魔法使いは魔法の言葉を私に告げる

木曜日に携帯に着信があり。ちこの血液検査について、お医者様から。
概要をざっくり聞いて、土曜に行くことにする。
「ちこちゃんはつれてこなくて大丈夫です」

火曜も水曜も、朝ベッドのうえから出勤する私を見送るちこ。
帰宅しても、お出迎えなしの日々が続きました。

「ちこにゃーん?? 」
姿を探すと、あらまあなんということでしょう、
朝出かけた時とほとんど同じような姿でベッドの上にいるではないですか!!

「ちこにゃん?」
そっと寄り添ってみる。
とたんに、部屋中を揺るがすような大音量のごろごろ。
あごをなでる私の手をざりざりなめて、おなかをさらして私を促す。
そっとそのあたたかさやわらかさに手を添える。ありがたや。
しばらくするとおなかを撫でる私の手を叩く、ちこ。
ご機嫌そんなに悪くないようにも、見える。
いつもと変わらないようにも、見える。

ごはんとお水は減っているし、トイレも使用形跡あり。ちょっとほっとする。
それでもベッドの上から動かない。すごくおとなしい。
どこか痛めちゃいましたか?? だっこしてあちこちさわってみる。
いやがらない。
ベッドの上で少し歩いてみてもらう。しぶしぶあるいて、ぺたん、と座るちこ。
……特に異常はなさそうだけど。ただ、気持ちおとなしいなあ。
つめを切ったから、いままでと感じが違うのかしら。
ベッドの下に補助台を設置してクッションを置いてみる。
ねこバリアフリー計画(しかしこの作戦は不発)。

私のせいかしら。
ちこは(思ってたより)おばあちゃんだったなんてね、と
思ってしまっていたせいかしら。
ねこ友さんに
「ちこにゃんうちの子よりおねえさんだったんだね。
しっかりしているとは思ってたよ」
なんてメールをもらったりしたせいで、私が過敏になってるのかな。
以前はこういう時の試金石として「ちゅ~る」出動していましたが
いまは自粛して
『メディファス12歳以上のねこ用ウェットフード』
を、水でのばしてあげてみる。よかった。ふつうに食べてる。
安心していいのかどうなのか。
こういうささいな変化って、本当に難しい。

それでも、木曜金曜のちこは、わりあいふつうに戻って、
私の朝と夜に併せてお出迎え挨拶したり、
押し入れに籠城したり、大声で甘えてみたり。

そしてようやく土曜日。緊張気味に病院へ。

「前回より少しだけですが腎臓の値が悪くなっています」

検査結果をもとに説明していただく。

「腎臓病の初期ですね。
腎臓の組織は、基本的に回復しません。
ねこには本当に多い病気で、以下に進行速度を遅らせるかが大事になります」
(12歳以上では25パーセント、15歳以上では30パーセントのねこの持病であるとのデータもあるのだとか)
(ちこぼん調べ)


治療法について説明。
おくすり、フードのサンプルの提示、サプリメントも。

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「一番簡単で効果があるのはごはんなんですよね、
ただねこちゃんは、ごはんにこだわりがある子が多いので、
まず食べてくれるかどうか」

確かに。たとえば、ちこはヒルズは全然食べません。

「ごはんが変わるだけでストレスを受ける子もいます。
それでは本末転倒なので、
いきなりこの(サンプル)フードだけにしたりしないで
必ず今までのフードと並べて、それで食べるかどうか確認してください。
ねこちゃんの機嫌を損ねると、長引く場合がありますから

療法食を食べなかった場合用に、粉末のサプリメントをだしていただく。
こちらは『リン吸着剤』。
おくすりではないのですが、いままでのごはんにまぶしたりまぜたりするもの。
無味無臭だとのこと、ウェットのスープ部分が大好きなねこなので、それに混ぜれば大丈夫かな。

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一日一包のものを、とりあえず一週間分7袋。
そして年齢の件について念押し(あるいはだめ押し)。
13才と言う気持ちでいてください。はい。粛々と、はい。

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ハイシニア・・・・・・!(こっそり涙)。

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写真としてはぼけぼけですが、
私の心理的な衝撃を緩和する意味でもこのままで。
キドニーキープ大事。

「週中すこし元気がなかったので、私もちょっと動揺してしまって」
「わかります」
「13才と言うと、人間換算で68才だそうですね。
ちょっと元気がないと、もしかしてだるいのかな、とか、急変かな、とか」
「大丈夫です」
きっぱり。
「この病気に関しては、まだそんなに悪い数値ではありません。
放置しないことが大事な段階です(注)
いまからしっかりケアしてあげることで、
いかにちこちゃんの幸せな時間を長くすることができるか、
ということなんです。
心配しすぎないでください。
ねこちゃんはかしこいので、必ずその気持ちを読み取ります。
飼い主さんがしっかりと、ねこちゃんとねこちゃんの体調に
むきあうことが大事なんです
」 
・・・・・・はい。
「この半年で数値が変化しているので、
次は3か月後くらいに来てくださいね。
もちろんその間に、何か変化があったらいつでも来てください。
あとごはんのことも、なんでも聞いてください」

かえりみち。すこし泣きそうになりながら歩く。

心配しすぎないでください。しっかりと向き合ってください。

「獣医さんはこころがやさしいに決まってる」
「どうしてそんな話になるんだ」

愛蔵版 動物のお医者さん 2 (花とゆめCOMICSスペシャル)

佐々木倫子 / 白泉社


(個人的な好みでミケの表紙を)

確かハムテルと二階堂の会話でした。
この淡々と話が進行してゆく作品のなかで
私が好きなセリフは(数あれど)
「(もしかしてねこは死んでいるのに)先生が僕を思いやって
芝居をしているのでは」
と言う二階堂に
君の気持ちを考える義理はない
と断言したドクター!!
(ドクターだらけの作品ですが)二階堂家の『まぼろしのねこ』のエピソードで、
一回こっきりの街の獣医さんなのですが、
この切れ味のよさ、いまでも鮮やかに残っています。

そんな記憶もあり(まんがに支配される人生のよろこびよ)、
獣医さんについうっかり人格を求めてしまわないように
自省を心掛けてるつもりなので、逆にこのタイミングでの
やさしさにほろりとしてしまいます。

病院のお向かいは小学校。
ドアを開けると、運動会の歓声が明るく響いていた。

横浜の市の花はばら。
個人の庭のあちこちにも、公園のいたるところに、
ばらとあじさいが咲いている。
優しくその大輪の花を掲げている。
あるいは面映ゆそうにうつむいている。
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最近水入れのふちに、
あごを乗せるようになったちこに似ている。
気がする。だるいのかな。あたまが重たいのかな。
5月のばらは素晴らしく、私のねこも素晴らしく、
素晴らしすぎてすこし泣きそう。

バス停に、迷子ねこの貼り紙。三毛猫さん。
胸からおなかにかけて雪のようにまっしろで、ちこみたい。
「ややぽっちゃりしています」
公園の地域猫さんなんだそう。
おそとの子でそんなにふくふくで、まっしろさんだなんて、
なんて愛されてるの。ねえちこにゃんや。
はやくはやく見つかりますように。

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(寝起きでぼおっとしているところ)

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すやすやにゃんなのがなによりありがたい。

次は8月に。
しっかり尿検査もしてもらおうね(未来のわたしへ備忘録)、ちこにゃん。
(私が事前に検体を取得できるのがのぞましいとのこと)

※(注)
尿素窒素(BUN):前回36  → 今回43 (正常の目安:16-36)
クレアチニン(CRE):前回1.9 → 今回2.0 (正常の目安:0.8-2.1)
◎以下、病院では特に言及がなかったのですが、ネットで検索して見つけた情報

尿素窒素/クレアチニン=20を超えるのが、腎臓病の初期であることの目安

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このぽったりと重たげなやさしい花の風情が、ちこのおなかによく似ている。
ゆっくりと、でもちゃんとがんばろうねちこ。一緒にがんばろう。
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by chico_book | 2016-05-29 07:05 | ねこ | Comments(8)

Commented by pinochiko at 2016-05-29 09:21
にゃんこの些細な変化には動揺しますよね。
思い過ごしなのか、重大なサインなのか。
今回は病院へ行って良かったですね。
初期段階から向き合っていくことが出来るのですから。
でも一瞬世界が静止したような気持ちがしたかしら。
私ならきっとそう。
そして外のバラの美しさ、子どもたちの声に泣くかも。
静止したのは自分の心の中だけだったと。
共通の戦う相手が出来て、ちこにゃんとの絆は増々深まっていきそうですね。
負けるな、ちこにゃん!
Commented by chico_book at 2016-05-29 22:09
pinochikoさんありがとうございます(涙)
あたたかいコメントで泣きそう。
実は、病院から出た直後、
外の世界に全然リアリティがなくて、
半ば呆然としたままとぼとぼと歩きました。

運動会の歓声とか、公園にひびくたのしげな声とか、
全部うそみたい、ニセモノのように遠く感じて。
建築家でエッセイストの故・宮脇檀氏が
『最後の昼餐』のなかで、
自身のガン宣告を受けた時に
『私の上にだけ雷が落ちてきた』
と表現していらっしゃったのですが、
まさにそんな感じ、
と思って、いやちょっと大げさかな、
でもそんな気持ち、そんなことを思いながら歩きました。
(そして薬局に行って処方箋を忘れていたことに気づく)

当たり前だけど、
ずっとずっと一緒にいられるわけではないんだと
いう事実を改めてかみしめながら、
正直言うとひとりでめそついていました(小声)
明るい5月でよかった。しみじみそう思いました。
梅雨の時期だと傘にかくれてもっと堂々と
泣いていたとおもいます。
でも私のねこ友さんちのにゃんたちは、
もう何年も闘病や介護、
自宅輸液などもしていたりするので、
なんというか改めて尊敬
そして身の引き締まる思いです。

幸いサンプルフードのリアクションも
(いまのところ)よいし、
気持ちを落ち着けて、合言葉は「一病息災」にゃん。
pinochikoさんちの王子様たちは、
ふたりでしっかり運動もしていて
健やかそうで素晴らしいです。
いつもすこやかでのびやかで、
本当に見ていて幸せになります。感謝。
若いって素晴らしいにゃ、
なんて(ちこに聞こえないように)
小声でこっそりつぶやいておきます。

Commented by Linda at 2016-05-30 04:34 x
やさしいちこぼんさんが
大好きで大好きで仕方ないちこにゃんの
からだのことで胸を痛めていると知り、
わたしまでうるうるしてしまいます。

でも、獣医さんが大丈夫ですときっぱりいって
適切な対処法を教えてくれた。これはすごく良い兆しじゃないでしょうか。

私も一病息災という言葉をすごく実感します。

心配になったらブログで吐露して
一緒にがんばっていきましょう。
Commented by conatsu_cafe at 2016-05-30 15:22
すみません、泣いてます。
ちこにゃんは大丈夫なのに、どうしてこんなに胸が
ちぎれそうになるんだろう。。
日々、いろいろ悶々としたり、どうして自分はこんなことも
できないんだろうって責めたりすること多々あるんですけど、
基本、支えてくれるひとがいるってことを決して決して
忘れてはいけないと。感謝し続けないといけないと。
ありがとね、ありがとねって傍らのねこの背中を
撫でております。そして自分の心にも平安が訪れてきます。

ちこぼんさん、またメールいたしますね。
Commented by chico_book at 2016-05-30 23:56
Lindaさんありがとうございます。
ほんとうにありがとうございます。

週末からこちら、ちこは先週よりはふつうに戻って、
私が帰宅した後、お出迎えこそないものの、
リビングや足元に来て構って構ってアピールを
猛然とします。
かわいいやら愛しいやら大事で大事で大事で。
まさにミ・テゾーロだわね、すごいねすごいね、と
私も猛然とおこたえしております(堂々)
並んでるお皿でも、療法食からもぐもぐしているので
ひと安心です。

ほんとに、獣医さんのひとことがストン、と心に響きました。
井戸に落ちた私の上に、まっすぐ光が届いた、みたいな。

実は私も持病持ちなのです。
治るものではないのですが、
ただ意識して上手に付き合う必要がある種類のもので、
(体質のようなものですね)
数年前にそれが発覚した時に、医療関係の友人が
「一病息災」
と言ってくれて、やはり気分が切り替わりました。

ちことおそろいだね、なんて。
いっしょにがんばろうね、とか。

なんとなくですが、ブログには
あまり暗いことは書かないようにしよう
と思っていたのですが、
備忘録も兼ねて…と言うのはほぼほぼ言い訳で、
ちこのことは書いてしまいました。

正直言うと、ひとりで抱えきれなくて。

オンラインのねこ友さんがいて、ほんとに心強いです。
ありがとうございます。

ちこはいま私のおしりにくっついて
ひとりで静かにごろごろ言っています。
やや低音ながらほんのりご機嫌といったかんじ。
なんてかわいくていいこだろう。

元気にお散歩MOMOさんによろしくお伝えくださいませ♪
これからまた、お外満喫のシーズンになるのかな。
Commented by chico_book at 2016-05-31 00:34
わーんこなつ様泣かないでー!!
ちこはさっきも、(きっと)お高いであろう療法食(のサンプル)を
もぐもぐたべては、えっくえっくと出してしまったりしていますよ!!
(つまりは通常営業)

ほんとに、いったん整理して文章にして
この場所に出して、
それを何度も何度もじぶんで見返すうちに
落ちついて情報や感情が整理されるのです。
わたしにとってブログは結構そういう場所です。
ブログやっていてよかったです。
しかもテーマを絞らない雑多な場所にしていて、
個人的にはよかったです。

すこしずつ気持ちもおちつきました。
皆さまのおかげでもあります。
この場所がなかったらずっときっと悶々としていたし、
ネットと言う場所でみなさんのにゃんこ情報が
あることのありがたさ。

こなつ様の縁で知った「たまの伝説」に
腎臓の健康に配慮した商品があることを知って
そっとよろこんだりしています。

こなつさんが、まりちゃんの変化に気づいた時のこと、
しみじみと思い出しています
(その場にいたわけでもないのに、勝手に(笑))
それにしても、前回たまたま病院を変えてよかった。
ほんとうによかったです。
前の病院も悪くはないのですが、
なにしろ待ち時間が長いのと(比較すると)遠いのと、
待合室が狭い割にわんこが多いのと、
(しつけ教室もしているせいか、中型犬以上のわんこ率高)
その結果先生が忙しいので、なかなか質問などしづらくて。

それを思うと、そもそも今の病院は
去年の春に開業したということもあり、
なんだか運命のように感じてありがたい限りです。
ものすごく短い周期でお店が入ってはつぶれ、
入ってはつぶれ、と言う場所だったので、
新しく『動物病院』が出来たなんて!!
ひゃー、と思って、毎日前を通るたびに
「…あそこの病院どうなのかしら……」
とガン見していた日々。
思いきって行ってみてよかったです。
やっぱりちこにゃんきっと強運だわ。

やさしいまりちゃんや
(いまでもお姉ちゃんと呼んでしまう)
きりっと美人さんのさくらちゃんを見習って
そして目標にして、
ちこもしっかりゆっくり取り組んでいきます。
宣言。
まりちゃんにそっと頬寄せる気持ちです。
やさしいねこ姉さまによろしくお伝えください。
Commented by にゃおにゃん at 2016-05-31 15:43 x
心配だけど、心配ないよ!さくらも2,3年前肺炎で入院したり点滴したけど元気になったもん!
でも気をつけてあげてね、人間もこのところの暑かったり寒かったりてろ弱る季節。毛皮着た猫ちゃんには暑い季節かも。
さくらとちこちゃんがんばれーって念を飛ばします。
Commented by chico_book at 2016-05-31 23:29
にゃおにゃんさん、
そしてさくらちゃんほんとにありがとうございます。

ちこはすっかり落ち着いて、二種類目の療法食も
(いままでのフードより)先に口をつけています。
よかった。
『ロイカナしか食べません』
と深刻顔でドクターに宣言したのに、拍子抜け。
たまたまなのか気まぐれなのか、
なんにせよありがたいことです(しみじみ)
ぜひこのまま行ってほしいにゃん。

ベッドの上からあまり動かないのは変わらないのですが、
私の様子を見に来たり、くったりねほどけたり、
おなかをさらしてのびのびと寝たりしているので
私の心配も少しずつ溶けつつあります。

でもでも、そうですね、
これから厳しい季節になりますね。
去年新しいエアコンを買っていてよかった。
いままでうちにあるのは、20世紀の遺物(笑)で
エアコンクリーニング業者さんに
『劣化したプラスチックが割れちゃうかも』
なんて言われているんです。

新しいエアコンは、思いっきり稼働させても
電気代は桁違いに安かったし、
さむくなりすぎないし、いろいろ安心。ほんとに安心。
きっとこれからの季節、
ちこを快適にのりきらせてくれることでしょう。

さくらちゃんも大変だったんですね…。
今ではすっかり健康な、
しなやか健やか美人さんですよね。
ほんとに元気になってよかった。

ちこもさくらさまを理想として胸に掲げて
療法食と減量がんばりまっしょい(わたしと一緒に)
(実は中性脂肪もすごっく増えていたんです・・・
ほんとにいろいろと猛省)
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