迷ってはいないと思いながら、少しはずれた小路を歩く

『フランク』を観てきました。



おめんの作り方に続いて、2:43あたりから予告になります。
フランクの、感情のよみとれない「NO」がくせになる。

奇妙な被り物をした『天才ミュージシャン』フランクと、天才になりたい音楽青年・ジョンの物語。
ものすごく奇妙な物語でした。奇妙で、軽快で、笑えて、悲しみに満ちている。乾いた映画。
奇妙なひとたちが寄り添って反発しあう物語。
核になるのは音楽ですが、彼らを徹底的に損なうのもまた音楽。
実在したミュージシャンをモデルにした作品のようです。

ありえないような変な人物の、変な話のそこかしこが、リアルな重みをもって胸に突き刺さる、
笑ってしまって、それからふと真顔になる、そのときの自分の顔は、
もしかするとフランクに似ているのではないかと思う。

人生で奇妙でない局面などなく、そしてそれはいつも取り返しのつかない苛酷なもので、
私たちはその中を日々、歩みを進めるしかないのだなあと思う。しんどいやん。しんどいけどしかたないやん。
そしてそれは、年を重ねても、変わることはない。
コツはつかめるかもしれないし、慣れることはあるかもしれないけれど。

よい作品です。年の瀬、こころがざわつく季節になる前に、観ることができてよかった。

セケンノハテマデ(2)

セケンノハテマデ(2) (モーニング KC)

サラ イネス / 講談社



音楽つながりでこちら。11/21に最新刊・2巻が出たばかり。
メジャーデビューしたばかりのバンドが主人公。
曲を作ったりライブツアーに出たり、成功したり喜んだり、色恋沙汰で悶々としたり逃避したり、
それを拾ったり拾われたり。猫も大活躍です(最重要)。

人物の視座が多角的に入れ替わり、それが全然不自然ではない、サラ・イネス一流の腕前が光る作品。
いやあ名人芸。この名人芸を味わうことができて、心からうれしい。
エピソードのひとつひとつは、もしかするととてもささやかなもので、
私の周囲にあるものとさほど変わらないのかもしれない。
(ミュージシャンやデザイナーと言う、外面的な華やかさはないけれど)
でもそれを拾い上げて肉付けするのが作家の視点であり、力量。

まさかのキャラクターの登場で『往年のファン』(帯より)は喜んでしまいました。
よかったなあ、頑張ってたんだなって。
こういうの、見様によっては作者の自己満足になるかもしれないけれど、
単品でも充分おもしろいから大丈夫だと思います。
(旧作のキャラが登場しています。こういうのもカメオ出演っていうの? それともスターシステム?
※よくわかっていません)
でもあんまり増えすぎると難しいかな。いっそ完全にそっちにシフトもありかと。
私は往年のファンなのでだいじょうです。
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by chico_book | 2014-11-30 17:12 | 映画 | Comments(0)

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