ミニマムでダイナミックで

ものすごくはまったドラマはまんがの編集部が舞台でしたが
いまものすごくはまっているまんがの新刊が出てました!!
ワーワー!(歓声)

阿・吽 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

おかざき 真里 / 小学館



すごい。すばらしい。
恋愛まんがのイメージが強いおかざき真里さんが歴史漫画、
しかも最澄と空海の物語を描くとは、正直意外だったのですが、
作品をみてみればまあこれしかないよね、と言うドンピシャぶり。
大成功ではないでしょうか。

※小学館公式サイト。一話の試し読みが出来ます
(でも紙の方が、線の色気が際だつように思います)
なによりかおりたつような色香のある線を描く作家さんなので。

縦横無尽に展開される絵と文字、イマジネーションの融合が
平安初期のおどろおどろしい世界があふれんばかりに描かれる。
仏法の理念、生きてゆくという苦行、禍々しい政治の世界、
そしてそこにあるのはなにより人の気持ち、欲望、愛。

森閑とした山、森、その果てしなさ、
照明のない時代のぬるりとまとわりつくような深い闇、
頼りなく揺らめいて安定などしないものでも、ほかにはない燈明のおぼろ、
その中を手掘りで進んでゆく、それ以外にすべなどないという人間のあがき。
それらをすべてふくめて、圧倒的な構成力と画面で展開する物語。
ひゃーおもしろい。

とにかく絵と文字の迫力、話の展開や画面の構成の妙、
途方もなく美しくてダイナミックでこわい物語。
まんがを読む楽しみを全力で味わうことができます。
まんがって総合芸術なのだなあと思える幸福。

千利休

清原 なつの / 本の雑誌社



女性作家の描く歴史まんがと言うと私のなかでは清原さん。
『光の回廊』が一押しなのですが、『真田丸』協賛の気持ちで敢えてこちら。
いましかないこちら。
そぎ落とされたような絵柄で、訥々と語られる物語は決して丁寧でない語り口で、
その削りぐあいが逆に不在を強調し、のこされたものを際立たせます。

鎌倉時代、元寇を描くこちらも大好き。
伝説とダイナミックと混ぜ合わせる手法、合戦のていねいさと迫力さ、
まんが的な醍醐味がみっしり。まさに冒険活劇。
そのうえで、さらに元側の事情をていねいに描いてあるという
踏み込み具合が興味深い。
『阿・吽』とはまったく違いますが、とんでもない面白さです。

アンゴルモア 元寇合戦記 (5) (カドカワコミックス・エース)

たかぎ 七彦 / KADOKAWA/角川書店



冒険活劇と、哲学(愛とか贖罪とか葛藤とか)と言うと、
現時点でのちこぼん的真骨頂はこちら。

ヴィンランド・サガ(17) (アフタヌーンKC)

幸村 誠 / 講談社



11世紀初頭のアイスランドを中心とした北欧を舞台にした、
ヴァイキングの物語。戦闘と贖罪というテーマのバランスが見事。
じつにじつにみごと。

ついつい歴史コミックに熱くなりましたが、こちらも出てました!!

あかぼし俳句帖 3 (ビッグコミックス)

有間 しのぶ / 小学館



すごく面白い。

句会での合評がどういうふうに展開されるのか、
その有機的で流動的な面白さがこんなに伝わる、と言うことにびっくり。
ひとつの句をみんなであれこれ言い合って、より良いものにしてゆく、自分の作品でも、そうでなくても。
その為にじぶんの持ち手をありったけ出す、
まさにアドレナリン出まくるような場の空気が生き生きと描かれます。

明星さんが俳句に魅了されてゆくこと、
素直に熱心にうまくなりたいと思えること、
もっといい句を読みたい、そう思う気持ちに
読んでいる私もいつの間にか同調してゆきます。

最初はヒロイン・スイさん目当てだった明星さんが、
どんどん俳句の世界に没頭してゆくのがなんだか嬉しいし、たのしい。
ライバル・ゆさぼんの余裕しゃくしゃくぶりも
ちょっと癇に障ることもあるけれど、その実力に納得してしまうし、
いやな奴ではないのです。よかった。
見ようによっては、イヤミなやつだったりするけれど。

そして、年を重ねたからこその、さらりとほろにがく甘いエピソードもあって、
明星さんという人物に深みがじんわりとでました。

本作での有間さんは原作で正解だと思います。
有間さんの作画だと、濃厚でゲキシブで濃い味が出過ぎていたかもしれません。
作画の奥山さんのさわやかな味付けがとてもよいバランスになっていると思います。

(特に、有間さんが現在連載中の『その女ジルバ』がまた、
格別に濃い味だからというのもあるかも)

夏の午後はどこかしんとしている。強い光が音を奪うような気がする
そんな時に、エアコンの効いた室内で、この方とごろごろするのが至福です。
ベリーベストなサマーのアフタヌーン。
ノバなボッサとか、大瀧詠一とか、『奴のシャツ』とか聞きながらだとなおよし。

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(その割には実現しませんね(真顔))

うう。すみません。不徳の致すところで。

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まずちこよりはじめよ。お手本を示してくれてます。スバラシイ。
(その本読ませてください)

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by chico_book | 2016-06-21 01:46 | まんが | Comments(0)

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