とても信じられない訃報がはいってきました。
私は彼のスケートがとても好きです。
まだ、過去形で語ることは恐ろしくてできません。
力づよいのにやわらかく、しなやかさと儚さがあって
それでいてぜったいぶれない力強さを感じる。
その品のよさうつくしさは、唯一無二。
なにより余裕のある優しさ気高さ
演技をすること
スポーツとしての競技をすること
それ以上のものをいつも彼は見せてくれていました。
ずっとずっとながいこと。
点数が出ても出なくても、
自分の演技の軸がしっかりあって、
表現の目指す先を見失わずに、
みずからを決してうらぎらない演技でした。
近年、怪我の影響などで
不調な時もありましたが
その中でも、
自分を強く持って決して腐らず
自分の理想は自分のなかにあって
それを見ているのも形にできるのも、
自分だけなのだ、と言う
そしてそんな自分を信頼している、
そんな姿を、意志を、強く強く見せてくれた選手。
突然の訃報には言葉もありません。
25才。
引退の噂もありましたが
今期のGPシリーズにもエントリーがあった(はず)
なんという悲劇。
なんと無念であったろうことか。
今夜はちこにあまやかしてもらいます。
いつもはそんな負担をねこにかけたくないのですが。
一緒にくっついて、
テンくんのことを思って眠ります。
シブシブズの、カザフスタンそしてテンくん動画。
やわらかい笑顔。シブシブズありがとう。
テンくんの大切な故郷を、嫌いになりたくはない。
この動画のおかげで、優しい気持ちになれますきっと。
『アーティスト』
モノクロームの無声映画の雰囲気が
彼のたたずまいに本当によくあっていました。
イタリア語のヒアリング(というほどではなくぽつぽつ拾うのみ)も
たのしい。声をあわせて私も言います。
『ふぁんたーすてぃこ』
肩のまわしかた
はりつめたうつくしい指先
腕のしなやかさ、
ランディングやスピンの途中、
胸が柔らかに自然にそして堂々と開いているところが
とてもとても好き。
そしてこの柔らかな表情。
強さとはやさしさのことだよ、という言葉を思い出すのは
80年代育ちのせいでしょうが。
たとえば羽生さんはきっとこのまま円熟して行っても
どこかに悪ガキ感、いや、やんちゃ坊主間を残してたままゆくのでしょうが
テンくんは若いころから成熟を感じる選手でした。
お祈りしながら眠ります。
ちょっとべそべそしています。
見た目は変わらず痛々しいのですが
今日はカリカリをしっかり完食したおりこうさん。
週末に病院で、お目目の経過を見てもらおうね。
通院がんばり屋さんの立派なねこさん。
(そのうえ今夜は飼い主に甘えられるわけですが。
すこしだけね)