人気ブログランキング | 話題のタグを見る

いちにち遅れても書いておきたい男子SPざっくり感想

金曜夜に大興奮して
3000字くらい男子SPの感想を書いたのですが

うっかりセーブしそびれて飛んでしまいましたトホホ。

心底がっくり来ますよねこういうの。
今更過ぎるほど今更なミスですが。

というわけでSPの感想を思い出せる範囲でさっくりと。
さすがにフリーの感想に(私のなかで)
ずいぶん上書きされてしまってますが

あくまで金曜夜、
ショートを観終わった段階の感想です。


「早く帰ってユヅルくん見なくちゃ!」
そんな声を全力で聞き流しながら
お弁当をもぐもぐしていたら

『うわー緊張してきた!』

という友人からのメール。
まさしく最終Gの6練の時間帯。

「私見らんないからね!(号泣)」
と、恨みがましく返したらひとこと返信。

『プーの海』

うぉうめっちゃ伝わる。
投げ込み少なめな大会かな、と思ってはいましたが
そういう訳でもなかったのかな。

そんなこんな、すべての情報シャットアウトして、
帰宅後しずしずと再生。1Gから。
だってテンくんここにいるなんて(涙)


今期、怪我でほんとうに苦しんでいたテンくん。
それでもスケートのやわらかさはテンくんでした。
スタート前に何か熱心に呟いていたテンくん。うう。
フリーにはいなかったテンくん……。
大好きなので見られるとうれしいけれど
もう辛いことなど何もなく
思うように過ごせますように。

ミーシャもジュンファンもじっくり見られてよかった。
これから出てくる若手の伸びやかさやわらかさ
円熟味あるベテランの優雅さ、両方見られてとても幸せ。
こういうのも、大きい大会ならでは、オリンピックならでは。

しかし第4Gあたりからがらりと空気が変わりました。
最近のリッポン見るたびに好きになる
アリエフくんの美しさ若々しい青年士官(完璧や)
トランコフさんがいまでも記憶に残っていますが
青々しさがまたよし、の、仮面舞踏会。

パトリックのやわらかさ。
正直団体戦で燃え尽きているのではと思っていたパトリック。
とんでもなく魅惑的な演技でした。
でもどこか
「勝ってやる勝ってやるやってやるおれを見ろ!!」
からは遠く離れたような演技で万感胸に迫ります。

いつかみんなここにたどりつくのだろうか。
でもそう思うと、そんなにも長いこと
パトリックをみることができてとても幸福だとも思う。

田中さん団体戦から
少しずつできることを反映させえているかんじ。
このていねいな踏ん張りがしみわたる。
がんばれ。がんばれがんばれ。

余裕のあるビシェンコさんのほがらかさ
ラトデニくんのうつくしさ、
ら、らんび先生!! とつぶやく私はGPFで
『ヴィーチャ…!』とつぶやいたヤコフのようなそうでもないような。
(当方おたくにつきちょいちょい脳内ボーダレス)

そしてネイサンの衝撃ときたら!!

団体戦の結果を、正直そこまで深刻に
受け止めていませんでしたワタクシ。

時差調整難しいパターンだし
そのうえ早朝だし
個人戦には合わせてくるだろう、くらいの感じで。

なにしろ友人との予想で(いまだから言いますけど)

ネイサン金
羽生銀
ボーヤンか宇野銅
次点でハビ

と予想していましたので。ええ!


常々ファイナルから全日本の感覚が近い近い近い、
と、文句たらたらのワタクシ、

全米ナショナルみたいに年明けならいいのに、

と思ってはいましたが
1月に決まってそこからのひと月で
キャンペーンとかイベントとか目白押しで
(ましてやネイサンまだシニア二年目なのに)
一気呵成にいろんなことが起きたのだとすると
そのプレッシャーたるや、大変なものだったと思います。
(アボットさんのツイートを参照しました)

あんなにキレッキレのネメシスだったのに。胸が痛い。
※FP未見時の感想です

コリヤダくんは団体からずっと心配でした。
調子悪そうで。
でもうつくしいんですよね。
決まらなくてもうつくしい、
うつくしいけれど点数ののびないこのせつなさ。

ロシアン男子をみていると
『女子のほうが怖い』
と言われていたゆかりん現役時代を思い出します。
かわいい系ではなく凛としたうつくしさ、
そのうえで火の玉のようなゆかりん大好きでした。
(春には二人目のお子さんがうまれるそうで、
まったく変わらぬ美しさ)
来季のコリヤダくんの復活を祈ります。

羽生さん、文句なしの復活。
どことなく雰囲気がやわらかくなったように思う。
羽生さんが
『押すな引け!!』
をおぼえてくれたのなら
それは途方もなく喜ばしいことではあるのだけれど
どこかおわりのはじまりでさみしくもある
けれどライフゴーズオン、ライフイズカミンバック
ということかもしれない。

以前のバラ1は、音のひとつひとつと戯れるような
うつくしい動きでしたが
今回はもう、羽生さんそのものから音が有機的に
波のように絡まりつくような
金色の粒粒がこぼれだしているような
静謐さに寄せた美しさでした。
しずかなところに降りてくるような。
それでいて激しさもある。

「怪我あけで慎重にいってるんじゃないの??」
とは友人の弁ですが、
それでいいです充分ですありがとうございます、
な、美しさでした。

スケートは人生そのもの、
という表現に深く同意するも
安易には使うべきでない劇薬だとも思うのです。

でも今期の宮原さんのフリーのさいご、
自分の重ねてきたすべてを天に差し出す、
キラキラと金色の粉をふりまきながら空にのぼってゆく
宝石のように美しい青い蝶(イメージ)を思うと
あの謙虚でひたむきな姿を思うと

ああ、若いうちの勢いに任せて
「自分にはできる俺はやるおれはやる」
磨いて探求し続けたそのはてにたどりつく場所は
自分のすべてを投げだして謙虚に身を捧げるより
ほかにできるものはないのだと、
胸の奥、おなかの底がひたすらに熱くなりました。
羽生さんここに行ってほしいような
まだまだすこしはガツガツしててほしいような
そんな思惑関係なく
うつくしく鮮やかに進化してゆく存在なのでしょうが。

しかし羽生さんのすごさもさりながら

ハビエルがよかった!!

欧州選手権すごくよかった、
尻上がりに調子をあげてきている、
照準をぴったりあわせるベテランの凄味、
そんな噂を聞いてはいましたが
いやいやいやいやほんとだすごいわコレ
ありがとうありがとう

やるべきことはすべてわかっている、
それをすべて完全に融合させているすごさ、
演技を体のすべてに馴染みきっているなりきっている
不自然や無理がどこにもない軽み
余裕とやわらかさ、ハビにしか出せない
やさしい世界。優しくて広くてあたたかくて強い世界。
ああ、こんなハビエルが見たかった、と、
ココロの底からうれしくなった。
やっぱり五輪は本当にすごい。

ボーヤンもどんどん良くなってきています。
このひとも今期は長期離脱組のひとり。
にしても長期離脱本当に多いシーズンでした。
高難度のジャンプというスポーツとしての部分と、
表現や演技の幅という部分のバランスについては、
いつも取りざたされる競技ではありますが、
若いうちにピークを迎えてしまう姿を見たいわけでもなく。
ましてやリスキーな部分に魅力を感じているわけでもなく
うつくしいものとかっこいいものが見たいのです。
さりげなく欲深。

本格的なルール改定の噂(確定でしたっけ?)も
むべなるかな。

しょうまさんについて語るのは非常に難しい。
私にとって。
うつくしいし魅力的だし素晴らしく決まっているのだけれど
どこか私の胸に届かない。昔から不思議。
うつくしさは伝わるので、わたしのほうに欠損があるのだと思う。
しょうまさんアクセプターがないとかそういう方向の。
表現のための表現に終始している印象というか。
もちろんそれで充分なんです。スポーツなんだから。
でも私の好みとしては、そこに解釈の余地が、
もうひとふり欲しいというかんじ。

よく言われるしょうまさんの「鈍感力」
それはアスリートとしてたいへん稀有で
よい方向に作用しているようで、
喜ばしいことなのだけれど
それによって取りこぼされた感情(か、それに類するなにか)の
ひだひだのなかのなにかが、私に届かなくて素通りししてしまう、
そんな印象。
もちろん私の解釈力の乏しさで
わかってないだけかも、とも思うのですが。
だとしたらわかりたい。
わかるきっかけとかトリガーとか何か欲しい。
ほんとうにわからなくてもいいから。

このあたりは本当に好みの問題なので
たとえば羽生さんのガンガンな姿勢がだめなひともいるし
宮原さんのコツコツが小粒に思えてすっきりしないという話も聞く。
ただの、
表現の方向性とか、好みの問題という部分も大きいのでしょうが。

うむむ。

いろいろ悩ませてくれるから
そこも含めてみてたのしい競技です。




by chico_book | 2018-02-17 23:55 | フィギュアスケート | Comments(3)

Commented by 828summer at 2018-02-18 20:23
チコボンさん

こんばんはぁ。

わたしはネットでフィギュア関連は、あれこれほとんど読まないので、お気に入りにさせてもらっている、専らスケート好きな主に三人のかたのブログを通して、見方の鋭さ深さ独自性に刺激を受けて、スケートを見るのが楽しくなってきて、このオリンピックに至ります。なのでチコボンさん達みたいに、深く鑑賞したり、味わったりができないので、感想もよかったとか、あんまり好きじゃなかったとか、そういう淡い楽しみかた、チコボンさんを読むたびに楽しませてもらってます。

全日本のだったかNHK 杯の後の、安藤さんの選手の演技に対して寄稿した文章や(スケートやひたむきに頑張る選手ラブぜよみたいな)、宮原知子さんのおばあさまインタビューの紹介も、とても面白く感激して読みました。今ごろになりましたが、ほんとうにありがとうです。

同じような意味で元スケート選手などが、いまの選手を評して言うのに、あぁそういう風に見るのかと興味深いし、素直にそうか!、なんて鵜呑みにしたりする、ナイーブさで恥ずかしい限りなのですが、SPの後にNHK から受けた取材に、チコボンさんも書いていた、ランビエールが宇野昌麿くんのことを、Musicality、Interpretation 、そしてFlow が彼の優れた特徴、それ(天性の資質)がある選手ばかりではない、というように言ってました。羽生くんのことも何か言ってたけど、1つも覚えてないけど、それは響いてきました(キャメルコートでない、普段のリンクサイドにいる時みたいな、アースカラーのラフでスポーィーな防寒着姿、ひょっとして無精髭!? みたいな雰囲気も、かわいかった)。チコボンさんはそちら見ました?


見てなかったらと、日頃の多大な情報に感謝を込め、FYI です。


女子シングル、陰ながらお祈りし応援させていただきます。

ではでは。
Commented by chico_book at 2018-02-19 23:21
わあいコメントありがとうございます

ふぅふぅ男子シングルすごかったですね。
(しかし今日のアイスダンスも圧巻でした)
こんないいもの毎日見させていただいて
ほんと寿命が延びるわこれ。

ランビ先生!! 
ランビ先生のその映像たぶんHDのどこかに入っているはずです。
ランビ先生穏やかでお茶目でジェントルで完璧ですわー。

NHK杯の時に同居しているラトデニくんのことを
『彼は選手としても紳士としても立派に日々成長してる
それを間近でみるのは僕の楽しみです』
みたいなことを言っておられて
なんかもう、ありがたさでうっかり昇天しそうになりました。
危ない。
と言いつつ、ふだんの練習風景だと
「いつもこうしなさいっていってるよね?」
「わかってることいちいち言わないで! 」
みたいなやりとりがあって、なんだもう、なんなんだもう!!

しかしあらゆる方向でキャラだちしている人が
ざっくざっくいる怖ろしいフィギュア界。
ラトデニくんも(なにも見ずに)
日本のお城とか鎧兜とか描くそうです。趣味で。
なんなのこのひとたち・・・・・・
やはりスポーツでありながら
『自分を表現』
することにポイントがある競技は、
ひと味もふた味も違いますなぁ、と、思います。

話を戻すと、そうなんです。
私しょうまさんのSPはかなり好きで
衣装と相まって淡々と深々と深まって
雪が音を吸収して逃げ場をなくしてしまう
冬の感じがいいなあと思うのですが
でもどこかでちょっとひっかかって
すんなりなじまないんです。
FPはそれがもっと強くなる。
たぶんフリーだと
『トゥーランドット姫に恋い焦がれて
命がけで愛を語る王子』
を(ワタシが)みようとしてしまうからではないかと。

身体能力と表現力は充分なのに、
その先のもうひと押しを私は見たいのですけれど、
これこそ純粋に好みの問題で
競技者としてはそれで充分なんですよね。

長々しいまま続きます
Commented by chico_book at 2018-02-19 23:39
そしてそれってもしかして昔懐かしい
ヤグディンプルシェンコどっちがお好き問題ではないか、
と、友人と話していてはた、と気づいたりして。
プルシェンコをマイヒーローと言っている
羽生さんですけどかなりの憑依型というか没入型で
キャラになりきってしまうようなところがあるので
じつはヤグディンではないかというのが、
私と友人の見解。

そこにいくとしょうまさんはキャラの力など頼らずに
淡々とやるべきことを重ねる選手なのだなあと
ようやく思いあたりました。はぁスッキリ。

そのうえで、ランビ先生のおっしゃるような
様々なことをしっかりこなせる能力があるとなると、
これは強いー強いわー。

正直言うと今回銀はハビエルかなあ、と
思いながらみてました。
いやつよいわしょうまさん。

そしてしょうまさんはたぶんずっとこのままだろうなあ、
とも思うのです。
しかしそろそろほかの振付師のプログラムも見たいぞー。
堂々たるオリンピックメダリストなので
ぜひいろいろチャレンジしてほしいなあ、なんて
ファンはいつも勝手なことを思います。
苦悩する純粋な青年路線が続いているからなあ。
でも本人にその気はあまりないのかも。
はてどうなりますやら。

ところで女子の滑走順抽選会がおこなわれまして
宮原さん最終G第二滑走、メドべさんのあとです。
一瞬
「うう!!」
と思いましたが、最終Gならだれのあとでもきっと
「うう!!」
と思うことでしょう。
それにしても滑走順は世界ランキングでグループ分けされる
と思っているのですが
怪我による長期離脱のあとでも最終Gということに
ムネアツ。
もうそこから泣いてたら
とてもじゃないけどもたないのですが。
わかっているのですが。

もうワタクシいまから緊張して走り出しそうな勢いです。

怪我あけ復帰戦ということで羽生さんのことばが
さとこさんの力になっているといいなあと
思わずにはいられません。

名前
URL
削除用パスワード