余裕と覚悟と深い慈しみ

キョンキョンさんのエッセイが出ていましたのでいそいそ購入。

黄色いマンション 黒い猫【特典付き】 (Switch library)

小泉今日子 / スイッチパブリッシング



読みはじめてすぐ気づく。あれ、これは読んだことがある。
『原宿百景』

原宿百景 (SWITCH LIBRARY)

小泉今日子 / スイッチパブリッシング



(全編ではありません。一部再録あり)


図書館で借りました。でもいいの。
こちらは写真もたっぷりの大判本だったので、
コンパクトな判で手元に欲しかったのです。
むしろありがたい。
(でも安西水丸さんとの対談があってそこがよかった)

小泉さんの真摯で抑制が効いているけれど
(誤解を恐れずに言えば)
上手すぎない、おさまりがよすぎないところに
するっと素の部分が出てるような文章が、
私はとても好きです。
ありがたく読み進める。
小泉さんが語る家族の話、アイドル時代の話、
ともだちの話。
ちょっとかっこいいあこがれの先輩の話を聞くように、
いや聞かせてもらうかのようにページをめくる。

『あまちゃん』の話も。
アキちゃんへの思い、春子さんへの思い、
そして能年さんへのエール。
80年代のトップアイドルだった小泉さんが演じる春子さん、
そのどこかセルフパロディのような状況を淡々とあたたかく語る。
でもそれはもう終わった役の話で、代表作は次回作、と言うような
いさぎよさがある。

私も『あまちゃん』はほんとうにたのしかったなあ、と、
ありがたくあたたかく思いかえす。。
先日の葉山海岸散歩で、『潮騒のメモリー』も唄った。
でも歌詞が、ちょっとあやふやなの。
30年以上前の『渚のバルコニー』は完璧なのに(笑)。せつない。

そして小雨ちゃんのこと。
ロシアンブルーの愛猫小雨ちゃんのこと。
泣いてしまった。不意打ち。バスの中なのに我慢できなかった。

以下苦手な人がいるかも、と言うよりは
自分が不意打ちに目にした時にびくっとするので畳みます。
小泉さんの、小雨ちゃんを見送ったことについての文章です。

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(めそめそするなんてしょうがないオトナだこと)




以下引用です。

どれだけ愛情を注いでも変わることなくいつも側にいてくれました。
かけがえのない存在なんでしょうね。愛おしいんです。
小さな骨壺におさまってしまったいまでも同じ気持ちです。
(中略)
泣きました。今でも泣きますよ。会いたいです。会いたいです。


いま私のおしりには変わらずちこがいます。
ちこがいるので、椅子に半分しか座ることができません。
それはめまいのするような、度を失うような幸福なのです。

そろそろ片付けようかなと思っているねここたつ。
この前うっかり掛布団のすみっこを踏んだらなんだか手(足??)ごたえが。
あ、しまった、と思った瞬間にこたつのなかから『シャー!』と言う声が。
あわててふとんをめくって平謝り。

ごめんごめん、悪かった悪かった、あんよ大丈夫?? 怪我してない?

完全にむすっとした表情でゆっくり出てくるちこ。
のしのしというかんじ。よかった、歩き方ふつうだね。
痛めてはいないね。

そう思う私を全く無視して、
ちこにゃんのっそりとお水を飲みに行きます。
相変わらずかわいいぴちゃ、ぴちゃ、という音(最高にゃーん)
そのあと、ゆっくりと数粒カリカリを食します。
かしゅ・・・・くしゅ・・・と言うかすかな咀嚼音。
ねこの食事の音はなんだか鍾乳洞のようだわ、といつも思います。
かすかでささやかで愛おしいけれど、確実につみかさなる感じ。
そんなふうに陶然と、そしてごめんねえ、と
背中を撫でておりました。
するとすっと振り返ったちこ。まっすぐに私を見て
「(にゃう)」
サイレントミャウ。

仰せのとおり、ソファーにお連れしてワタクシ
クッションにならせていただきます。
胸の上で箱を組むちこ。
静かな海鳴りのようにぐる…ぐる…とご満悦の声。
おひげこそばゆいですが、なんという栄誉なことでしょう。
掛け値なしマイプレジャー。
いつも完璧に素晴らしいにゃん、と
うっとり思った瞬間に

激しい脈動、そしてげぽぽ!! ひゃー! そこでですか!?
いやそれもあるけれど、やっぱりどっかいたくした??

ちちちちこ!! 大丈夫?? なんかくるしい?

と大慌てのワタクシを(文字通り)尻目に、するりと床に降りたち、
ねここたつに戻るちこ。

その悠然と慈しみを、今日も愛している。
私もちこに赦されているし、たぶん愛されている。
(と言っていいかもしれないと、ようやく最近思うようになった)

なんといつくしみ深い存在であろうか、と、
日々新鮮に飽きることなく胸をうたれつづけています。

きっといつかちこはいなくなるとしても、
それはとほうもなくつらいことだとしても 
それでもこうして一緒にいてくれる日々のことが
いとおしくてたまらない。

もしなんどでもやり直すことができたとしても、
私はきっと、
ちこのためにベランダを開けてしまう。
そうせずにはいられない。そうしない自分を想像できない。

共に過ごす日々、せめてその日いちにちいちにちを、
お互いにとってよきものにできますように。
これは私の祈りです。

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(みゃう)
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by chico_book | 2016-04-30 20:15 | | Comments(0)

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