はじめてのひと(推定)に再会

たぶん、わたしがはじめて観たフランス映画。
86年公開と言うことなので、公開当時ではないと思います。
あるいは(当時は今よりもタイムラグが大きくて)九州に来るのが遅かったのかも。

同じ監督の『ポンヌフの恋人』を観たのははっきり記憶しているので、
もしかしたら記念上映とか、そういう流れかもしれません。

『汚れた血』



ながいこと休館していた横浜・伊勢佐木町のシネマリンが、
12/12(金)にリニューアルオープンしました。公式HPはこちら

近くの『ジャック&ベティ』にはちょくちょく観に行くので、
その都度目立つ場所にある看板を、ちょっと寂しい気持ちで観ていました。
ミニシアター冬の時代、なんていう言葉も聞こえてくるし、
都内でも閉館のニュースをよく聞きます。
実際『映画代って高くない? 』といわれることもしばしば。
(そうとも言えるけども、その分いいこともあるので、なるたけ劇場に行きたいな、というのが私の見解)

そんな時に、うれしいリニューアルオープンのニュース。
なんと、長年映画サークルで活動されていた方が、劇場を買い取って(!!)
オーナーになられたのだそうです。すごいすごい。

休館していた伊勢佐木町「横浜シネマリン」が復活オープン(横浜経済新聞の記事です)

オープニング上映はジュリエット・ビノシュの『おやすみなさいをいいたくて』。
でも私が見たのはそれではなく、オープン記念『ジュリエット・ビノシュ』特集と言うながれ。

『もし君とすれ違ってしまったら、全世界とすれ違うことになる』

ハレー彗星が近づいて、異常気象に見舞われる近未来のパリが舞台。
愛のない性行為で感染する奇病が蔓延する陰鬱な世界。
煙草をふかしまくる登場人物たち、ヘルメットなしで乗るバイク、
大きい径の華奢なハンドル、四角いフォルムのオープンカー、
窓から身を乗り出し、電話線ぎりぎりまで受話器を伸ばす姿。
ものすごく80年代な世界観。
そんな(陰鬱な)パリのかたすみに置かれた宝石のようなヒロインと、凶暴で純粋な恋情。

それこそハレー彗星のように、暴力的に、突然遠くからやってくる、不意打ちのような気持ち。
じぶんではどうしようもない、野蛮でアウトオブコントロールな衝動、まじりっけなしの恋そのもの。
それらがものすごく鮮やかに、くっきり刻まれている作品です。
不意打ちの張り手のよう。指紋や手相までうつしとられるような激しさ。

何よりも色彩の美しさ。あざやかさ。疾走感。
この作品のジュリエット・ビノシュのうつくしさは、ちょっと度外れています。
完璧に清らかなのに、みるものの心を奪い、運命を狂わすファム・ファタル。

この映画のせいでわたしは、どんなジュリエット・ビノシュを観ても
「おかしいな、この人もうすこしきれいなはずだよほんとは」
と思ってしまう呪いにかかっております。大変失礼なお話なのですが。
『ショコラ』とか大好きなんだけど、それでも。

とにかくすごい。こころ打たれます。ぐわんぐわんゆすぶられます。

撮影当時26歳の監督レオス・カラックスと、ジュリエットは恋人だったのそう。
これほどの想い、これほどの情熱で、いかに彼女を美しく描き出すかにこころを砕き、、
いかに自分の恋心をつたえつくしたか。
そう、主人公アレックスが語るアンナへの恋ごころは、
そのままカラックスが主演女優にささげる言葉なのです
そんな自家中毒のような展開も、あまりにも美しいのですべてゆるせてしまう。

古い作品だしいま観るとどうかな、思い出補正だったらさみしくなるかも、とか、
レンタルでもいいんだけどねぇ、などなど思いながらも
(シネマリンへの興味もあって)劇場で観てきましたが。いやよかった。
まったく心配いりませんでした。

そして、完璧に劇場向きの作品です。レンタルして家で観る、と言う再会でなくてほんとによかった。
築60年のビルの、リニューアルしたての劇場と言うシチュエイションはパーフェクトと思われます。
少なくともピカピカキラキラ最新の商業施設のなかの映画館で観るのとは、
ずいぶん印象が違うと思います。
 
とは言え荒削りと言うか、若さの勢いだけがほとばしっているところも結構あるし、
いかにもな80年代な部分もあるので、そのあたりは好みが分かれそうではあります。
個人的には、わたしはバランスの良い作品よりも何かそういう突出した
引っ掛かりがある作品が好きです。もちろんその引っかかりがなにか、にもよりますが。

そんなシネマリンで、わたしが(渋谷で)見逃した!! と、
悲嘆に暮れていたこちらが上映されます。2015/01/10から!!
わあい! すごくたのしみ!! 今度は見逃さないよ!

『白夜のタンゴ』



いつ見てもわくわくする。あらゆるシーンが気になってしょうがない。

まっすぐで痛々しくてきれい、どうしようもなく野蛮な衝動と言えばこのヒト。



青春の痛々しさ愚かさかわいさを、いまも実感持って、そう、過去のものとしてでなく、
リアルに歌ってくれる靖幸ちゃん。ほらね、と笑ってくれる岡村ちゃん、いや、岡村先輩。
青春とは季節ではなくて心性なのだとわからせてくれる50歳。
靖幸ちゃんがいてくれてよかった、と思う。
[PR]

by chico_book | 2014-12-16 01:06 | 映画 | Comments(0)

名前
URL
画像認証
削除用パスワード