)、なんだそれあまずっぱ!! な空間で
大人気、いやそれを通り越して最早カリスマとなってしまったのが当時の『貴一さん』。
正確にいえば『ふぞろいの林檎たちシリーズ』の貴一さん。
そう、エリーマイラブソウスウィート♪ なアレです。

ドラマの再放送を、なんとなく流している感じの気だるい盛夏の午前中。
時間を持て余して、行き場もなくロビーにたむろしている若者たち。
所在ないなりに、あーだこーだがかつ消えかつ結びかけたりあれこれしている集団の前に、
若者たちの青春とか葛藤とかをガッツリ描いた群像劇が放送されるんですよ。
ものすごく全員はいりこんでみてましたね! 
固唾をのんで、画面に集中して、中井貴一のまじめな独白とか、小林薫の熱演とか、
手塚理美の涙とか、石原真理子のやるせない背伸びとかに見入るわけです。
そしてその緊張の絶頂に流れる桑田佳祐の歌声。
クラシックのコンサートかっていうくらい、もう、しわぶきさえもはばかられる空間。
それでもロビーのあちこちから、こらえきれない鼻スンスンとかがひびいてくる。
男女問わない、押し殺しきれない嗚咽。
すごいね貴一さん!! 貴一さんだけではないけどね!

と言う訳で、『続・最後から二番目の恋』での貴一さんの、
恐らく当人比で紳士ぶりをやや抑えめにしたコメディ演技の品の良さが愉しかったのです。
ああ、貴一さんいまこういう感じなのね、なんて思ってしまって。親戚か!
キョンキョンさんの、キャリアなのにどっかかわいいスケバンぽさが透けてみえるところとかね。
そんなふたりの心がふわっと寄り添ったり離れたりするところが、みていて愉しかったな。

貴一さん演じる和平さんは鎌倉市役所観光課の課長さんで、
キョンキョンさん演じる千明はテレビ局の副部長といういわばバリキャリ。
そんな主人公ふたりも、そしてそのほかの人物も皆、何かを持っているけれど、持っていないものも明確。
完璧な人もいないけど、完璧に駄目な人もいない。
ないまぜになっている幸福と不幸は、形を変えて平等に存在する。

そういうひとたちが、ちょっとずつなにかを持ち寄ってよりそったり、
すこしはなれたりするような距離感が、
仲のいい友人の話を聞いているような親密さがありました。
一部けたたましかったりもしたんだけど、安心して「うるさいよ!」といえるかんじ。
結論を出すのださないの、出したところで人生は続いてゆくわけだし、

演出の宮本理江子氏が、『ふぞろい』の脚本家の山田太一氏のお嬢さんであると知って、
驚きと納得と、重ねて自動車学校の思い出が蘇っってなんだか不思議な気持ち。
こういうこと最近多いのです。意外なところでぱんぱんと、ピースが埋まる醍醐味。
加齢というか経験値のおかげでもあるとは思いますが。

個人的なダメ押し(ダメ押され)ポイントはこちら。

1)ちょいちょいキョンキョンさんの家の庭先にやってくる猫!! 素晴らしかった!
オープニングには毎回写っていたのですが、それ以外ではあくまでちょいちょい。
このさじ加減がたまりません! 
ふだんは地域ねこ問題などもいろいろ考えたりすることもないわけでないし、
設定上線路が近いおうちなので、ちょっとハラハラしてしまいがちだけど、
これはあくまでドラマの話!!

そのにゃんこを『三郎』くんと名付けてだっこするキョンキョンさん……!!
『あまちゃん』でもそうでしたが、キョンキョンさん猫をだっこする手つきがやさしいなあ。
もうキョンキョンさんが好きなのか猫が好きなのかどうにもこうにもわからなくなる。

私の中で『猫をだっこする手つきの優しい動画』と言えばこれ。


生放送のスタジオににゃんこが入り込んできたのだそうです(何故)
二度見はするけどあわてず騒がずねこのあごをなでてあげる手つきにほれぼれ。
きっとにゃんこもぐーぐー言ってます(ちょっとちこにゃに似ている気も)

キョンキョンさんとねこということでこれは欠かせない。
なんと『続・最後から…』にも出演していた加瀬亮さん、こちらにも出ています。
なんというシンクロ。

グーグーだって猫である ニャンダフル・ディスク付き [DVD]

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2)ちょっとクラシックなイメージのエンディングの映像。
ミュージカル映画ぽく唄うキョンキョンさんと中井貴一さんのはまり具合も素晴らしいけれども、
ドラマ内のライブシーンでまさかの野宮真貴カバー!! にとどめを刺されたピチカートファン。

※(ドラマのシーン込の映像です)


以前コメント欄でご紹介いただいた、こちらの鎌倉のカフェにも早くいきたくてじたじたしてるんですけど、
紫陽花+ドラマ効果で、江ノ電40分待ち、などと聞くとつい二の足を踏んだりしております
(一応J横須賀線へのアクセスは悪くないので、江ノ電にのらなくても鎌倉駅にはたどりつけるのですが)
何といってもねこと小鳥と英国紅茶ですよ!!
でもこれから夏になるとまた人が多そうだわね、などと考えたところで、
鎌倉はいつでも本格的な観光シーズンではありますね。

挿入歌もすばらしかった。

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by chico_book | 2014-06-30 02:31 | 日々 | Comments(2)

Commented by Linda at 2014-07-29 03:55 x
私もシンクロがありました。
数週間前に、思い出したくて思い出せなかった歌手の名前がここにっ!
Yael Naimです。
ありがとうございます〜

キョンキョンって素敵だなと思います。
売れっ子だった頃から誕生日は一人で過ごすようにしてたそうです。
すごい…

山田太一さん、講演を聴いたことがあるんですが
チャーミングな方でした。
村上春樹さんのやれやれ、をユーモラスに言ってしまうような感じ。
Commented by chico_book at 2014-07-30 02:54
Lindaさんこんばんは!
こんな昔ばなし(しかも長文)におつきあいくださってありがとうございます。そして、思いがけないところからつながるのって、すっごくたのしいくてうれしうございます。

私はこのドラマを見るまでこの歌手のことは知りませんでした。ほかの曲もみんな素敵で、それだけでもドラマ見てよかったな、と思ってました。Lindaさんのお役にも立てたようでよかったよかった。

芸能人と言われる人の本は、あまり読まないのですが、
キョンキョンさん(ついさん付けで呼んでしまう)と、岸惠子さんは、
私にとっての鉄板です。
キョンキョンさん、することの幅が広く、そしてそれぞれに自分なりのけりをつけていそうなところが好きです。しつこいようですがねこ好きだしね!

山田太一さんの講演会とはすばらしい…。中井貴一さんも、山田さんには今でも緊張してしまうと仰ってました。想像できるようなできないような。
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