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ひとりごとのような威嚇

※続きです。

待合室はワンちゃんでいっぱい。
こちらの病院は、ワンちゃんしつけ教室にも力を入れているので、それもあるかもしれない。
待合室は狭く、病院のそとで順番待ちをするワンちゃんと飼い主さんも多い。

お隣には三ヶ月のトイプーさん、二回目のワクチン。
遊びたい盛りでみんなにあいさつしまくり。かわいいかわいい。

『でも犬見知りで、ほかの犬がいるとおとなしくなるんです』

とのこと。ちっちゃなしっぽがちぎれそう。
ほかにもいやいやモードで、完全に引きずられてくるコッカースパニエルさんや、
ペットホテルステイのお迎えが来て、大興奮するシーズーちゃん。
みんな本当にかわいい。
かわいくてたのしくなるけど、見慣れない空間に匂いに音に声、
ちこには本当に怖い空間だと思う。ごめんね。がんばれがんばれ。

小一時間ほど待って、診察室に。

「はい、それでは飼い主さん出してください」

踏んばるちこ、意地でも出ようとしない。
結局病院の方に手伝ってもらってひっぱりだすことに。
いやそうだけど、ごめんね。こらえてね。

まずは体重測定。5.6キロ。むむ。

「うーん。メスにしては相当大きいですね。
この子、骨格も大きい方ではないしね(女の子の標準という意味だそうです)
ちょっとよくないよ」

これでもほんのり痩せたんだけど、とはとても言えず。
昨夜話を聞いてもらった、ねこマエストラのうちの姫にゃんは
3キロ前後だといってたなあ、そういえば(涙)。さすがマエストラ、理想的だ。

つづいて検温。体温計をおしりに突っ込まれて小さく「ぅぅぅー」と唸る。
がんばれがんばれ。ドクターと、スタッフの方と、わたしと、4人がかりで励まされるちこ。
39度ジャスト~39.1度。うん、高めではあるけどまあ平熱ですね、とのこと。

目と鼻とお口を見てもらう。涙はたしかにひどい。
でも鼻水もないし、おくちも特に異常はなし。

症状としては、
「だるそう/元気ない、食欲落ち気味(食べなくはない)、涙とくしゃみ」
ということで、以下の診断をいただきました。

「軽いねこ風邪でしょう。
抗生物質、飲み薬もあるけど注射の方が簡単ですよ。2週間きくし」


ということで、おしりにちっくん。
ちこにゃん、ものすごく小声で『しゃああああああ』と言いました。
聞こえるか聞こえないかのかすかなシャア。
なんてかわいいの。なんていたいけなの。言わずにはいられなかったのね。

ついでに爪切りを全部してもらう。
私だとなかなか切らせないつめもあるのですが、
すごいスピードでぱちぱち処理される。

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いやーんはなしてぇ、もうやだ!! と言いたげな、
でも抗う元気がちょっとないかんじ。
かわいそうでかわいくて、なんだか涙が出そう。

「うわーこの子は爪とぎ大好きですねえ、よくとがってます」
固体差あるなんて知らなかった…。うーん、女子はネイルが好きってこと?
しかしそんなご自慢のつめもあっという間になくなっちゃう。

ひさしぶりの病院なので、健康診断。おなかについてる脂肪をもまれるちこ。

「ごはんはロイカナのダイエットフードを計量しているし、
つまみ食いとか一切しない食い意地のはってない子なんですけど」

「市販のでしょう? ぬるいやつだよそれ。ちゃんと療法食にしたほうがいいよ。
ただ高いからおすすめしにくいんだよね。試食品を何種類か出すから、試してみて」

血液検査のための採血。右の前足から。

「注射器を見て怖がる子もいるので」

と、エリザベスカラーをつけられるちこにゃん。

「飼い主さん、お顔を見てあげてくださいね」

とのこと。はりきる飼い主。がんばるちこにゃん。おとなしくおててを出すおりこうちこ。
大丈夫大丈夫、がんばれがんばれ、とあごをなでる。

それから点眼と点鼻薬を出します、という説明。
1日2回、こんなふうに使ってね、という説明と、見本と、軽く練習。

「血液検査なんだけど、2種類あって、簡単なのは30分くらいで結果出るよ。
外部業者に出す検査もあるから、どっちみち今日ぜんぶは出ないけど、どうする? 待つ? 」

「いや、早くおうちでくつろがせたいんで、帰ります」

「そうだね、それがいいかも。じゃあ検査結果は来週になります。
もし緊急性のある内容だったら、そのときはすぐに連絡しますね」

「はい(……怖)」

ほっとひと息ついて待合室へ。
診察室に入る前は、ワンちゃんが多かったんだけど、
にゃんこの患畜さんがぐっと増えて、にゃあにゃあ声が聞こえてきました。

驚くことに、ほかのにゃんさんの
「にゃぁん」

「みゃぉん」
とお返事するちこ。
なになに、なんですかちこ。かわいいじゃない。先輩ぶってるの? 
大丈夫よ、こわくないよって言ってあげてるのかな??
(さすがにじぶんでも夢見すぎ発言、と思いつつ、いわずにおれない)

相手はちょっと大柄なキジトラさんと、小柄な黒白はちわれさん。
飼い主さんと、静かにアイコンタクト。

そして前から思っていたのですが、ちこにゃん声が高いのです。
人間だったらもしかしてアニメ声と言われるかもしれないハイトーンボイス。
なかなか直に会話しているところを耳にする機会がなかったので、
確認できてやや感慨深く。まあ、単純にかわいいなって言うだけの話ですけど。

そして忘れていた恐怖のお会計は、2.7万円(健康診断の諸々検査代込み)。
お財布には2.5万円しか入れてこなかったので、カード使えてよかった、と、一安心。

帰宅後、ちこはキャリーを開けるとすぐに出てくる。
診察台の上で踏ん張った態度とは真逆。
じぶんからすぐに、とことこと。自分のおうちだって思ってるんだね。
やっぱり、早く連れて帰ってよかった。

ベッドの上で、ふう、とため息をついてしずかにまるくなったちこ。
私は他の部屋で、いないふりをする。その方がおちつくかなと思って。
しばらくすると、かすかにちょ、という音。とん、という音、砂の粒がおちる音。
ストーカーのようにそぉっとのぞく。ちっちしている。よかった。ほんとうによかった。

夜、ソファーの上でまるくなるちこの口もとに、お水を持ってゆく。ぴちゃぴちゃと飲む。
やっぱりそのピンクの小さい舌の動きを、真剣にみつめる。
毎日毎日見ている行為なのに、なんとありがたいことか。

ちこはいつもベッドに来るねこなのに、昨晩は来なかった。
ずうっとソファーで過ごしたらしい。ちょっと寂しい。
でも、あたたかい季節になるとそういう日も、ぽつぽつある。
だから心配しなくていい、と、自分に言い聞かせる。もちろんまだそんなに暖かくないけど。

ちょうどいい機会だということで、今日はベッド関係の布ものを洗濯。
ちこが寝ていたらかわいそうでどかせられないもの。
シーツをあたらしくしたころに、悠然とちこ登場。いつものちこらしい。
でもやっぱりちょっとおとなしい。お布団の上でまるくなる。無言。
ねこがおしゃべりするときは不満のある時だけ、とも聞くから、
心配しなくていいのかもしれないけど。

膝の上にのせて、教わったとおりに点眼点鼻。
昨日の夜よりは、嫌がる動作が強くなった。うれしい。
投薬しづらくなるのは困るけど、うれしい。

さきほどようやく、自分でふつうにカリカリを食べて、お水を飲み、ねこ草もあぐあぐ。
いつもの場所で、いつもどおりに。まだ量は少なめだけど。そしてトイレも両方。
ああ、ちいちゃくかわいい前足で砂をかく音をどれだけ聞きたかったことか!!

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自分から、いつもの椅子にも乗りました。

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ちょっとかわいそうなことになっている涙目。
でもぽっちょんがんばるからきっと大丈夫。

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弱っていても安定のどや感。

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そしていただいた試供品。
いままでヒルズはあんまり好きじゃなかったんだけど、
r/dはふつうにしゃくしゃく食べたのでちょっと安心。

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それにしても容赦ないパッケージだなあ(価格も容赦ありません)

※追記※
かわいそうな涙目写真を見ていて、ふっと思い出しました。
お外の子時代、ベランダからうちをのぞき込んでいた、古い写真。
(網戸はじめいろいろあまりにもアレなので、ちょっと遠慮したいのですが、あえて)

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目元のしぱしぱ、ほぼ同じ状態に見えるような気が・・・・・・。
(知ってたけど)ほんとにねこ風邪キャリアさんなのね。
ケアのポイントになるわ。
安心も少しだけ、なにより覚悟とか決意とかが深まりました。

by chico_book | 2015-03-22 19:16 | ねこ | Comments(3)

Commented by conatsu_cafe at 2015-03-23 19:59
ちこちゃん、頑張りましたね!
さすがこころの志摩稲子。女の意地、見せてやるにゃー!!
でも、いやーんはなしてぇ....のちこちゃんがかわいそうなのに
可愛過ぎて目が離せないです。ぷっくりしているのも魅力的なのにほんとになんともストレートなメタ・・・。
まりちゃんもヒルズの療法食で、c/d マルチケアコンフォート。
FLUTD(猫下部尿路疾患)と、ちょっと人ごとではない
説明書き。わたしもヒルズはう〜ん・・・って感じだったのですが、
まりちゃんは食べてます。ただ、今のが終わったら、国産の
FLUTD用のごはんに変えようかなと考えていますが。
確かに猫の年齢は考慮しないといけないですね。うちは
10歳の秋。人間でいうと56歳ということで、やはり、55歳を
過ぎると体が以前とは違ってくるのかもしれないですね。
弱いところが出てくるというのは人にも当てはまることだし。
まりちゃんが具合の悪くなったときは、お天気が不安定で、
私が留守で帰りが遅くなったときだったりしたので、
猫は不安で病気になるのかも。。と 思ったりしました。
病院の先生からは「ジルケーン」という、精神安定の
サプリをすすめられて試してみました。もしかしていいのかな?
主な成分は牛乳由来のガゼインのようです。

ちこちゃんもちこぼんさんも少しずつゆっくりと過ごして
くださいね。
ちこぼんさんも温かい飲みもので疲れをいやしてくださいね。


Commented by chico_book at 2015-03-25 07:22
conatsu_cafeさん、もうもう、ほんとにありがとうございます。
食べ物に興味のないちこですが、
元気のない時にメディファスを食べてくれました。
ほんとに、どんなにほっとした瞬間であったことか。
こころからありがたいです、まりちゃんお姉さまのご紹介のおかげです。
そしてこんなに嫌がっているのに写真を撮るなんて、
おいらもなかなかのワルでござんす。
病院激混みで、先生もスタッフさんもちょっぱやなので、こちらもどうしよう、とか思う間もなく素早くパチリ。この二枚が精いっぱいでした。

ちなみにドクターはカルテをめくって
「4年前は5.2キロだからねえ。5キロを切ることを、長期的な目標にしましょう」
と言ってくださってます。
そして試供品のヒルズをおいしいおいしいと食べるちこ。
安心しつつも、安心しきれない(笑)
これは…大袋を購入すると途端に食べなくなるパターンかも。
悩ましいなぁ。ちこも気に入ってくれて、本当に体重に効果があるのなら、
なんて考えてしまいます。
精神安定のサプリ、気になるなあ。飲ませるの大変そうだけど。
町田康さんも、猫エッセイの中で体調を崩したねこに
すっごくうさんくさいものでも、うさんくさいとわかっていても
すべてためしてみる、という話がありました。そうだよね。
なんでもいいのよ、結果が出れば。白いネコでも黒いネコでも(少し違う)

Commented by chico_book at 2015-03-25 07:22
※続きました

泌尿器関係も、にゃんさんにはつきものだし、
何よりきりきりしみるような痛さを想像してしまうので、
まりちゃんのこと思うと、ほんとに考えどころですよね。
最近の療法食は、にゃんの食いつきがよくなっているのだそうです。
ありがたいことではあります。
にゃんさんたち、環境の変化やストレスが体に出るケースが多いみたいですね。
実は私、ちょうど引越しをちょっと思い悩んだりして、
不動産屋さんに行って物件見たりしてたんです。
なのでそんな私の思い悩む気持ちをくみとっちゃったのかな、とも思います。
こんな小さな体なのに。ごめんよう。
ほんとうに、しっとりと人の心に寄り添う生き物だわ。
おかげで、土日の予定ぜんぶ吹っ飛びましたが、
このところばたばたと無理して動いていたので
『強制シャットダウン』的に『おうちにいなさーい!』と
いうことだったのかな、なんて。
のんびりはできませんでしたが、ありがたいご配慮です。
さすが姫。ノブレスオブリージュ的なにかかも。

花冷えというには、まだすこし早いかな。でもそういう寒さですね。
ほんとうに気温の変化が激しいので、
まりちゃんもconatsu_cafeさんも、ぽかぽかにしてゆったりお過ごしください。


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