ショウマイフラッグと言うと大げさすぎるかな
真田丸おもしろいんでないの?
と、思いながらわくわくそわそわ見ていたのですが
確信しました。これは面白いです。
めっちゃすごくおもしろいものを見せていただいております。
もう1/4も終わってしまってるんですよ!! 嘘みたい。
あと3/4もあるんですよ!! わーいわーい!
というわけで ちこぼんは真田丸を全力絶賛期待します。
ここ最近のこの三話で確信に変わりました。
きっとこれ最後まで楽しめるワタシ!
最大のポイントだったきりちゃん案件に
とりあえず自分なりの結論が出たので
たいへんすっきりしています(安心安心)
以下無駄に暑苦しいので畳みます。
(見ていない方にはわかりにくい内容となっています)
(ネタバレ全開です)
第八回『調略』で、父と叔父の策略に呆然とする信繁(堺雅人)。
「わたしはあのひとたちがおそろしい」
自分の読み切ることのできなかった『策』の深さ黒さ、
若く青々しく溌剌と
『私も立派な真田の男になりたい!』
と主張する信繁くんとの対比。
信繁に、静かに
「儂のようにはなるな」
と言う信尹叔父上(栗原英雄)。
信繁君は次男坊で、嫡男である信幸お兄ちゃん(大泉洋)の前に
出ることは決してない存在。
それは昌幸パパ(草刈正雄)に対する叔父上とぴたりと重なります。
つづく第九回『駆引』で消化しきれない
(まっくろい)(変幻自在の)父への違和感と、
その暗黒面に魅かれる自分がいるとまどい。
そんな自分を肯定してくれる、前を向かせてくれる初恋のひと・梅(黒木華)がいる。
そんな、さまざまにマーブル模様の気持ちのまま
信繁は進んでゆくし、昌幸パパは安定のまったく
ぶれることのない真剣味のある謀略家。
信幸兄は父を尊敬しついていくけれども、その策士ぶりをよいとはしていない。
そしてその気持ちを見逃さずに心の中に置いておく。
多少の屈託も飲みこんで進んでゆく。なかよしクラブではないのだもの。
目的が一致している、自分にない部分だから信頼できる、というかんじ。
それが気持ちいいです。
大傑作の第十一回『祝言』で、描かれる婚礼と暗殺。
(実はこの記事を書いた日が放映日だったのですが、
下書きしていたものを投稿したので『祝言』の感想は入っていません。
うわしまった! と思ったのですが、それ以上あとの投稿にも
したくなかったのでそのまま記事にしました)
「結婚か! それはめでたい!! 人質の駒が一つ増えた!」
「梅は体も丈夫で、よい人質になりましょう」
と、明るく言い放つ、このあじわい。悪意のまったくない残酷さ。
自分の祝言を利用しての暗殺を、怒れなかった信繁。
『一度はやらないことを決めた祝言を、
結局やることにしたのはじぶんたちの為でなく、
相手にわなをかけるためだった』
『父上の策を読み切れなかった』
その悔しさに呆然とする信繁に
「たいせつな婚礼をこんなことにつかわれてそれでいいの」
と泣くのは、婚礼をあげた二人の幼馴染のきり(長澤まさみ)でした。
きり自身の信繁への片思いがかなわず、失恋したばかり。
そんな幼馴染同士の結婚を、こんなふうに不吉なものにされたことを、
まっすぐに怒っているきりちゃん。なにいい子じゃない(←簡単)
ひときわ現代的にも見える言動で
「C3POなみのうざさ」
と言われていたきりちゃんの配置の意味が、この時ものすごくクリアになりました。
正論で、進むべき正しい武将の道に、
(ここでの「正しい」は倫理的にではなく、真田をまもれる強さと言う意味で)
そっと寄り添って支えてくれるひとが梅だとしたら、
「よい人質になりましょう」
なんてことを、初恋で最愛の妻(しかも妊娠中)に
さらりと言えてしまう信繁の、ナチュラルボーンな残酷さは
きっとこれからどんどん研ぎすまされて育ってゆく
むしろそのことで名をあげてゆくことでしょう。
その過程ですこしずつ信繁がなくしてゆく
「あのひとたちがおそろしい」
と言っていた青々しくも若々しい「理想」や
やわらかな「ためらい」「とまどい」をなくさずにそばにいてくれる、
あるいは彼がなくしたことをきちんと気づかせてくれる、
そのために(これから先どうなるかわからないけれど)
「ストレートな言動の娘」
なんだなあと思ったのです。
(それでもおばば様人質のあたりはまあ、
いま見てもちょっとどうなのと思う気がしますが)
と、いう内容の記事を書こうとしていたら
先々週放送の第十一回『人質』で、
理想だけではだめなのよ、
理想を実現するのはほんっと大変なのよ、
それでもきれいなものをみていたいよね、
と言わんばかりの展開で
『(もう一人の父のように)尊敬し慕わしい』
上杉景虎さま(遠藤憲一さん)があらわれて
ひゃひゃひゃひゃ、っと、喜んでいましたら
先週放送の第十二回『決戦』!!
いやびっくりした。
無理矢理なほどに、唐突なほど、梅が六文銭を贖う。その意味。
予告の段階でフラグばっしばしだったのを何度も何度もへし折って、
安心させておいて最後にいきなり絶命。
これはやられました。
『赤子に乳をやらなくては!! 』
と走り回る梅ちゃんに、
何となく
「これって最近話題の保育園問題とかと
なにがしかのリンクがある演出なのかな? 」
なんてぼんやり見ていた自分の浅はかさ!!
信繁の側室としてお城に迎え入れられても、畑仕事をしていた梅ちゃん。
若様の新妻と言うよりも、地侍の娘として育ってきた彼女にとって
とても自然なことだったのでしょう。
真田家重臣の娘であるきりちゃんは、
おやつを食べながらその姿を見ているのです。
お城で赤ちゃんと一緒にいればいいじゃない、
むしろそうするべきでしょう、
乳母をつけてるわけでもないのだから、とも思うのだけれど
ふだんから『地侍の娘』として自分たちの領地は自分たちで守る
しかも兄と妹ふたり暮らし、
つまりはいつ兄がいなくなるかもしれない生活だったとすると、
自ら武器をとって戦いに備えるのも彼女にとって自然なことだったし、
その過程で乳飲み子をひとにあずけるのも当然で、
(だってそうしないと、そもそもごはんが食べられない)
つまりは子の母として信繁の妻としてお城にこもるほうが
よほど不自然なことだったのかしらなんて思っています。
敗走する徳川軍の残兵が、仲間のひそむ寺に行ったと知れば、
助けに走るのは当然。
いままでなにかと互いに支え合っていた
地侍の仲間かもしれない、と思えばなおの事。
(詳しくないのでカンで書いていますが)
当時の結婚観、あるいは嫁家と実家(あるいはコミュニティ)との
バランスと言うのはそんな感じだったのかもしれないな、
と言う意味でも、興味深く見ることができました。
「被害を最小限にすることが大切なんです」
「いくさに勝つだけではなくて、ひとりでも犠牲者を少なくすること」
とずっと口にし続けていた梅ちゃん。
数にして三倍の徳川軍に見事勝利した真田の被害は
わずか五十名に満たなかった、としながらも、
その中に梅を入れてしまう残酷さ。
いかに少なくてもその中のひとりひとりにこれだけの物語があるということ、
少なくても、その中のひとりに大切な人がはいってしまった。
父に任された大仕事を、それこそ見事にやってのけた信繁に、
己の策の成功の結果の裏返しと言うかたちで
みせるというやり方はやはりすごいなあと思います。
ほかにも市街戦の面白さとか
(私はちいさな城下町で育ったのでわざと短く曲がりくねった道とか、
二階から攻撃できるように工夫された屋根のある町屋などに、
なんとはなしになじみがあって面白さもひとしお)
やはりちょっと舞台っぽい、
限定された空間の妙があるなあということと、
夕闇から朝焼けの演出とかすごく楽しめました。
いよいよ次回からは大阪編。
秀吉が小日向さん!!
一見柔和そうでキレキレの狂気をはらんだ
底知れない怖さを持つ小日向さんが
大好きなのでとっても期待。
北政所の鈴木京香さんと併せて期待しています。
※かなりひっそりしたツボなのが、信幸お兄ちゃんの病弱な妻・おこう様。
長野里美さんではないですか!
地方の学生でしたがWOWOW加入者にお願いして
『第三舞台』の公園を録画してもらっていた懐かしい思い出。
静かながらも存在感はしっかりとあってうれしい限り。
長々しく書いてしまいましたが、
いやあんまり真面目な歴史好きではないのでいろいろご容赦のほどを(逃げ腰)
なにしろこの歌でようやく
『天正遣欧少年使節』4人の名前を覚えたくらいなもので。
とにかく真田丸おもしろいやワーイワーイ、と言うことですハイ。
by chico_book | 2016-04-06 01:27 | 日々 | Comments(0)