半径500メートルの秋
南天の実が少しずつ色づいているのに気づきました。
この南天の木ですが、7月に小さな白い星のような花が
咲いていました。そして、そこには
『花をとらないでください。赤い実を楽しみにしているひとがいます』
と、貼り紙が。確かに白い小さい花はかわいいね。
花で良し、実で良し、名前は難を転ずるとはまあ完璧だわ、
なんて思ったのも、ずいぶんと前のような、そうでもないような。
『南天の花』は仲夏の季語なのだそうです。
秋のお彼岸。ほんとうに律儀に出て来る彼岸花。
たまには忘れる年とかないのかな、なんて。
ちょっと褪せたような優しい色あいが、
こころもとないような秋風の季節にぴったり。
彼岸花の花の時期は短くて、終わるころには、
空気が甘い芳に満たされます。きんもくせいが来る。
(再掲です)
・・・実はこちら、7月に撮影した写真なのですが、
にゃんの後ろに写っているすっくと伸びた茎。
なんだろう、と不思議に思っていましたが、
なんとなんと彼岸花にそっくりの花が咲きました。7月なのに。
ちょうどそのころ葬儀がありましたので、間違えたふりをして、
その姿を見せてくれたのかな、と思うことにしています。
曼珠沙華は、サンスクリット語で「天界に咲く花」の意味だそうだし。
重なるように咲いた、色違いの彼岸花。
歩道のすみっこ、民家の敷地のきわに咲いています。
私の田舎では、は田んぼのあぜによく咲いていたのだけれど。
この場所の近くには、田んぼもあぜもありません。
少し色あせはじめた銀杏の葉色。
二ヶ月後には、木全体が燃え上がるような黄金色に。
巻き毛カナリア、あるいはオスカルさまを思い出します。
そう思うわたしもやっぱり律義なのかも。
いつのころからか、日々変わりゆくイチョウの葉の色合いに
(ニンゲン年齢だと)何歳くらいだろう、
もっと正確に言うと、私より年上かしら、と、
ついついついつい埒もないことを考えてしまいます。
あんまりいい考えじゃないよね、とは自分でも思うのですが。
たわわなどんぐりはまだまだ青い。
じきに、タイワンリスさんたちのごはんになります。豊穣。
ひとつきもすると、音を立てて道路に降るようになります。
鹿威しのように、ぽと、ぽと、と、音を響かせて道に転がるどんぐりの雨。
うっかり転びそうになることもあるし、あえて踏むのもたのしい。
いくばくかの罪悪感もあるけれど。
たぶん(紫式部ではなくて)「こむらさき」かな。
紫の実は、小鳥のごはんになるのだそうです。
あちこちに豊かさのひそむ秋。恵みをしずかにわかちあう季節。
つる植物の先っちょの愛らしさ。
でもつる性の植物は、春夏の印象が強いので、
この時期にみるとちょっと切ないかな。
きゅるるるん、と巻きついています。かわいい。ひたすらかわいい。
でももう秋だよ、大丈夫かな、なんて、よけいなことを。
秋風の吹くころには、気配をささやかにするような日本朝顔。
花のあとの充実と、しずかに色をかえはじめる葉っぱ。
饒舌なおしゃべりの後に、ふっと訪れた沈黙のようなやさしい風情。
おしろいばなの赤は、夏の名残。
日向ぼっこ中のにゃん。
黒いにゃんにとっては、ようやくしのぎやすくなった季節でしょうか。
はちみつ色のおひさまをたっぷり毛皮にしみこませてね、と、
お祈りするとおりすがり。
16時過ぎには、陽ざしがやさしくなりはじめる9月。
にゃんにとって快適な季節は短いのかもしれない。
連休満喫にゃん。投げだされた後ろ足が(きっと)甘えの証。
お天気が良いので、ラグ洗濯三昧ということで代理のバスタオル登場。
一日中甘えんぼでまあうれしやかわいやいそがしや。
(しかしあんまりにもスネコスリで、うっかりしっぽを踏んでしまいまさかの土下座)
by chico_book | 2015-09-21 21:43 | 日々 | Comments(2)
彼岸花。曼珠沙華。独特の存在感がありますよね。びっくりするくらい
赤いところも。色違いはあまり見たことないかも。生命力が強いのか、
この季節、必ずどこかで咲いてますね。やはり不思議な華。。
春の花たちと違って、秋の花はたおやかな印象があります。厳しかった夏を
乗り越えたからこその美しさなんでしょうかね。
花は毎年、同じ季節に咲くけど、それを眺めるひとの心は変化しているのだなあと
この頃、自分の人生も秋だわーと感じたりしてます。ときどきそう思うのも
まあありなのかも。でも、いつもそんなことばかり考えていると
行動が内向きになりそうなので、まあたまにはということにしておこうとか。
普段は、どうやってこの局面を乗り切ればよいのだろうとか(雑念だらけ)、
ただぼーっとしたりとか、目の前のねこに心を奪われてます。
ちこにゃん、秋のバターミルク。見るたびうれしくなるかわいらしさたっぷり。
今、まりちゃんもしっぽだけカーテンのすそからはみ出していて、そ
のなんともいえない小さな動きを見つめている午後のひとときです。
(ちょっと日差し強いけど。AOBは本日も晴天)
こちらも一瞬なんですよね。一瞬だけど町中を染めあげてしまう。
そして本当に秋になるなあと思います。
たとえばこの写真の銀杏だと、まだまだ…
アラサー??………いやも少しかな、34歳くらい?
なんて結構リアルというか生々しく考えてしまっております。
ほんとに、ここ数年です
そんなこと考えてしまうようになったの。
これからもっと、そういう局面が増えてゆくのかな、
なんて自分でも思います。しみじみと。
でもそういう気持ちにとらわれ過ぎないように。
ただ空の青さを知る、の精神で。
連休中思い切りぼーっとしました。
ちょっとデフラグというか放電というか、
『二週間はないとバカンスとは言えない、
最初の一週間で体制を整えないと
ちゃんとエンジョイできない』
説に説得力をかんじております。
二週間も休んでないけど。
おうちのメンテナンスとか自分のメンテナンスとか
4割も終わってない感じで、しょぼんですけど、
しょぼんとしててもいかんいかん。
秋のバターミルク…。
こころがホロリとやさしくほどけるような表現、
ありがとうございます。
ずうっとおうちにいると、
ちこもずうっと甘えていて、
ちょっとお出かけしようとすると、
玄関までついてきて、こくびをかしげて
ぽてん、と横になるのです。
「…いいの? ちここんなにかわいいんだよ、
お出かけしてる場合なの?? 」
という態度。ぅぅ!!!
いま書いてて気づきましたが
いくえみ先生の描くきなこちゃんとか
先生のお姉さまのキュウちゃんとかに
似てる気がします。やっぱり女子だわぁ。
まりちゃんはもう少しおっとりというか、やさしげ。
芯は強くても、我は強くないイメージです。
勝手なイメージですけど。思慮深いというかんじ。
しずかできれいで、秋の夜のイメージですね。