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深まる秋に寄せる雑感などなど

急に寒くなりましたねえ。カレンダーには霜降の文字。そうこう、と読むのだそうです。知らなかった。
いまの時期の私のコートは紺色。見るたびにくすりと笑ってしまう。
このコートを買ったときには、まだちこはいなかったんだなあとしみじみ思うから。
いまなら絶対選ばない。選べない、白いねこ毛がびっしりと(愛らしく)まとわりつく素材と、目立つ紺色。

寒くなると、富士山がくっきり見えるのがうれしい横浜市中央部(中心部ではありません)。
これから年末に向けて、南関東はとても天気が良く、パリッパリに乾燥するけども美しい季節になります。
神奈川に来て発見したことのひとつ。



ライブverははじめて聴きました。
いちょう並木を見ると『きみのきらいな東京も、秋は素敵な街』というフレーズを思い出します。



秋にヘビロテしていたせいか『LIFE』はものすごく秋のイメージ、もう宿命的に。
当時の私は、『東京タワーから続いていく道』なんてとてもイメージできない、
九州生活満喫者でしたが。特に天神の地下街は大好きだった!!!

以下公式サイトより引用

天神地下街は、次の時代に残したい街として鉄と煉瓦と石を基調とした、19世紀ヨーロッパの格調高い街並みをイメージして造られました。7~12番街の新しい地下街は、このコンセプトを継承し、自然採光が入る広場や街路樹をイメージして造った通路の天井など、ほどよい明るさの南ヨーロッパの雰囲気が漂う街並みが完成いたしました。また、1~6番街の既設はヨーロッパ中北部の香りが感じられるステンドグラスや時計などが薄暮の光に包まれています。全国に誇れる快適で、質の高い商業施設を目指してまいります。


天井が低めで、照明も暗いのに、圧迫感と言うよりは、おちつきを感じる素敵空間。
アイアンの唐草模様の装飾は、エッフェル塔みたい。パリ行ったことないけど。
なかなかないです、こういうの。

中越地震から10周年だそうです。地震当日、私はオランダを旅していました。
直行便KLMでアムステルダムに到着して、そこから電車で20分のライデンという街に滞在したのですが、
ホテルのドアを開けた途端に『earthquake in JAPAN!』(とか何かそういった類のことを)
言われて、とても驚きました。
9部屋しかない小さな、しかも夜になると従業員さんが帰ってしまうという(!!)ホテルでしたが、
天井近くに設置されたちいさなテレビに映る、何度も何度も繰り返されるNHK-BSニュース画像を
呆然と観たのが忘れられません。

モンキー・パトロール vol.1 (祥伝社コミック文庫 あ 3-1)

有間 しのぶ / 祥伝社



私のオールタイムベストのひとつ。きっとこれから先もずっと好き。
お棺に入れてもらってもいいくらいだけど、もう充分自分の中に刻み込んでいるから、
刻まれてるからその必要もないと思う。
穏やかで強くてやさしい最強男子・オジャブーの名前の由来が、中越地震の被災地である
新潟県・小千谷市への応援の思いが込められているということに、ものすごく驚いた。
その事実も含めて、こういう形でのエールという方法論も含めて。勿論311以前の話ですが。

現在連載中の『その女ジルバ』は、福島出身の作者が、より強く『震災後の日本』、
そして喪失者が生き延びることについて描き出しています。
人生はすべて獲得と喪失の旅路であることを、独特のやさしさとひょうきんさで描き出す良作。
そしてこちらでは、福島へのつよいつよい思いを、さまざまな登場人物の
人生にシンクロさせる形で描いています。独特の凄味のある作品。

その女、ジルバ 1 (ビッグコミックス)

有間 しのぶ / 小学館



そんなこんなで、中越地震のニュースを見ると、私が思い出すのは秋のオランダ。
それもあって、一層現実感が遊離してしまっています。

運河と森の中をほけほけ散歩していて、迷子になりかけながら振り向いた時に鹿がいたあの場所の記憶。
いまでも幻だったんじゃないかと思う。茂みの向こうから、くりくりした瞳でじいっと私を見ていた。
そんな、ジブリじゃないんだから!! 
でも当時は、さすがブルーナさんの国! と素朴に喜んでたんだけども。
これも、私が中学校の遠足の行き先が『サル』や『鹿』が出る(もちろん野生)ような場所育ちだったので
(そんなに)違和感なかっただけかも。

アムステルダムもライデンも、とても美しかったのだけれど、
マウリッツハイス美術館
(そう、真珠の耳飾で有名な青いターバンの少女とか、デルフト眺望とか、
例によって一点あれば東京では大変な目玉になるような作品がざんざかある美術館です)
目当てで訪れた、デンハーグの街のトラム。
その軌道内に茂っていた芝の色あいの、内側から発光しているような柔らかな明るさ。
トラムの終点は、北海に面したビーチリゾート、スフェーベニンゲン。

ここの砂浜は、エリアごとにブルーナさんのキャラクターが描かれた看板がありました。
砂浜にポツンポツンとたたずむうさこちゃんと仲間たちのかわいらしさ! 写真がなくてとても残念。
それでも私は、ひとのまばらな砂浜に、斜めにさす夕陽じめった砂の上をさくさく歩いた感触を、
こんなにはっきり思い出せる。

10月半ばのオランダ、充分に冷たい風の中、それでもボードを抱えて海に走ってゆくひとや、
小型のポニーくらいはありそうなサイズのわんこの散歩を遠巻きに見ていると、
なんとむこうから走ってくる馬!! そしてその先に、からからまわる風力発電の風車。
これ全部が同じフレームの中に納まるなんて、それ自体なんだか彼岸のようなリアリティの薄さ。
この国をつくりあげたひとたちは、この海から世界に乗り出していったんだよねえ、などと、
安易な連想をしながら、ひたすらサクサク歩いた。
こういう時の、かつ浮かびかつ消える思考(と言うほどのものでは全くないけど)の
たゆたいみたいなのが好き。
観光地や美術館に行くのも、もちろん楽しいけれど、こういうエアポケットみたいな
時間と空間の記憶のあざやかさは、また格別。



ほとんど予告でわかってしまってるのではないかとおもいますけども。
オランダの街並みを堪能したいので、レンタル屋さんにあったら借りてみたい。



きれいなんだけど怖そう。これは悩ましい。今週末(10/25(土))公開。
北米の風景とフランス語と言う組み合わせは新鮮かも。

※大丈夫とは思いますが、R18でない方の予告。そう、R18の方の予告もあるのです。そういう映画です。
と言う訳で、苦手な方はご注意を。



観たら後悔する自信満々。しかし気になってしょうがない。上映期間短そうだし。
レンタルで探すの大変そうだし。一番困るパターン。

 

by chico_book | 2014-10-24 01:32 | 日々 | Comments(3)

Commented by conatsu_cafe at 2014-10-24 12:38
こんにちは!
富士山がくっきり!いいですね〜。うちはベランダから頭が
ちょこっと見えるくらい。
でも、山が見えるって気分が弾みますよね。
同じ横浜でも北部と南部では年間平均気温も違うような
気がして、桜の開花状態も微妙に違っているのがおもしろい
なあと。

あれから10年なんですね。。オランダで聞いてびっくり
されたでしょう。そういうときに外から日本を見ると、
受ける印象が違ってきますよね。
でも、旅は行けるときに行かないとなかなか難しかったり
するから、いろんなことがあっても、いい経験になりますね。

↓松苗あけみ、好きでしたよー。ぶーけとかあと別マの漫画家さん
も好きだった。松苗あけみの純情クレージーフルーツは相当
ハマってました。ほんとに美しい絵でしたね。なんとも芸術的な
くらいの。小田島先生とかよかったです。
Commented by chico_book at 2014-10-25 01:20
コメントありがとうございます!! 
富士山がくっきり見えるのは、うちからではなく職場です。まわりに高い建物がないこともあり、浮世絵か! と言うほどにはっきり見えます。いつも富士山ってずるいなあと思うんですよね。日本一高くて、あの美しさ、そしてそれを存分に見せつけるあのロケーション。たとえば○○連峰のなかのひとつが実は日本の最高峰でした、と言うのとはずいぶん違う。ちなみに、天気の良い日はスカイツリーも見えます。うちの職場の数少ない(笑)長所です。自宅からは見えませんが、建物の外階段からははっきり見えるので、時々(わざわざ)富士見に行くのもまたたのしい。
そうそう、横浜って結構幅ありますよね! 実際、びっくりするほど広いし。もっと海の方に行くと、またいろいろ違うようです。あと、橋本・相模原方面に行くと、富士山と大山山系が巨大でびっくりしたり。学習能力ないので、いつまでも新鮮で楽しいです。
※続きます
Commented by chico_book at 2014-10-25 01:26
中越地震、そんなわけでいまひとつ現実とリンクしておりません。天井下にとりつけられたごくごく小さいテレビだったので、映像との距離も取りやすかったのかも。そう思うと、大画面テレビってうっとうしい存在かも(しかしうちのテレビは「映画好きだから」という理由で42型…さすがに少しやり過ぎ感あり)
ほんと、旅は結構思い切りが大切ですよね。旅に出て後悔したことってまずありません。それなりに手こずってばかりいますけど。最近はちこにゃんもいるし、すっかり海外はご無沙汰ですが、こうして文章にしてみると、また行きたい気持ちがむくむく湧いてきます。
松苗さん、すばらしく美麗で華やかでしたよね! 純クレ(タイトルも秀逸)の、コミカルな中のせつなさとか弱さとか、真剣差がそのままギャグになるところも大好き。花椿くんとか!! クラスでわあわあ読んだなあ。何その青春ぽいエピ。

小田島先生!! なつかしい! ここにも眼鏡・先生・細身男子がいましたね!! すんごく難しいテストをつくって(ぼろぼろの結果を)採点しながら「これで辞められる、やっぱり俺は教師に向いていない」とかいうあたりが、ダンディで渋かっこいいのに駄目っぽさがあってよかった。
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