見ている方に進むから

タイトルは、自動二輪教習の時に、教官に叩き込まれたコトバより。
そこに行くつもりはなくても、知らずに見ている方向に進むから、行きたい方向をきちんと見なさい、と、
とにかく厳に言われました。足元観てると転ぶから、まっすぐに進む方向を、背筋を伸ばして。


図書館よりこちらの本をお借りしました。

多摩川猫物語 それでも猫は生きていく

小西 修 / 角川書店(角川グループパブリッシング)



神奈川に住んで10年余、小田急・東急・JR・京急と、路線はさまざまなれど
都内にお出かけするときは必ず多摩川を超えます。当たり前ですが。
電車の窓ら見える多摩川とその河川敷は、どの路線も広々としていて、
サッカーやゴルフやテニス、野球場などなどさまざまな施設が整備されています。
天気のいい休日にはたくさんの人が愉しげに、思い思いに過ごしているのが車窓からよく見えます。
スポーツの苦手な私にはまぶしくてかなわない光景。

そんな多摩川ぞいに住む猫たちの、苛酷な物語。苛酷かつ、無残な事実が淡々と伝えられる本。
猫の写真と事実が、ただ淡々と記されています。静かな語り口ゆえに、ひしひしと重く伝わります。


見たくなくても、聞きたくなくても時折目にする「残虐な事件」。
シリアルキラーなどの犯人が、ニンゲンに対する攻撃の前段階として
「まず小動物が標的にする」
という話を、時折耳にします。
「だから」動物虐待は良くない、という論には以前から違和感がありました。
「動物虐待を放置すると、エスカレートしてニンゲンに被害が及ぶから駄目」
というよりは、まずその行為そのものの非を問いたい、と、思います。

その考えはいまも基本的には変わらないけれど、
世間の耳目を大きく集めるには効果的な論なんだろうな、という点で納得。
いろんな言い方で、少しでもたくさんの人に届けることが何より重要だもの。

ちこも、もとはお外の子です。
推定でしかありませんが、ご近所さんの飼い猫で、そしてお引っ越しの際においていかれた。
うちのベランダの、カラの植木鉢で丸くなっていて、私がトロ箱や湯たんぽを置くようになって、
そしてある雪の日に、堂々とあがりこんできたのが、わたしとちこのはじまり。
過去記事はこちら

いまや堂々と私を踏んづける、やりたいほうだいの姫にして女王様ねこたるちこが、
長い棒だけには怯えるのを私は知っている。
お外の子時代に、石や棒を投げられていたのを見たことがあるから、それが原因かもしれない。
だから、クイックルワイパーやほうきも、ちこが気付かないようにささっと使うようにしている。

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「知ってる。気づかないふりしてあげてんだから、うまくやってよね(怒)」

実はちこは歯がよくない。よくよく見るとなんだか本数が足りない。
有名ねこブログさんの素敵写真を見て気づいて、病院でも確認してもらった。
ごはんをきちんと食べて、体重も充分なので(涙)さしあたって問題もないし、
そもそも対応のしようもない、との見解でしたが。
※ごはんに影響があるなら、フードを食べやすいのに変えましょう、というお話でした。
(時折浮上する『実はとんでもなくおばあちゃん猫なのでは』説の根拠はこのあたり)
※おばあちゃん猫説、お医者様は否定してます

うちに来た時の「毛皮と健康状態の良さ」から、もと飼い猫だと思ってたけど、
(何しろ傷ひとつなく、のみ一匹もいない上に、避妊手術済の異常に人懐こいねこですから!!
ただ、ねこ風邪由来の鼻炎もち・めやにっこな猫ではありますが)
そこには私の知らないちこの物語があるだけだ。
ねこの成長期に栄養が足りないと、歯に影響が出るケースがあるとも聞く。
そうかもしれないし、そうではないかもしれない。
それでも、それらのすべてを含めて、
いまここにちこがいてくれることがひたすらいとおしい。

この本のねこたちはすべてちこと等しい。
ひとに怖い目にあわされても、それでもひとを好きな(好きでいてくれる)子も、
そうでない子、どうしもてひとに対して怖さが先に立ってしまう子も、すべて。


報復感情を持つのはある意味簡単で、自然なことでもある。
私自身も、そういうふうに思うことはある。やはりごく自然に。
それでも、それではなにも変わらないとも、思う。
一時的に罰せられても、犯人は行為をやめないかもしれない。
あるいはまた別の人が出てくるかもしれない。
そして被害にあうねこ(をはじめとする被害者たち)が生みだされつづける。

どうすればそれを止めることができるのか。
それはとても難しいことだが、
ニンゲンから虐待を受けたねこが、それでもニンゲンの手を拒まずにいてくれる、
信じてくれるということは、私たちも悲惨な行為そのものを減らすことを、
諦めてはいけないのかもしれないと、思う。
報復感情に身を任せるだけでは、何も変えることはできないのかもしれない。
怒りとか憤りとか、おさまらない気持ちはあるけれど。

ほんとうに難しいことだと思う。
遊び半分で生き物をいたぶるひとの心に寄り添うのはむつかしい。
想像もできないし、正直したくない。

それでも、ちこはいま私を、ニンゲンを信じてくているから。
そうすることが、信頼に応えることの一環になるのかもしれないと思う。
こういう私の考えは、相当に甘っちょろいのかもしれませんが。

具体的な対案もないまま口にするのは無責任かもしれないけれど、
それでも、こういう気持ちを見過ごさずにいることも、小さいけれど大切なことだと思う。

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思慮深げなまなざし。ありがとう、ここにいてくれて。


『ゼロ! こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?』

ゼロ! こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?

片野 ゆか / 集英社



以下アマゾンさんより紹介分を引用。
「殺処分0」のために闘った行政マンたち
年間24万頭もの犬や猫が殺処分されている中、夢物語と揶揄されながらも「殺処分ほぼ0」を目指し、実現した熊本市動物愛護センターの10年間の闘いを追う。日本で一番カッコいい行政マンの物語。


※5/20には文庫版が出ています。少しタイトルが違うのでご注意のほどを。

ゼロ! 熊本市動物愛護センター10年の闘い (集英社文庫)

片野 ゆか / 集英社



そんなのは無理だ、夢物語だ、甘っちょろくて青臭い理想論だ、
というのを吹き飛ばす改作…と言う訳でなく、現実はやはりそろくさく地道に、
出来る人が出来ることを小さく小さく積み重ねて、
そこに幸福な連鎖が積み重なって初めて実現してゆくのだという、丁寧な物語。
ノンフィクションですけど。
奇跡や逆転ホームランなんてない、
ただ地道な積み重ねだけしかないのだと、こころから思う。

ちなみに装画を手掛けられたのはスカイエマさん。なんというかわいさ力強さ!!
あえて特定の犬種を限定して連想されないようなイラストにされたそうです。

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まじめにやらなきゃ呪うぞよ。夏恒例、幽霊ごっこをするちこにゃさん。

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さらにどん!!
『うーら-めーし・・・』

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『すぴー』
飽きてすぐ眠るちこ(それとも寝ぼけてただけかも?)
こんなふうに、皆が静かに穏やかに眠れますように。

そんなわんにゃんのかわいい動画2題。

これをかわいいといっちゃうと、ワンちゃんに申し訳ないかな??
なにをどうしたら、ここまでワンちゃんを怯えさせるんだ、と思いつつ見てたら、
なるほど、こういうことをしたせいなんですね、というにゃんたち。
ごめんね、わんこの皆さま!!


大きい犬は心も大きいなあ。やさしくしてくれてありがとう。
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by chico_book | 2014-07-13 01:53 | ねこ | Comments(0)

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