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ビューティフルエンドレスサマー

久々に吉祥寺へ。

元気のないときは、JRで(乗り換えがあるけれど)ダイレクトに行く。
(いや吉祥寺に行くの、今回で(たぶん)2回目ですけれど)
東横渋谷乗換京王線よりややお高めなのです。
と言っても200円くらいかな。いやいやされど200円。

でも中央線が好きなので、中央線に乗れるのはちょっとうれしい。
特に横須賀線でさくさく東京駅について、
始発に乗るのがなんとはなしに旅行気分が盛り上がる(気がする)

秋葉原をながめて御茶ノ水・四ツ谷・千駄ヶ谷、あっという間に新宿。
短い間に目まぐるしく変わる街のようす。
新宿を過ぎると、おなじみの武蔵野らしい風景のなかをずんずん進む軽快さ。
すこしずつ増えてゆく緑の様子がなんとも言えずに好き。
けれどうっかりすると乗り過ごします。

わくわくしてしまうのは、もしかするとこのまんがの影響かも

中央モノローグ線 (バンブーコミックス 4コマセレクション)

小坂俊史 / 竹書房



ささやかでさりげない日常の積み重ね、
ほろ苦さいとおしさシニカルさが綿密に描写されていて
静かな良作だと思う。

そんなふうに、わくわくそわそわしていたら
案の定乗り過ごすはめに。
ひゃあ。
特別快速は吉祥寺に止まらないんですね。知らなんだ!
(何となく、乗り継ぎのある駅には停車するものだと
思いこんでいました)

国分寺までぶんぶぶーんと飛んでゆく。。
国分寺は、大学受験に来た思い出のある街。
受験生が多かったのかそういうものなのかわからないけれど、
何故か(受験した大学とは別の)国立にある大学が受験会場でございました。
とにかく建物の迫力と荘厳さにあっけにとられましたっけ。
結局落ちたので、まあどうでもいいのだけれど。

小金井の中村研一美術館には
朝倉文夫の猫たち』目当てで行きましたっけ。
いま調べてみたら2011年7月。5年前かあ。
静かでいい場所でした。
あらためてゆっくりお散歩に来たいなあ、
素敵なカフェもあったんだよね、と調べてみたら
なんと2016年3月で閉店してました…。

※はけの森オーブン・ミトンカフェは
2016年3月31日をもちまして閉店致しました(リンク

なんてこと。森の中のカフェ、行ってみたかった…。
(この美術館自体、画家のアトリエがもとになっているので
大変雰囲気が良いのです)
残念だわ、と思うものの、パンタレイと言うことですね。
油断していた自分のせいだもの、しょうがない。

すみやかに吉祥寺へリターン。
改札を抜けて(目的地と反対側の)井の頭公園側に出てみる。
散歩をしたかったので。したくてうずうずしていたので。
土曜の午後の吉祥寺は大賑わい。
老若男女、まんべんなく入り乱れるところが実に楽しい。

聞こえてくるさまざまな音楽、さざめき、
思い思いに楽しむひとたち。
わんこわんこわんこさらにわんこ。
ボートをこぐカップルたち、噴水、鳥の声、
大小いろんな弦楽器、あるいは和楽器、
ハーモニカのひと、トランペットのひと、
なんとなんとハープの小型版、と言うよりは竪琴、と
言いたくなるものを奏でているかたも。
さすが中央線だわー、と、ミーハー気分で
ふむふむ感心しながら池の周りをお散歩する。

優雅なのかどうか、わからない

松家 仁之 / マガジンハウス



井の頭公園のそばで、ねことくらすこと。

最近すっかり考え事をしながら歩くのが好きになってしまった。
水のそばならなおよし。木の葉や木の根を踏むもさらなり。

のどが渇いたのでテイクアウトのコーヒーをいただく。
コーヒーと仲良くなって、こういうとき本当に便利になりました。
もちろんこういうシチュエイションでおいしいお茶が
提供されればそれがいちばんなのだけれど。

サバの夏が来た (白泉社文庫)

大島 弓子 / 白泉社



以前大島さんは、
この公園のすぐそばのマンションで暮らしていた様子。
私はそのころ福岡でのらのらしていたので、
まったくわかっていませんでしたが、
たぶん知っているひとは特定できても不思議はない、
そんな描き方でした。
(周辺の地図と顔見せの実名とかお部屋の間取りとかも入っていたし)
(情報に関しては)おっとりした時代だったのね。
とは言え私も、ところでどこのマンションかしら、なんて、
ちょろっと物見高く考えてはしまいますが。

そんな井の頭公園で撮影された映画。

グーグーだって猫である ニャンダフル・ディスク付き [DVD]

角川エンタテインメント


(ニャ、ニャンダフル・ディスク付き…??)

この映画のプロモートがきっかけで
小泉さんの『小雨日記』が連載されたという、
個人的には十重二十重にもありがたい作品。
加瀬さんも出てます。びっくりした。

遠くに行きたいなあ、と、思う。
これは逃避なのかしら、なんてことも思う。
いやいやちこがいるからなあ、とも思う。
思いながら初夏の午後の陽に照らされた池をながめる。

つきあいはじめっぽい初々しいカップルちゃんが
やや緊張気味にさりげないサムシングをシェアしている。
うつくしい光景ですこと。



さりげないものをさりげなくシェアする、
なんとも原始的でシンプルな愛のかたち。

『私がもっとメカ得意だったらさぁ、○○話の作監だったんだけど』
おもわず滑りこけそうになる濃い会話。
さすが吉祥寺。いやジョージ。
も、もそっと詳しく!! と、思いながらも何食わぬ顔で通り過ぎる。

「Beautiful Summer Night」
イギリスぽいアクセントのかた。
そうだね、とまたも8年前のロンドンを思い出す。
6月のロンドン。21時になってもこんなふうに明るかったあの空。
ロンドンの夏はこんなかんじなのかもしれない。

カップルで乗ったボートのうえで、
女子が威勢よくオールをにぎしりめている。
笑顔で見守る男子。
私のうしろを歩いていた青年がいう。

『ないわーあれはないわー俺だったら彼女にあんなこと絶対させないわー』

その自信を大事に生きていくのじゃよ、と、謎の老人ぶってみる。

『あや(仮名)の彼氏学年トップらしいよ』
『まじで? △△より上なの? すごい』
『あや勉強おしえてもらえるね、ラッキーじゃん』
『それが教えてもらえないんだよ。
おまえと勉強の話したくないっていうの』
『なにそれひどーい』
『でも宿題やってくれるの』

小鳥ちゃんのさえずりと言うにふさわしい会話。
若さってかわいいなあ。素晴らしいなあ、なんて思う。
このかろやかさこそ時分の花よ。

たのしいので2周も歩いてみる。
純粋に散歩目的で2周して、
公園を堪能しつくしてようやく本来の目的地へ。

萩尾望都SF原画展 宇宙にあそび、異世界にはばたく

入場料100円。すごく変な表情になる。
いや確かにそんなに大きな展示ではありませんが、それにしても、ねぇ。

鮮やかで真摯なまなざしのキャラクターたち、
画面の使い方の自由さ、奔放さ、それでいて破綻のなさ。
なによりも透明で繊細なのに力づよく芯のつよい美しさ。至福。

すこし異端のものを、自分の感じる疑問や謎や気持ちの高鳴りを、真剣に見つめて
いかに繊細に愛していつくしんできたのか、
そしてそれをいかように表現してきたのか。語り口の妙について考える。
SFでもファンタジーでも歴史ものでも、それは変わらない。
その変わらなさにこころが震える。
それでいて破綻も無理もない舞台設定に綺麗に落とし込む妙技。

作家の視線のやさしさと、それを貫く強さに
ほぼ平伏しそうになりながら会場を後にする。

併設の浜口陽三記念室(特集は夫人でもある南桂子氏)と、
萩原英雄記念室も、版画好きとしてはたいへん楽しめました。
たのしい1日でございました。

帰りは渋谷乗り換えで東横へ。
時間が合えば、渋谷で国芳国貞を見ようと思いましたが
まあ順当に時間切れ。
もちろん公園でお散歩などせず、さくさくと展示に向かっていれば
間に合ったのかもしれないけれど、この日はそういう日なのです。

各停に乗って、車内で読書に耽りながらとことこ帰りました。
なかなか良い1日であった、そんな記録。

読んでいたのはこちら。

本の寄り道

鴻巣 友季子 / 河出書房新社



図書館より届いたばかり。
万華鏡のようにたくさんの本の話題が
さくさくさらさらと。たのしい。純粋にたのしい。知っている本も、知らない本も。

本日購入したての本。いそいそとページをめくる。

いもうとは秋田犬 (LGAコミックス)

小池田マヤ / 青泉社



40代独身女性漫画家が、犬と暮らす生活を志して、
保護犬の秋田犬・南ちゃんと生活するようになった記録。

小池田さんは毒のつよい作品も多いけれど、
さらりとしたお話もすばらしい。
凛としたこころの強さが一貫しています。
愛情と言うもののありようには大変真剣な作家さんで
読んでいて胸がいっぱいになります。

萩尾望都SF原画展 宇宙にあそび、異世界にはばたく

5/29まで。興味のあるかたはぜひ。

by chico_book | 2016-05-16 01:53 | まんが | Comments(4)

Commented by Linda at 2016-05-17 04:33 x
一日で遠くまでお出かけして
いろんなことしてちこぼんさんすごいっ 行動的です。

本の寄り道、表紙がかわいいなぁ!

中央線の特別快速は吉祥寺に止まらない。肝に銘じます。
乗る機会あるかな~??
Commented by にゃおにゃん at 2016-05-17 13:11 x
更新にちょっと安心したにゃ。
吉祥寺、一度しか行かなかったけど好きな場所で夫連れて一日お散歩しました。井の頭公園近くのチャイブレイクのモーニングが超お勧めと聞いて行ってみて満足!素晴らしかった!そのあとお茶ノ水の由来を見たりパン屋を回ったりワインの有料試飲をしたり。
確かに水上ボートはいろんなドラマがあるね(クスクス)でもきっと我が家は私が漕ぐ役目だわ!
Commented by chico_book at 2016-05-18 22:19
Lindaさんコメントありがとうございます☆
都内に出るまでもよっこらしょ、
なのですけども、
中央線でずんずん突き進みのはまたなんとも言えない旅情があるのです。
めったに行きませんが、大好きです。
私の馴染みのある街は九州も横浜も(そんなに高くないけれど)
山がせまっているので、どーんと地平線が見えそうに開けた
風景がものめずらしくって。
あと、この線路の先に果てしなくつながってるなあ、
なんて思ってしまうからかも。
フィレンツェからサンマリノに行ったとき、ヴェローナで乗り換えたのですが、
まあその時の行く先の多様なこと・・・どこにでも行けるね、なんて
わくわくしたことをおぼえています。
15年近くも前のことなのに(笑)
Commented by chico_book at 2016-05-18 23:53
にゃおにゃんさんこんにちはー☆
安心してくださってうれしいにゃん。
一時期、ちこをだっこするのも
おぼつかなかったりしたのですが、
もうかなり復活しております。
だっこされ心地もよくなかっただろうに、
文句も言わないやさしいにゃんです。感謝。

そしてまたここでもおいしいモーニング情報を!!
さすがですねぇ。情報ありがとうございます。
たしかに素敵そうなお店ですね。
チャイおかわり自由なんて太っ腹だわ。
朝のうちならゆっくりロケーション楽しめるかな。
(素敵ロケーションですが大混雑必至)

ボートはねえ、
もう見てるだけでもめっちゃ楽しかったです。
ドヤ顔で
「俺だったらね」
なんていう青々しさもまた時分の花だわー。
そうですか、まあおきばりやす、
なんて胡散臭い関西弁をこころもちに。
青々しくってかわいいなあ、なんて、
しみじみと見守るこころもち。

実際には、ボート自体が大人気で
押し合いへし合いしていたし、
実際には女の子が漕ぎ手のボートも多かったです!!
みんなここに来るとボートに乗りたくなるのね。
私もすこしだけですが、漕いでみたいかな。
3回も漕げば、背中ばっきばきになりそうですが。
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