花ざかりの5月
麦茶はじめました。冷蔵庫の自動製氷も、フィルター交換してスタート。
季節限定カフェ『夏至茶屋』にも行けたし(ことしは4/20-11/30)。
※HP ※食べログ
こちらのお店には、おととしまでは看板犬である黒ラブのラブちゃんがいました。
お行儀よく挨拶してくれる、おりこうさんのいい子でした。
大きくて穏やかで礼儀正しい。まさに看板犬の鏡。
『このおばさんねこくさぁい』
って、いつも思われてるんだろうな、なんて思いながら、
おずおずと撫でさせていただいてました。
ひっそりと飾ってある、ちっちゃな黒ラブのぬいぐるみに胸が熱くなります。
駅から少し離れていますが、ひっそり落ちついたいいお店です。
地元の人気店なのか、お客さんはひっきりなし。
リラックスしててくてく歩いてくる感じの人が多くて、
そこもなかなか素敵。
よく散歩に行く公園は新緑がまぶしい。ほんとうにまぶしい。
目が眩むほど。
この公園では、近くの高校の生徒さんたちが、
6秒動画にあげるダンスの練習とか、
ツイッターにのせる「かめはめ波」的な映像(か、なにか)に
一生懸命トライしている。なんだかきらきらまぶしい。
すくすく、ということばが聞こえてきそう。
※イメージです
この、結構育っちゃったけどまだたけのこ、な感じが
なんとはなしにティーンエイジャー。
タイトルは『若草物語』の、ルイザ・メイ・オルコットの
『8人のいとこ』の続編『花ざかりのローズ』より。
(まさかの絶版…少女小説の古典だと思ってたのに、というか、古典ならでは、ってことなのかしら)
大変な遺産を相続するローズが、
タイプの違う7人のいとこ(全員男子)の、
誰と結婚することになるのか、うんちゃらかんちゃら…ってこれ、
女子向けゲームかなんかにしか聞こえませんね。
古典の力ってこういうことなのかも。
『マーチ家の父』
『若草物語』で描かれなかったマーチ牧師を主人公にした物語。
2006年刊行なので、当然オルコット作品ではありません。
こういうのってメタものっていうんですかね?
南北戦争の歴史小説としても興味深いです。
『アンの娘リラ』を、第一次世界大戦時の
カナダの家庭の銃後生活記録、として
読むようなものではありますが。
”説教がましい”と言われることもあるオルコット作品ですが、
本作の作者あとがきで
「『若草物語』を愛読する私に、
『このマーチ夫人って人間くらい、正義面が鼻につく人間はいないわ』
と、母は言っていました」
という文章が(確か)ありました。
たしかに理想主義的というか
道徳的な正しさ、の色合いは強いですね。
しかしマーチ牧師のモデルとなったオルコット自身の父親が、
かなり激しい奴隷解放論者で、キリスト教の理想に生きて、
家庭人としてはちょっと大変な人物だったということをふまえると、
見え方が違ってきます。
ともあれ『若草物語』も、『花盛りのローズ』(原題は『Rose in Bloom』)も、
なんとも5月にふさわしいひびき。
オルコット女史、ミドルネームが「May」だしね、と、日本語英語ちゃんぽんで、
こじつけじみたことを思います。
まさに花盛り。
花ざかり、ということばで連想するのはこちら。
理由は、作中で見事に展開されるので、あえて説明しません(出来ません)
よしながふみさんの作品を読んでいると、
まんがというよりは脚本のように思えることがままあります。
特に向田邦子氏に似た空気を感じる。
この表現をありとする、そこがまんがというジャンルの
懐の深さすそ野の広さなのか。
(よしながさんご自身のまんが愛はビシビシ伝わるし)
いずれにしてもこの才能がまんがという表現を選んでくれたことに、
いちまんが読みとして感謝。
痛さも迷いもみっともないじたばたも、すべてまぶしい光に思える作品
まあ年のせいでもあるのですが。たぶん。
こんなただの小路も、まぶしくたのしく心地いい季節。
こちらは、昭和の『趣味の園芸』では「のぼり藤」と称されていたルピナス。
いまでもいうのかな。
by chico_book | 2015-05-04 21:43 | 日々 | Comments(0)