さらりとしたかっこよさ


ずいぶん前から観たい観たいと思ってはいたものの、
時間の段取りにへどもどしていて、
公開中であることにも気づいておらず
「すっごくよかった!!」
と感想の絵ハガキをペンフレンドに
(正確には大学の先輩)いただいて、
あわててさっさと劇場へ。
「もうすぐ終了」枠でした。危ない危ない。





『スタジオライカ』の作品を見るのははじめて。
たいへん面白かったです!!

中世説話風の舞台に
スピード感と爽快感のある展開、
生き生きと描かれる主人公と
(開始5分でその性格のよさに涙ぐんじゃう)
村人たちのかかわり、そして溌剌としたアクション!

「If you must blink, do it now! 」
と言うセリフからはじまるかっこよさ
そして異形が異形でありながら
(なにしろ折り紙がするする動くんだもの)
滑らかにスピーディに話が展開していくのは
それだけで快感だし、
なんとはなしに
NHKで夕方放送していた人形劇を思い出します。
山川草木敵味方、栄枯盛衰夢の間も!!





※75年放送とは! 
幼稚園児が歌うには難しい歌詞ではないですか!!
このあたり兄がいたので(しかも、いまも昔も歴史好き)
いろいろ引っ張られ気味です。末っ子あるある。

お手本のような展開の冒険活劇
(実際構成を分析したらたぶん教科書どおりな作品ではないかと)
不思議なオリエンタリズムの味付けが
リアル日本との距離がじつに絶妙。

不思議な意匠の背景など、
逆に日本だと意識しすぎると情報として混乱する
さまざまを、却ってあっさり流せます。
広大な雪原とかあんな海岸線とか、
こんな場所日本にはない! リアリティがないわ!!
とかね。
(もちろんあるかも、私が知らないだけかも、ですが
それでも一瞬ついうっかり思ってしまいがち)

あ、でも、植生がちょっと北米っぽくて
そこはほほえましく見てしまいました。
生えてる木がね、太くて大きい。
水際ギリギリまで巨木と言うのは
あまり日本ではない気がします。
※予告でもちらっと映っているので言及
ちょっとリバーランズスルーイットぽく見えるというか。
(どういえばこういう邦題最近見かけなくなりましたね。
そうでもない??)





…そうか………モンタナが舞台だったのね。
いやモンタナのことなにも知りませんけど。


そういう細かい点では、
あの時代に(あの形の)××(自粛)があったのかとか
あの小道具時代的にありなのかな、とか
言いだすとアラサガシと言うよりいちゃもんじみてしまうし、
そしてそういうことの似合わない作品なのです。
ここまで日本のエッセンスを愛してくれてありがとう、
と言いたい。


※このあたり現在放送中のアニメ
『魔法使いの嫁』の、イギリスやアイスランドの描写の
細かいところが気になっていたりするのと
私のなかでは対になっております。
原作を軽くしか読んでないので確かめなくちゃ、
というかんじ。
いやその…アイスランドが出てくるとその……
つい前のめりになっちゃって。


CGアニメなのに、絵巻物のように思える不思議な浮遊感があった
(するする巻物がころがってゆくかんじ、
あの巻き戻し不可の不可逆性、容赦のないかんじがとても好き)
『かぐや姫の物語』と照らし合わせて考えると
たいへん面白いです。たぶん。
(説話風な物語とのリンクと言う意味でも)





キャラクター配分のバランスもよかったです。
アメリカ映画らしさが存分にあってその良さがカチッとはまった感じ。

わたしは字幕版を見たのですが、
ずいぶん小さな子供さん連れのかたもいて
(暗くなったらちょっとぐずるようなお年頃)
最初少しびっくりしたのですが
上映がはじまると大変集中していたようで
なかなか得難い経験でした。

クエスト、と言う単語の使い方にしびれました。
たぶん私が無知なだけなのだけれど。


生きてゆくうえで通過してゆくこと
失ったものへの哀悼や鎮魂と言うこと点でも
とてもよく描かれていたと思います。
繊細ではないけれどていねいでまっすぐに。


でもこれは本日最終回の『直虎』と
リンクしてしまっている部分もあり。
しかしこれは、偶然とはいえ幸福なリンクであります。
わたしにとって。
史実と講談【物語】の融合という点でも、
二年続けて面白いものみせていただいた、
という達成感と言うか満足感と言うか、とにかく素晴らしい。

それにしても、直虎のラストカットときたら……!!
そばにいるねこを抱きしめずにはいられなかったです。

あんなに(本日の最終回を見るまでは)
終わらないで終わらないでまだ観ていたいと思っていたのに
こんなにさわやかに晴れやかに見送ってしまえるなんて!!
引導をみごとに渡されていました。気づいた時には既に。
ほんとうにありがとう。

(でもあの井伊の赤鬼が首置いてけされるところは
ちょっとみたい、ごにょごにょ)


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by chico_book | 2017-12-18 01:44 | 映画 | Comments(2)

Commented by pinochiko at 2017-12-18 07:26
この夏アメリカに行ったときに、この映画を見ましたよ。
当然英語だし、字幕もないし、中学生たちは全てのスト-リ-を把握できなかったようですが。
でもアニメだとなんとなく分かるみたいですね。
大人の私は最後は号泣でした。普段、マンガも読まないし、アニメもみないので、まさか自分が泣くなんて意外でしたよ。
違和感を覚えるところももちろんありましたが、ここまで日本のカルチャーに思いを寄せてくれてありがとう、という気分でもありました。
子どもと大人ではきっと見る視点も違うのでしょうねぇー。
Commented by chico_book at 2017-12-19 01:25
ぴの様ありがとうございます。

わたしはふだんからアニメと漫画に親しんで(笑)
過ごしておりますが、
劇場でもみんなぐじゅぐじゅになっていました。
よい作品でした。見逃さなくてよかった!!

たとえば
『もののけ姫』
とかだと、情報が多すぎて
「これは××あたりのことかな」
「○○を下敷きにしていそう」
とか思ってしまいがちなのですが
本作のミックス具合はちょうどよく
距離感を持たせてくれるよい按配だったと思います。
KUBOの(おそらく10才くらい)年令設定も
絶妙な感じがしますね。
中学生だとどんな感じだったのかな。
興味深いですね。

それからエンディングの楽しさ!!
要素てんこもりの上メイキングまで、
いつまでもみていたかったなあ。

あと、わたしはよくわかってはいないのですが
わからないなりに
『英語がものすごくきれい』
な印象をもちました。
いかがでしょうか?(おずおず)
アメリカのアニメはそういう方面に
コンシャスな印象がもとからあるので、
思い込みかもしれないけれど。
(あと主人公の性格がとにかくいいので、
そこに引きずられているかもしれません)

吹き替えも評判よいようですが、
私は英語で観てよかったなあと思っています。



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